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第159話 あぁ、気持ちが悪い、吐き気がしちまうよ、はぁ

 私の『お暇しても良いか』この発言に、流石の糞伯爵も了承したのか、

「最後に、エミリー様、これをどうぞ」

 そう言いながら、何かを手渡してきた。


(気持ちが悪いな、この男)

 私はその物、髪飾りを見ながら小さく心で呟いた。

 何故か、それは至って簡単で、そいつの顔には、気持ちの悪い、薄ら寒い、勝利を確信したような顔をしていた。


(これに何か、仕込んでいるのか・・・・)

 そう思った私は、

(危険だな、貰わないのが得策か)

 こう考え、

「申し訳ありません、お気持ちだけ頂くことに致します」

 私が断る発言をする。


「ご遠慮をなさらずに」

 私の断る発言が予想外だったかの様な表情をした後に、奴はそう言いながら、私にそれを押しつけてきた。


(そこまで、渡したいって本当に何かあるっぽいな、これは全力で受け取り拒否するべきかな)

 こう思った私は、

「お父様に話しを通さず、頂くのはいけないことなので、申し訳ありません」

 お父様を使い言い訳をすると、奴は一瞬、気持ちの悪い、冷たい目をした後に、私の手を握った。


(キモい、キモい、キモい、本当に、本当に、本当に、気持ちが悪い、気持ちが悪い、反吐が出る)

 私がそう思いながら、握られた手を引こうとすると、奴は、私の手にそれを握らせ、

「受け取ってください、おっ」

 と続きを言おうとしたところで、アースベルトは奴を引き離した。


 私は、渡された物を、捨てようとした。だが、何故か、分らないが、それからは、不気味な、魔力のような、違うような、分らない何かが、流れてきて、離すことが出来なかった。


 それから、出てくる魔力だろうか、よく分らない物は、私の意識を蝕んでいくような感覚があった。現に、受け取った手を伝い、私の指先から腕に掛けては私の意思に反している。


(何だ、これ、はっ、意味が、意味が分らない、理解が出来ない、気持ちが悪い)

 私が心の中でそう呟きながら、どうにか、魔力のような物への反抗策を考えていると、

「どうでしょうか、エミリー様、気に入って貰えましたか」

 気色悪い、気味の悪い、吐き気がする声が聞こえてきた。


(どうする、どうする、どうする、どうする、どうやって、反抗策、策を、作戦を、早く考えないと、負ける、やられる、飲まれる)

 私はそう思いながらも、思考を回しながら、返事を返そうと思ったのだが、出来なかった。

 返事するための文章は思い付いている。だけど、何故か、声が出なかった。


(何故、何故、何故、分らない、理解できない、どうsるう、やばい、吐きそう)

 私はそう考え、胃の辺りから、物が帰ってくる感覚を我慢しながら、対抗策を考えていたのだが、突然、私の口が動いたのが分った。


(なんで、意味が分らない、どうして、何故、気味が悪い、頭が痛い、吐きそう)

 私は混乱しながらも、自分の口に出そうとしている言葉を止めるように、誰にも見えないであろう場所、物を握っていない方の手に、魔法を発生させ、小さく、破裂させた。


(痛い、感覚は生きている、大丈夫、大丈夫、まだいける)

 私はそう思いながらも、次第に例の魔力が登ってくる、感覚があり、私は危機感を抱かざる終えなかった。


(この魔法は、私の意識を支配でもしてるのか・・・それ以外考えられないか、それならなおさらヤバいな)

 私はそう思いながら、考えを巡らせると、胸の辺りまで来たところで、揮散するのが分った。


(なんでだ、奴の魔法が失敗でもしたのか、なら、好都合)

 私は心の中で、奴の魔法的な物がなくなったことに驚きつつも呟いた後に、

(それじゃあ、御礼でもしてあげよう、こんなゴミを渡してくれた御礼を)

 心の中でそう呟き、私は、それを地面に投げつけた。


『ガシャン』

 辺りにその、音が響き渡り、髪飾りは、粉々に砕け散った。


(おぉ、五月蠅い、これ何で出来てたんだ)

 私はそう思いながらも、それまでしていた笑顔を引っ込め、

「ユーレン伯爵閣下、貴方は先程、私に問いました。『気に入ったか』と。それの返答を致しましょう」

 冷静を装った、冷淡で取り付く島の無い様子で言い、間を置き続けた。


「気に入るわけが無いでしょう、非常に不愉快で、気色が悪いです。貴方は、嫌がる私に言い寄り、無理やり物を渡してくるなど貴族、人として言語道断の行いをしたのです。気に入るはずが無いでしょう」

 私は、そう彼、糞伯爵に対し、不倶戴天のような様子で言うと、

「ッで」

 彼は驚いたように、私に何かを言おうとしたので、

「アースベルト、彼を連れて行ってお父様にご報告をお願い致します」

 糞伯爵の発言を遮りながらそう、命令を下すように、冷たい声で言うと、

「承知しました、お嬢様」

 アースベルトはそう言い、糞伯爵を取り押さえ、連れて行った。


「うぇ、気持ち悪、本当に最悪だ、吐き気がする、てか、吐きそう」

 私がそう小さく言葉を漏らしながら、自分の部屋に置いてある、椅子に腰を掛け、創造魔法で水、アルコールを全力で出し、奴に触られたところを全力で洗った。


「っで、何だったんですか、先生」

 洗い終わった私は、近くに居るはずである、先生に声を掛けると、

「よく分ったね、居るって」

 先生はそう言いながら出てきた。


「それで、何だったんですか」

 私が問いかけると、

「何って何が」

 先生はしらばっくれるように私に言ってきた。


「さっき見ていたでしょ、多分、あれですよ、あれ」

 私がそう言うと、

「あぁ、あれね、あれは、多分、あれに服従の呪いか何かが込められてたんじゃ無いかな」

 先生は私にそう言ってくるのだった。

2023/03/29、1:41

加筆、表現の修正、変更


そう言えばのお話ですが、皆さんんはブランドー家についてどう言ったイメージがありますか?

私の説明が少し不十分で新興貴族と思っている方もいそうなので、一応、補足すると、だいぶ前(帝国が生まれる前)からある由緒正しい男爵家でした。

あっ、最後に主人公の訓練方法にいい例え方が思いついたので書きます。

『ドカ食い気絶部』方式です。

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