第163話 探索!!迷うって言うのも探索の醍醐味だよね!
「おはようございます、・・・自分」
私は、眠りから覚め、挨拶を漏らしたが、誰も近くに居ない気がしたためにそう続きを声に出した。
(あぁ、もう朝か、やること無いんだよなぁ・・・・トイレと偽って逃げるか、良いな、よし、決めた、そうしよう、何処行こうかなぁ、楽しみや)
とワクワクしながら、心の中でそう呟き、勢いよく、ベッドから飛び起き、直ぐに服を着替え、
「おはようございます、ロナルド様、アースベルト」
こう言いながら、扉を比較的、勢いよく開けると、
「あっ、おはようございます、お嬢様」
「おはようございます、お嬢様、どうか致しましたか」
と挨拶が二つと、疑問がとんできた。
「特に問題はありません、生理現象です」
私は、疑問に返答を返しながら、トイレに走って行った。
・・・・少しだけ、ヤバかったんだよ、走ったの、許してください、お願いします。
「ふぅ」
私は、そう言いながら、トイレの扉を開き、
(さぁさぁ、何処に行こうか、アルの所か、もしくは、外に行くか・・・・)
と一通り考えた結果、
「よし、適当に歩いて行こう、そっちの方が面白い」
まぁ、発言の通りの決定をしました。
(よし、こっちだな)
(此処はこっちだな)
私は、二つの言葉を漏らしながら、適当に廊下を歩き回った。
結果、私は、玄関のような所に到着した。
(ふへぇ、始めて来たわ、こんな所あったんだな、まぁ、当然か)
馬鹿なことを思いながら、私は、玄関の扉の前にある二股に分かれ、踊り場で繋がっている、ファンタジーで度々見かける階段を登っていった。
(地味に、私って凄い才能だよな、私の部屋って4階にあるはずなのにいつの間にか1階に移動してるなんて、・・・・本当に、私、どうやって移動してきたんだろうな)
考えるように、顎に手を付けながら私が階段を上に登り4階に着くと、
『コトコト』かな、微妙だけど・・・まぁ、ええか。
え~と、そうですね、私が歩いているとですね、足音が聞こえました。複数の。あっ、あと、微妙に話し声も。
(あっ、ヤバい、バレるかも、どうする、どう隠れる)
私は焦った。それはもう焦った。何故なら、勝手に、アースベルト達に知らせずに此処に来ているから。
(ヤバいかもな、どうやって隠れるか・・・・ヤバい、本当に思い付かない・・・)
解決策が思い付かず、私は、更に焦った。
(ヤバい、ホント、ヤバい、あぁぁあ)
私は、何を思ったのか、とち狂った。本当に意味が、分からない事に、何故かとち狂ってしまった。
何をしたのか、それは、簡単・・・では無いな、えと、何て言おうかなぁ、えと、そうですね、・・・私にも意味が分らないのですが、私は、3階の踊り場に飛び降りました。
(何で、何で、何で、私は飛び降りたんだ、何考えたんだ、馬鹿じゃ無いの)
自分に対して、そう思いながらも、咄嗟に、魔法を発動させ、落下の音、衝撃を減らし、何故か隙間が空いている階段の下に、転がり込んだ。
(良かったぁ、何で、何でや、何で、私は飛び降りたんだ、馬鹿じゃん)
こう思いながら、上を通って行く人達の発言に耳を澄ませた。聞きたかったんだよ。許してよ。暇なんだよ。
『すまない、あれの要求に従ったせいで、お前の娘に不快な思いをさせた』
昔、どっかで聞いたことのある、おじさんの声が聞こえた。その声は、何と言おうか、・・疲れた節を感じさせた。
『あぁ』
と謝罪に対する声が聞こえてきた。多分、お父様だろう。・・その声には怒気だろうか、含まれていた気がした。
『それで、元伯爵、あんたは、あの屑に、何か出来るか』
お父様は返事に続けそう発言をした。
『すまない、儂には、もう、あれに影響をもたらせるほどの影響力は無い』
『それじゃあ、あの屑には、裁判しか無いか・・・』
『すまない』
『あの屑に・・・・・』
聞こえなくなってしまった。
(歩くのが、歩くのが、微妙に早い、早いよぉ)
そうお父様と、名前は知らないおじさんの移動速度に思いを馳せながら、階段の下から、私は、体を出した。
「さて、何処行こうかな」
私は、そう次の行動を考えながらも、体に着いた、少しの埃を払った。・・・払ったんだけど、案外落ちんよ。まじかぁ。
「もう、いいや、後で着替えよ、怒られても、まぁ、しゃあない、しゃあない、今更だ」
と前向きになり、3階の適当な廊下を進んでいった。
…………
「さぁ、此処は何処だ」
更に迷ってしまった私は、流石に焦り、そう言葉を漏らした。
「さて、本当にヤバいかもな」
私は、見たことあるような、無いような、そんな通路を見ながらそう呟いた。
(これ、トラップだろ、何で、こんなに全部、廊下が同じ見た目なんだよ、マジで、迷わせるためのトラップだろ)
私がこう心の中で、呟きながら、道を歩いていると、
『ガバッ』って効果音が合いそうな感じに、私の体が持ち上がった。
「うわぇ」
私が変な声を漏らすと、
「お前、何でこんな所に居るんだ、馬鹿か」
お師匠様の声が聞こえてきた。
(馬鹿って、酷くないか、・・私もそう思うけど)
私がそう心の中で呟き、
「馬鹿ではありません」
反論の言葉を返すと、
「いや、お前は馬鹿だね」
こう断定するような声で言われ、私は、首根っこを掴まれた状態で、部屋に帰され、ロナルド君からはやんわりと、アースベルトにはしっかりと怒られ、お師匠様にはもっとしっかりと怒られました。えぇ、誠に、申し訳ありませんでした。




