第155話 あれって魔法の禁忌になるのかな、なるよな、多分。
私は、お父様の執務室に侵入した後に、自分の部屋のベッドに頭を突っ込んでいた。
「あぁ、疲れた、寝よう」
私はいつも通り眠くは無いがそう呟いた。
あっ、でも、疲れたのはガチだよ。お父様に対する言い訳を頑張ったからね。
マジで、頑張ったから、多分、何も疑われてないと思うよ。多分。
(何しようかなぁ、非常に暇だな・・・・)
私は暇すぎてそう呟いた後に、
(せや、創造魔法で今度こそ、ちゃんと物を作ろう)
心の中で宣言するように呟いた。
(さて、何を創ろうか・・・・・)
私はそう心の中で呟いていると、気になる事が脳裏に浮かんできた。
「そう言えば、植物って作れるのかな」
私が疑問に感じたことを呟きながらも、色々と考え始めた。
(魔法の法律、それと、先生の発言的に、生命体は作れるんだよな。てことは、多分、作れるよな・・・)
私はそう考え、多分、作れると感じはした物の、
(でも、法律に違反しそうな気がするんだよなぁ)
とも感じてしまった。
どうして、私がそう思っているのか、それは簡単で、昔、創造魔法の法律を調べたところ、
『生命体、それに類す物、又は、世界法則に反す物を制作、運用、所持を禁ず』って言うのを見たことがあるんだよね。・・・・・多分、これって植物も駄目なんだよね、そう思ったから私は、迷っているんだよ。
(法律に反したら色々と面倒くさい事になりそうなんだよなぁ・・・・確かあの法律って一応、魔法の禁忌に属する物らしいし、ヤバそうだよなぁ)
私はそう思いながらも、罰則を思い出し始めた。
えぇと、何だっけな、確か・・・・・あっ、思い出した。
『打ち首の刑、銃殺の刑、市中引きずり回しの刑・・・・』
全部死刑だわ、アブねぇ、やらなくて良かった。
私は、そう罰則を思い出しつつも、興味は消えることが無かったので、
「先生、いますか」
この声を、居ないかもしれないが、先生に掛けた。
数秒の後、
「なんだい」
私の呼びかけに対する返答が返ってきた。
「気になった事があったので質問をしたかったので呼びました」
私が先生にそう言うと、
「そうかい」
そう端的に返答を返された。
(これは、了承なのか・・・分らんよ)
私はそう思い、
「さっきの返事は、質問の許可と言う事で構いませんか」
直接聞くことにし、問いかけると、
「そう」
先生にはそう声を返してきた。
「何かしています」
私が、
(返答、適当過ぎん)
こう思ってしまったので問いかけると
「仕事」
先生は私にそう返答を返してきた。
「仕事って何ですか」
更に気になってしまったので問いかけると、
「言う必要性が無い」
先生は私にそう返答を返してきた。
「言ってくれても良いじゃ無いですか」
私が先生にこう言うと、
「君は、僕にそんな事を聞きたかったのか」
正気を疑うような声音で言われてしまった。
「あっ、違いますよ」
私は、
(教えてくれなさそうだなぁ)
と思ったのでそう発言をし、
「魔法について聞きたいことがあったのです」
こう先生に本題を切り出すために言うと、
「最初っからその事を聞きなよ」
呆れたような声で言われてしまった。
「すいません、ハハ」
私が笑いながら謝ると
「それで、何を聞きたいんだい」
先生は私にそう声を掛けた。
「あぁ、えと、『魔法で植物を創り出すのは大丈夫なのか』と聞きたかったのです」
私が先生にそう言うと、
「う~ん」
先生はそう唸るような声を上げた。
(考えてるのかな、結構難しい話題なのかな)
私がそう考えながらも、先生を見つめていると、
「微妙かな」
先生はそう私にそう言ってきた。
「というと」
私が先生の回答に聞き返すと、
「確か、聞く話によるとね、罪を判断する人によって変わるらしいんだよ」
こう答えてくれた。
(へぇ、そうなんだ)
私がそう思いつつも、
「それは、本来は駄目って事ですか」
こう問いかけると、
「それも微妙なんだよ、僕が定めたわけじゃ無いから詳しくは知らないんだけどね、聞く話によると、定めた人間の中でもよく分ってないらしいんだよ」
先生は詳しく答えてくれた。
(正式に決まる前に空中分解したのかな)
私はそう考えながら、
「てことは、作らない方が良いです。よね」
先生に問いかけると
「うん、そうした方が良いかもね、それじゃぁね」
こう返答を返し、どっかに消えていった。
(早いなぁ、はぁ、暇になっちまったよ・・・・・)
私はこう考え、
(本読むことにするか・・・・ゆっくり読もう)
こう考え、自分の扉のドアノブに手を掛け、図書室に向かって駆けていった。
…………
図書室に付いた私は、『何読もうかなぁ』こう早速悩んでいた。
(めぼしい物は大概読んじゃったんだよなぁ)
私は頭を指で、『トントントン』と言った一定のリズムで叩きながらこう思い、面白そうな本を探していた。
本棚を何周かして、私はこう思った。
『面白そうなのねぇよ、もう、面倒臭いし、端から読んでけばよくね』と。
(だって、しょうが無いじゃん、もう、面白そうな物全部読んじゃったんだからさ)
私は言い訳をしながらも、本棚から未だに開いたことの無い本を数冊取り、長椅子に腰を下ろすのだった。
補足説明
『生命体、それに類す物、又は、世界法則に反す物を制作、運用、所持を禁ず』の法律です。
この法律は、何と言いましょうか、作った自分でさえ、よく分っていないのですが・・・
えと、説明します。えぇと、まずですね。『生命体、それに類す物』です。
『生命体』は、まぁ、普通に動物、『類する物』キメラ、植物、菌って感じです。
『世界法則』は何時か、作中でます。多分。
この法律で、セーフの説明です。
生命体関連の物は、まぁ、基本アウトです(生物由来の繊維等は除く)。
植物は、主人公もやっていますが、木片とかそう言う、埋めても育たない物を創り出すのはセーフです(裁判官によってはアウトになることもある、一応)。




