第165話 夢、それと、荒ぶっていますね。大丈夫でしょうか?
(はて、此処は一体、何処だろうか)
私はそう考えながら、辺りを見渡した。
(私は、覚えている限りだが、あの後寝たはずだ)
と、思いながらも、頭を抱えた。
私の覚えている限りにはなるが、私は、ジュースを飲んだ後、先生と魔法の練習をし、普通に寝たのだ。だが、何故か、駅のホームのような所に居た。
(あっ、これ、夢か、地味にそれ以外無いな)
少し、頭を回したら、気付くことの出来た私は、そう考えながら、駅のホームを歩いた。
(夢だったとしても、良いな、何か、久しぶりに、前世の風景を見れるのって)
楽しくなり、そう考えながら、スキップをしながら、ホームの端の方に歩いて行くと、突然、強い既視感を覚えた。
(何か、凄い、・・・何だ、分らないな、・・・・)
正確にどの記憶なのかは分らなかったが、ホームを進んでいけば思い出せるような気がしてきた。
(何だ、本当に、何だ、何で既視感があるんだ、近所の駅はこんな見た目じゃ無いよな)
私はそう頭に手を当てながら、考え、歩を進めた。
(それに、どうして、人が居ないんだろうか、普通、駅だったら居そうなもんだけどな、まぁ、夢だから居ないのかな)
人が一人も居ないことに疑問を抱きつつも、解決し、更に歩を進めた。
(あっ、これは・・・・何か思い出せそうな)
駅のホームの途中で、私はそう考えた。不思議な事に、此処に異常なほどの既視感を感じたんだ。
(あれ、何だっけな、・・・・・あっ、駄目だ)
意識の急な浮上にそう心で言葉を漏らしつつも、必死に思い出そうと、頭を回した。
…………
「はぁ、駄目だったか」
私は、瞑った瞼の上に腕を置きながら、そう呟いた。
結論から言おう、皆も分っていると思うが、思い出すことは出来なかった。何も。
・・・普通は思い出せるだろ、何で、何で、私は駄目だったんだ。何で。ハァ、もう、いいや。
「まぁ、忘れるって事は、前世の私からしたら、どうでも良かったことなんだろうな、多分、知らんけど」
と解決するために、声を漏らし、以降、考えないようにするために、ベッドから起き上がり、気分転換でもしようと考えたのだが、何ていおうか、まぁ、やることが無い事に気付いた。
「地味にやること無いじゃん、ハァ」
私は溜息を漏らしながら、自分の服をふと、触ると、汗でグッショリだった。
「うっわ、気持ち悪、着替えよ」
こう現在の私の感情を漏らした後に、クローゼットに近づいていった。
適当な服を出し、着替えながらも、
(何で、さっきまで、気付かなかったんだ、こんな汗かいてるのに)
自分に対して疑問を抱いてしまった。
・・・が、当然、これも、解決できそうにないので、考えることをやめた。
「そういやぁあ、今何時だ」
着替え終わった私が、そう言葉を漏らしながら、手短な椅子に腰を掛け、懐中時計を取り出した。
今は、朝早い・・・微妙だな、・・・真夜中と言われる時間帯だった。
(はぁ、もう、マジかぁ、もう、完全に目が覚めちゃったんだけど、何して、暇を潰そうかなぁ)
私はそう思いながら、椅子の背に体重を掛け、前脚を浮かせた。
何か、もうやらないと誓ったような気がするが、まぁ、良いじゃ無いか。多分、この程度では誰も怒ってこないはずだ。
「はぁ、やることねぇよ、なさ過ぎる、私、暇すぎる、貴族ってもっと毎日、忙しいって思ってたんだけど」
現状にそう声を漏らしながらも、暇つぶしの方法を考えていた。
「あっ」
私は暇つぶしを考え続けていると、尿意が湧いてきたので、椅子の前脚を地面に付けながら、声を漏らした。
(あっ、少し、ヤバいかも)
こう思いながら、私は、トイレの方に走っていった。
…………
「ふぅ、間に合った、危なかったぁ」
私はそう声を漏らしながら、トイレの扉を開いた。
(部屋に帰っても、暇になっちゃうよなぁ・・・)
私は、トイレの扉にもたれ掛かりながら、そう考えた。
(うーん、何しようかな)
数秒間考えた後、
「あっ、面白い事思い付いた。私ってやっぱり天才」
自分のことを褒める言葉を漏らした。
えっ、『何をするのか』だって、それはだな、探索だよ。
まぁ、そこまで、遠くまで行くつもりは無いけどね。
…………
っで、どうなったのか。君達には、もう分るんじゃないかな。いつも通りだよ。そう、迷った。わはは~ごめんね。
「さてっと、此処は何処かな」
適当に歩いていたら、一つの話し声のような物が聞こえてきた。
(何だ、誰の声だ、何か聞いたことがあるな)
私は、声に出さずに、心で呟き、声のする方に、忍び足で近づいていった。
すると、一つの扉の前に、私は到着した。
(ほほぅ、何々)
扉に耳を付けながら、そう心中で呟いた。
『クソ、クソ、クソ、あのガキ、クソガキめ』
荒々しい、暴言が聞こえてきた。
(あぁ、この声は、あのクソ伯爵か、って事はクソガキって私の事か、誹謗中傷をやめたまえよ)
私は、そう声の主に思いながらも、続きを聞いていると
『あの、ガキのせいだ、クソが、クソが、どうやって、言い訳すれば、・・・クソが、ぶっ殺してやる』
その声の後に、何かを、壊す音が聞こえてきた。
(うぉぉ、大分、荒ぶっておられますね・・・・待て、お前、何壊した、まさか、ブランドー家の私物じゃ無いよな)
私は、少しだけ、怖くなりながらも、荒ぶっている伯爵さんに感想を漏らすのだった。
主人公の収納魔法に入ってる物の説明をします!暇なので
酒、カエンタケ、木、汚れた服、服、木材、ジュース、大量のコップ、ガラスの芸術品、一升瓶、髪の毛、粉々な石、大きな石です。多分。




