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第148話 お仕事とお出かけ

「どうかしたか、エミリー」

 服を掴んだ私に対してお父様はそう言った。


「お父様、まだお話は終わっていません、

 その、そこまで逃げようとすると言うことは、私の事がお嫌いになったのですか」

 私が、殆ど禁止カードみたいな物を使用すると、

「いや、違うんだよ、エミリー」

 お父様はそう言った後に、機嫌を取るかのように頭を撫でてきた。


(それ、逆効果やで)

 私はそうお父様に言いながらも、撫で終わるまで待っていた。私は優しいから。


「それで、お父様、私のお話を聞いて頂けますか」

 私が、一通り頭を撫でたお父様にそう言うと

「あっ、あぁ」

 何というか、少しだけ、難しい声で返事をした。


「聞いてくれるんですか、ちゃんと返事をしてください」

 私は、きちんとした男気のある返事を期待してそう言うと、

「えっ、あぁ」

 ちゃんとした返事をくれなかった。


「お父様」

 私が怒ったような声でそう言うと、

「分った、分ったから怒らないでくれエミリー」

 お父様はこう申し訳なさそうな声でそう言った。


(お父様・・・・威厳が、威厳が)

 心の中でそう呟きながらも、

「お父様、私は、少し前、具体的には、2ヶ月と3日、街にお出かけをしに行くと約束をしました。覚えているでしょうか」

 と口に出しお父様に問いかけると、

「僕がエミリーとの約束を忘れるわけが無いだろう」

 お父様は焦ったような声でそう言った。


(あぁ、これ、忘れてたんだな)

 そう思いつつも、

「それならば、何故、2ヶ月と3日間もの間、お父様は私にその話を一切しなかったのでしょうか」

 問いを投げかけると

「それは・・・」

 考えているように声を出した後に、

「忙しかったんだよ、エミリー、しょうがないだろう」

 情けないような感じの声でそう言った。


「それならば、それ相応の対応があったはずです。それに、お父様、遊んでいませんでしたか」

 私がその事を問いかけると

「なっ、何のことかな、僕はこの2ヶ月間非常に忙しかったんだよ」

 お父様は目を泳がせながらそう言った。


(あんた、嘘下手過ぎちゃう、私より下手じゃん)

 私はそうお父様に思いながらも、

「お父様、嘘は良くないと思います、一日中アルの部屋にいたこともあるでしょう」

 と覚えていることを言うと

「なっ、何のことかな」

 ボキャブラリーが無いのかそう言ってきた。


(お父様、流石にそれは駄目ですよ、私と一緒に一日中遊んだじゃんアルと)

 私が心の中で呟きながらも、

「いたでしょう」

 出せるだけ圧を掛けながらそう言うと

「はい、いました」

 お父様はショボンとした感じでそう認めた。


「それで、どうして話をしなかったのですか」

 私が諭すような声でお父様にそう言うと、

「だっ、だからさっきエミリーに言ったとおり、忙しかったんだよ」

 と信じられないことを言ってきた。


「そうなんですか、本当に本当ですか」

 私が

(信じられねー、無理ッすよ流石に、お父様)

 と頭の中で考えつつも言うと

「本当に本当だよ、信じてくれよエミリー」

 希望が見えたような、安堵したような声でそう言った。


「それでは、どうして、私に『忙しくて街に行くことが出来ない』という旨のことを言ってくれなかったのでしょうか、ロナルド様や、マリーちゃんに頼むことも出来たはずです」

 安心しているようなお父様にそう問いかけると、

「すっ、すまないと思ってる」

 お父様はそう言った。


(忘れてたって認めちゃいなよ、早く認めた方が気持ちも楽になるよ)

 心の中でそう呟きながらも、

「本当の本当の本当に、忘れていなかったんですか」

 問いを投げかけると、

「勿論さ、エミリー」

 こうお父様は陽気な感じで帰してきた。


 それならばと言う思いで私が、

「分りました、本当だと信じます。ですが、後から嘘だって分ったら許しませんよ、嫌いになっちゃいます」

 こう色々考えて話すのが面倒臭くなったので言うと、

「ごっ、ごめんよ、エミリー、本当は忘れていたんだ」

 お父様は忘れていた事を認める声を上げた。


(えぇ、マジで忘れてたのかよ、冗談で思ってたんだけど)

 私がそう思いながらお父様を見つめていると、

「本当にすまないエミリー、許してくれないか」

 お父様は私にそう言ってきた。


(まぁ、今回は、でも、しょうが無いか、食堂での日常会話の中で決めたもんなー)

 心の中でお父様を許す言葉を呟いた後に、

「今回だけですよ」

 そう言うと

「ありがとー、エミリー」

 お父様は私に抱きつきながら頭を撫で感謝の言葉を述べてきた。


「お父様、それで、約束の内容が行われることはあるのでしょうか」

 私が気になったのでそれを問いかけると、

「すまない、エミリー」

 お父様は私にそうやって返事を返した。


(ははぁ~ん、了解、了解)

 私はこう心の中で呟きつつも、

「それじゃあ、何時になったら遊びに行けますか」

 問いを投げかけると

「すまない、何時になるか分らない、仕事で此処から離れるわけがいかないんだ」

 お父様は私にそう返答を返してきた。


「分りました、それじゃあ、お父様のお仕事が終わって、遊びに行くことが出来るようになったら一緒に遊びましょう」

 私がお父様にそう提案するように言うと、

「すまない、できるだけ早く終わらせる、だから許してくれ」

 お父様は私にそう言ってきた。


「構いませんよ」

 私は、

(少しだけ、悲しいけど、まぁ、ちゃんとした理由があるなら、しょうが無いよね。それに、大人としての義務だもんね、仕事って、それに、責任も多いだろうし、貴族だから)

 こう思いながらもそう呟き。


「それじゃあ、私は部屋に帰りますね」

 こう言い、お父様の部屋を後にするのだった。

昨日の147話、大分誤字多かったですね。軽く見ただけで2つありました。

『私』を『渡し』とか『何で』を『撫で』とか何で間違えたんでしょうね?

ブックマークが減るのもスッゴい納得です。ごめんね。

それと、これからは良ければ誤字報告の方をお願いします。マジで。

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