第18話 血の男爵
久しぶりに余裕を持って書くことが出来ました。
お師匠様との喧嘩が終わったのかお父様は、さっきまでとは違う少し晴れ晴れとした顔をした。
(これで、機嫌取る必要性無いな)
こう思った私は、嬉しい思いをしながら
「お父様、結局、名字って何なんですか」
忘れてそうだったので聞く。
私の言葉に本当に忘れていたのか
「ああ~そうだった、えと、名字ね名字」
お父様は、思い出すように
「う~ん」
と多少うなっていた。
(この人自分の名字忘れてるのかな、まぁさすがに無いよな)
自分の考えを私は、直ぐに否定することになる
(さすがに、そこまで馬鹿だと思っていなかったんだよ)
「あれ、私の名字って何でしたっけ」
お父様は、そう呟いた。
(はっ、マジかよ、この人上流貴族だよな)
心の中で呟いていると
「お前の方が馬鹿じゃねーか」
お師匠様が
「はははは」
豪快に笑いながら馬鹿にし始めた。
「お父様、正気ですか」
心の底から心配する声でお父様に問いかけた。
(本当に正気なのだろうか、もしかしたら正気じゃ無いのかもそうだ、多分魔法かなんかだろ)
心の中で正気じゃないだろこれ絶対と思いながら呟いていると
「お前、昔からそうだよな、今はもう上流貴族何だからいい加減覚えろよ」
お師匠が言っていた。
(マジですか、この人これが正気なんですか、そうなんですか、記憶力遺伝しなくて良かった)
心の中で安堵の言葉を呟いた直ぐ後に、
(どうしよう、この人やっぱ信用できない)
この思いが私を支配していた。
(さて、誰に聞こうか)
と考えていると直ぐにその人が目に入った。
「ロナルド様お父様の名字を知っていますか」
私は、騎士君に話しかけた。
ずっと空気になって逃げようとしていたように見えたが私が逃がすわけ無い
(なんで私だけ面倒くさい人たちの対応をしなくちゃいけない、絶対に巻き添えにしてやる)
こう言う思いがあったのは内緒だ、墓まで持って行くつもりだ。
「はっ、はい」
ロナルド君はちょっとうわずった声で返事をした。
(さすがに油断のしすぎでは)
と思いながらもロナルド君が続きを言うのを待っていた。
ロナルド君がお父様に遠慮しているのだろうか、お父様の方を見て何も発言することが無かった。
「父様、私は、貴方のことを信用できないのでロナルド様に教えて貰います」
とロナルド君を真っ直ぐ見ながらお父様を一切気にもせずに言った。
「ひどくない、エミリー」
お父様が私にその言葉を投げかけて来たので、
「貴方が信用できない理由は、明白では」
とお父様に返事をした。
その後、お父様が
「酷いよ、エミリー私そんな子に育てた記憶ありません」
ふざけたような口調で言ってきた。
「お父様、私は、生まれつきですよ」
私は、お父様に笑顔で返事をした。
その笑顔に何故かお父様は、手を振り
「良いよ、ロナルド君私は、思い出せそうに無いんだ」
思い出すことを諦めた清々しい声で言ってきた。
(諦めるなよ)
そう思ったものの
(そんな事もあるよな、お父様の記憶力を上げるために何かしようかな)
そう思いながらもロナルド君の話を聞くために姿勢を正した。
「ロナルド様、お父様から許可も出ましたし、お願いします」
にっこりとした自分でも可愛らしいと分かる笑顔で話しかけた。
「分かりました」
少し溜息をつくように言った。
「侯爵様は、ブランドー侯爵様だったはずです。
この屋敷でも帝都でも名前を侯爵様の名前で呼ばれることが多いので知らない人が多いんですよ」
家名を教えてくれた。
(てことは、私は、エミリー・ブランドー
お父様は、ルイ・ブランドー
お母様は、セリーニ・ブランドー
って言う事か、初めて知ったよ、領地とかもあるのかな、あと、何か血みたいだな)
名前に何か血が関係があるのかな、と気になった私は、
「ロナルド様、ブランドー侯爵の名前ってどう言う意味があるのですか」
と聞いてみた。
「それは、私も知りかねます」
ロナルド君が答えた。
(今まで、全部答えたから、これも答えられると思っていた)
思いつつも、
「お父様は、知っていますか」
こう聞くことにした。
(お父様、忘れてそうだな)
と思いはした物の聞いてみる。
「それは、覚えてるよエミリー」
お父様は胸を張って言ってきた。
「何なんですか」
と胸を少し躍らせてキラキラした目でお父様を見た。
(お父様の事を信じていませんでした。忘れてると思っていました。すいません)
心の中で謝罪の言葉を漏らし、耳を傾けた。
「確か、ブランドー家が平民だった頃に当時の領主に命令されて一つの民族を血まみれにした
それで、騎士爵に上がった後に隣国の王と家臣を槍で突き刺して血の池を作った。それで、男爵に爵位が上がった後にも隣国の民族の襲撃を押し返して真っ赤な平野を作った。そのせいで、『血の男爵家』って言われてから初代男爵が名付けたんだ」
お父様は、理由を話した。
「それで、どうしてブランドーになったのですか」
こう私は、気になったので問いかけた。
(この世界は、不思議なことに前世の言葉が多く使われている、だから血の男爵ならブラットになるのでは)
と思って故に何故にブランドーになったのかと聞いたのだよ
「この国では、ブラットという家が当時はあったんだよ今は、ほとんど没落しているがね、
そこで、当時の男爵が血を何度も頭で反芻して思いついたものらしいんだよ」
と教えてくれた。
(ブラッドなんて、自分の名前に付けるなんて異常だな)
私はこう思わざる終えなかった
2023/03/27、16:56
加筆、表現の変更、修正




