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第188話 あぁ、もう最悪だ、最悪だ、最悪だぁ~

 私が拾った『驚愕!!崩壊した某子爵領の真実』と書かれたくだらない新聞には、

『実は、子爵夫妻は虐待を行っていた!』

『実は、信じられないほどの圧政をしていた!』

 と具体的な根拠の示されていない、内容と、

『教会は、虐待されていた子供を救おうとしていた!』

『子爵には天罰が下った!』

『教会に入れば天罰など下ることなど無かった!』

 的な、無駄に宗教の株を上げるような内容、小さく、子爵の子供は、攫われたかも知れない、的な内容が、書かれていた。


(この新聞書いたライター、馬鹿だろ、信じられないんだけど、何で根拠を示してないんだ、それに、どうして、分かるようなことも全て取材をしてないんだ、どうして宗教組織を持ち上げまくってるんだ、まぁ、宗教所属だからか、それは)

 私は、お父様の発言的にも、書き方的にも、信じられない内容が書かれている新聞に、そう思いながら、近くに置いてあるゴミ箱に投げ捨てた。


「はぁ、最悪な気分」

 私はそう声を漏らしながら、公園から出て適当に何処かに向かい歩を進めた。

 …………

「はぁ、どうした物か」

 いつも通りのことが起きてしまった。

 まぁ、天丼ネタの迷子だ。


「さてと、本当に此処は何処だろうかな・・・・」

 辺りを見渡し、一番合う言葉を連想し始め、

「・・あぁ、そうか、スラムか、一番合う言葉は」

 私はそう言葉を漏らした。


(さぁ、どうやって此処から出ようかな)

 こう頭を悩ましながら取り敢えず歩を進めた。

 本当は歩みを止めたいのだが、周りから良くない視線を感じたから歩き続けている。


(さぁ、本当に此処は何処なんだ、私が見た地図の記憶が正しければ、この街にこんな入り組んだ道は無かった気がするんだがな)

 私はそう思いながらスラム街の小道を歩き続けた。


(臭い、アルコールとタバコと・・・何だ、本当に臭いな)

 辺りから立ちこめてくる臭いにそう思いながら、歩を進め続けると、奥から図体がデカい、不潔な格好をした男が歩いてきた。


(端に寄れば避けれるかな)

 そう思いながら、端によって歩を進めたのだが、その不潔な男は、私に合わせるように私が寄った方に身体を寄せた。


(あぁ、まぁ、こんな事もあるよね、・・連続回避本能だっけ、知らんけど)

 私はそう思いながら、反対側の端に身体を寄せたのだが、図体のデカい男も私に合わせて移動した。

(まぁ、まぁ、あるよな、こんな偶然は、あるあるだよな)

 こう思いながら、私は真っ直ぐ進み、相手が避けるのに期待することにした。


「おい、ガキ」

 私が真っ直ぐ歩みを進めると、図体のデカい男は避けることが無く、私が避けようとしたところでぶつかってきてその怒鳴り声を上げた。


「なに」

(謝った方が良いのかな・・・でも、なぁ、あっちからぶつかってきたのに、なぁ)

 と思いながら問いかける発言をすると、

「てめぇ、ぶつかっておいて、舐めてるんじゃねぇぞ」

 意味の分らない発言をしてきた。


(はて、私がぶつかった、どう言う事だ、意味が分らない、客観的に見ても主観的に見ても貴方がぶつかってなかったか・・・これは、どうやって対応をすれば良いんだ)

 私が反応に迷い、頭を回していると、

「クソガキ、無視してんじゃねぇよ」

 奴は、拳を振り上げながらそう怒鳴り、

(やべ、避けないと)

 こう思い回避行動を取ろうとした私の頭に対し拳を振り下ろした。


 頭が割れそうになる痛みと、

『ピカピカ』

 とした目眩、それに加え、ぐらぐらと揺れる感覚に叫びが出そうになったのだが

「いっ」

 こう声が小さく漏れるだけだった。


(はっ、イッタ、マジかよ、全力で殴っただろこのゴミ野郎、お前、私の事、殺すつもりだったのかよ、ふざけんなよ、ゴミ野郎)

 心の中で焦ってしまったために、暴言を吐きながら、不潔なゴミ野郎を睨んだ。


「あ゛ぁ゛、何だよ、クソガキ」

 明らかに不機嫌そうな声で不潔なゴミ野郎は私を怒鳴りつけた。

(あぁ、ヤッバい、これは、少しヤバいかも、次に殴られたら多分、死ぬかも、流石に)

 私はどうやって動くべきかを考えながら、額から止めどなく漏れている、脂汗とも冷や汗ともどちらとも言えそうな汗を拭った。


(謝るべきか・・・殴られないためにも・・・)

 少しだけ、こう思った後に私は、

(嫌だな、私に対し謂れの無い罪を擦り付け、ぶん殴ったこんな野郎に謝るのは)

 謎に憤慨のような気持ちが湧いてきてしまったために、

「何でもねぇよ、クソじじい」

 こう暴言のような捨て台詞を吐き付け、

(やったる、大通り、もしくは兵士がいるところまで私が逃げ切ったら勝てる)

 こう思いながら、全力で背後に振り向き、走り出した。


「てめぇ、ぶっ殺してやる、このクソガキがぁ」

 頭の悪そうな暴言を無視しながら、全力で走ったのだが、まぁ、私は所詮は9歳児という子供で、それに加え、平均よりも身長が低く足が短い、運動も最近していない、あと多分、脳振盪っていう条件が加わったら、当然、50くらいの見た目をしている男から逃げれるわけが無く、私は、追いつかれてしまい、殴られ気絶してしまうのだった。


 次に目を覚ましたとき、私は、

「あぁ、クッソ、頭が痛ぇ、はぁ、もう、クソが」

 そう呟いた後、自分の身体を見て、身ぐるみを剥がされて、最低限のボロ布を着させられていること、それに加え、足と手に枷がされていることに気づき、

「あの、クソ野郎が」

 こう叫ぶように小さく漏らし、

(地味に、私の髪色を変えてる魔法が解けなくて良かったな)

 この状況での唯一の幸運を心中で呟きながら、

(さてと、此処は何処なんだ、誘拐だよな、どうやって脱出した物か)

 頭を脱出のためにフル回転させ始まるのだった。

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