第190話 牢屋の探索と色々な思考
攫われてよく分らない場所に入れられた私は、少女を見つけ、ご飯をあげ、他にも生きている人が居ないかと現在捜索をしていた。
(居なさそうだな、死んでしまった人が多いのか・・・それは、無いか、腐敗臭もしなければ、私の探索魔法に白骨死体も腐乱死体も映ってない)
私は人を探しながらこう心の中で呟き、
(それじゃあ、もう殆どが売り飛ばされたって考えた方が良さそうだな・・・何処かにそれを証拠づける資料でも無いかな、取引先の名簿とか、記録とか)
このように考え、資料も探し始めた。
(あの、・・名前が分らないな・・・まぁ、良いか、あの女の子も売り飛ばされる可能性も高いから、早く信用を得られないと間に合わないかも知れないな・・・最悪は、売るために来た人間を皆殺しに・・・それは、嫌だな・・・・多分、この施設の大きさから考えても大きな組織だし・・・人間としてそのラインは超えてはいけないから)
私はそう考えながらも、資料を探し続けていたのだが、見つけることは出来なかった。
(まぁ、当然だろうな、そんな重要な物をこんな所に置くわけが無い、あると思ってた私、大分馬鹿だな)
私は自分を馬鹿にしながらも、
(さてと、それじゃあ、出口を探しますかぁ、何処にあるのかなぁ)
こう呟き、出口を探そうとしたところ、
(見張りがいたら危険では無いか)
こんな予感がしてきた。
(確かにそうだよな、危険度が高い、魔法で制圧できる可能性は高いけど、所詮私は、小娘だ、迫られたら詰む、それに私が冷静で居られるのかも不明だ、もしかしたら外してしまうかも知れないし、相手を殺す、もしくは重傷を与えてしまう可能性もある、それは、嫌だからな、犯罪者だとしても相手は人間なんだから・・地味に、私が逃げたことが判明したら、あの女の子が別の場所に移される可能性があるよな)
危険性のことを考えていると、面倒くさいことに気付いてしまった。
(さて、どうした物か・・・何日間、私が開けていても大丈夫なのだろうか・・・1週間、最悪それよりもだよな・・先生は上手くやれるか・・信じるしかないよな、それに、私があの女の子の信頼を直ぐに得れば良い話しじゃ無いか)
こう覚悟のような物を決めた私は、
「取り敢えず、あの子に渡した食器を回収して、自分が元々入ってた牢屋に帰るか」
今日の予定を小さく呟き、少女のところに滑らないように走って行った。
(地味に、現状、靴が無いから、走らない方が良かったかもな、痛いわ、冷たいし)
自分の行ってしまった事へ後悔を抱きながらも、
「食べ切れましたか」
少女のところに到着した私は、魔法で牢屋の中に入り問いかけると、
「・・・・・」
まぁ、何と言おうか、まだ返事をしてくれることは無かったのだが、器の中は空っぽになっていたので、食べてくれたことが分った。
「どうでしょうか、美味しかったですか」
(取り敢えず、話しかけて、信頼を買わないと)
と思いながらも問いかけると、
「・・・・」
まぁ、また無視をされてしまった。
(・・・これは、多分、怖がられてる臭いな、未だに、まぁ、まぁ、しゃあなし、しゃあなし)
私はそう思いながらも、
「・・そうですか、また何時か教えてくださいね、お願いです」
こうお願いをし、牢屋から出て、自分が最初に入れられていた牢屋に走って行き、魔法で中に入った。
(さて、策を考えないといけないな、どうすれば、あの子の心を開くことが出来るかな・・・沢山話しかける、面倒を見る位だよな、正攻法は・・いけないと思うけど、最悪、洗脳的な方法を使って・・・嫌だなぁ、色々と面倒くさいし、利益も少ない気がするし)
どのようにしたら少女が心を開いてくれるのかを考えながら、私は、
(さて、寝る準備をするか、明日もやる気をなくさないように)
こう考えながら、硬い、ゴミみたいな布団代わりのただの布に身体を転がらせ、
(あぁ、カッテェ、これは、身体が痛くなりそうだなぁ)
と呟いた後に、瞼を閉じ、睡眠を取るのだった。
…………
私が、眠りにつき、体感数分が経つと、
『カンカンカン』
金属に金属を打ち合わせるような音と、
『ドタドタ』
とした大きな足音が聞こえてきて、目を覚ました。
(今何時だ)
私がそう思いながら、目を開き、立ち上がると、窓のような物から朝日が入り込んでいることに気付いた。
(もう、朝か、眠いな・・)
私は少しこう思いながら、瞼を擦った後に、
(それにしても、うっせぇな、こんな音ずっと聞いてたら病むぞ)
こう聞こえてくる2つの音に叫ぶように文句を漏らすと、見知った顔が現れ、
「おい、クソガキ、てめぇ、昨日は良くも言ってくれたな」
と私を馬鹿にするような、見下しているような具合に声を掛けて来た。
(えぇ、キモい、クソじじい呼びをそこまで根に持つか、キモいなぁ)
私を攫った相手に対し、
「何のこと、私は貴方に酷いことを言った記憶は無いよ、事実しか言っていないだろう」
煽るように発言をすると、相手の顔は怒ったように真っ赤になり、手に持っていた鍵を扉に差し込み、鍵を開き、牢屋の中に入ってきた。
(えぇ、馬鹿だろ、コイツ、もし、私が反撃に出たりしたらどうするつもりなんだよ)
私がこう思っていると、クソじじいは更に私に近づいて来て、
「てめぇ、舐めてるんじゃねぇぞ」
こう怒鳴りながら、拳を振り上げ、私の顔はぶん殴られ、
「イッッ」
微妙に最後の所だけが言葉にならない、声が口から漏れるのだった。
あっ。そういえばの話
ゴールデンウェークに東京行くので、各種対応ができないかもなので、何かあったらご報告をお願いします。
一応は、ストックはあるので、で続けます。




