第176話 先生!ワープする魔法ってあるんですか?教えてください!
お父様がお肉の串を頑張って食べ終わった後も、沢山遊びました。色々気になる物、初めて見る物が沢山あり、楽しかったですよ。マジで、凄く。でもね、楽しい時間という物は直ぐに過ぎてしまう物なのです。だから、私は、もう、もう、もう、帰る時間になってしまいました。
「お父様、お父様、また何時か、一緒に来ましょうね、次はアルも連れて」
私がお父様にそう言うと、
「あぁ、勿論だよ」
お父様は馬のグローリーの手綱を握りながらそう返事をし、その後はたいした会話も無く、私達は家に帰るのだった。
…………
「先生、いますか」
私は部屋に帰ると直ぐにその声を上げながら椅子にジャンプをするようにして腰を掛けた。
「いるけど、どうしたんだい」
先生はそう言いながら、何処かの陰から出てきた。
「先生、ワープすることが出来る魔法ってありますか」
質問を投げかけると、
「あるにはあるけど、それがどうしたんだい」
答えと問いを返してきた。
「今日、街に行ったんですよ」
私がそう言うと、
「それがどうしたんだい、・・質問の答えになっていなくないかい」
先生は質問をしてきた。
「それで、また街に行きたいと思ったんですよ」
こうワープできる魔法が欲しい理由を言うと、
「君の親に頼めば良いだろう」
先生は案を提示してきた。
(馬鹿だなぁ、先生)
心の中で馬鹿にしながら、
「それじゃあ、駄目なんですよ、あのお二人は忙しいので、先生にワープすることが出来る魔法を教えて貰いたいんです」
と先生の案を否定する言葉を吐くと、
「まるで僕が暇なように言うじゃ無いか」
突っ込みをするかのように言ってきた。
「暇じゃ無いんですか」
ふざけて問いかけると、
「な訳ないだろう、僕は、神様なんだよ」
先生は直ぐにそう言ってきた。
「そうですか、忙しいんですか、先生、それでワープする魔法を教えてくれるんですか、教えてくれないんですか、どっちなんですか」
問いかけると、
「まぁ、良いけどさぁ」
教えてくれると言ってくれた。
(ありがとー、先生ありがとー)
心の中で御礼を言いながら、先生に抱きつくと、
「ただし、魔力が見える魔法を使えるようになってからだよ」
私の事を叩きながら先生は私に言ってきた。
「分りました、やりましょう、極めてやりましょう」
私は、そう言いながら、魔法を使おうとしたところ、
『コンコンコン』
扉を叩く音が聞こえてきた。
「っはい、どうぞ、お入りください」
私が驚きながら声を出すと、
「失礼します、その、お嬢様、大丈夫ですか」
と言いながらマリーちゃんが扉を開けて入ってきた。
「べっ、別になっ、何もありませんよ、本当に」
何故マリーちゃんが来たのか理解できていない私は焦りながらそう返事をすると、
「本当ですか、お嬢様」
流石に信じられないのかそう言われてしまった。
「ほっ、本当ですよ、それで何か用でしょうか」
話を逸らそうと問いかけると、
「あっ、忘れていました」
マリーちゃんはそう言った後に、
「お夕食の準備が出来ましたのでお嬢様をお呼びに参りました」
と続けて言った。
「そうですか、分りました」
(今日そこまでお腹空いてないんだよな、街に行ったときにお肉も食べたし、お父様にクッキーもか買って貰って食べたし)
私はそう思いながらも返事をし、マリーちゃんの後ろに付いていくように食堂に歩いて行った。
…………
その後は、お腹いっぱいになりながらも頑張って食べきり、部屋に帰ってきた。
(あぁ、お腹が、お腹がぁ、これは壊すかもな)
呟きながらお腹をさすった。
『何故に残さなかったのか気になる』だって、あぁ、それはね、何て言おうかなぁ、折角作って貰った物ですし、これを作るために犠牲になってしまった物に対しても失礼でしょ、食べきらないと。
「よし、例の魔法の練習するか」
私は、そう言いながら、椅子に座り魔力を見る魔法を使用した。
(うわぁあ、目がぁ、頭がぁ)
目は入り込む光と色により破壊され、頭は情報量によって破壊されるのを我慢しながら、見える量の調整を頑張り続けた。
結果としては、何と言おうか・・・・ちっとも減りはしない、まるでそんな機能が存在しないみたいに。
(これ、私が悪いわけじゃ無いよな、多分、私、創るときに何考えてたっけ)
私はそう思いながら創るときに考えていたことを思い出そうと記憶をたどると、
『見えさえすれば良い』
こう考えていたことを思い出し、
(あれ、私、地味にこの魔法に操作機能を組み込む創造を一切してなくね)
ちっともまともに使えない理由が分ってしまった。
(まて、待て、待て、待て、私、私さ、私さぁ、馬鹿すぎない、えっ、マジ、マジで馬鹿じゃん、何で気づけなかったの、えっ、マジで馬鹿すぎない、マジかぁ、マジかぁ、時間を無駄に浪費していただけなのかぁ、マジかぁ、マジかぁ)
私は今までやっていたことに対し、後悔の念に駆られ、過去の自分に恨めしい気持ちを抱きながら、机に頭を打ち付けた。
『ガン』
大きな鈍い音が響き渡り、
「あぁぅあぅぅぅううぃいう」
呻き声を漏らしながら頭を抑えていると、椅子から滑り落ち、
『ドン』
のような音共に鈍痛がお尻から頭まで稲妻のように突き抜けていった。
「あぁ、うぅあぁあぁぃ、ぃぃぃいってぇあぁ」
骨が逝かれる程の衝撃に驚きながら、お尻を押さえながら私は少し大きく呻き声を漏らすのだった。
2023/05/09、21:00追加
前回までの街並のイメージ説明。
チェコですね。はい。
主人公がメインにいたのは、旧市街広場みたいなイメージです。




