表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
142/385

第139話 お茶会と私の可笑しな交友関係

 お父様と、お話をして、

 何やかんやあり、私は頑張り、

 街に行くという約束を取り付けることに成功したりした。


(どうだ、私は凄いだろう、

 エミリー・ブランドー8歳、前世の年齢を合わせると54歳、

 ついに、私は外に行く予定が出来た)

 私は心の中でそう呟きながら、図書室に歩いて向かっていると、

「どうかしたのですか、お嬢様」

 マリーちゃんが私にそう問いかけてきた。


「それが、ですね、マリーちゃん、

 私は、お父様に街に遊びに行く約束を取り付けることが出来たんですよ」

 私が嬉しい気持ちで言うと

「それは凄いですね、過保護な侯爵様にその様な約束を取り付ける事が出来たなんて」

 マリーちゃんはそう私に言ってきた。


(お父様って過保護だったの、初めて知ったんだけど、

 まぁ、よくよく考えたら、8歳まで屋敷の外に一度も出さないのは、なぁ)

 私がそう思いつつも、

「お父様って過保護だったのですか」

 こう問いかけると、

「そうだと思いますよ」

 マリーちゃんは私にそう言ってきた。


「何処が過保護か教えて貰えませんか」

 私がそうマリーちゃんに小声で問いかけると

「私の主観になりますが・・・」

 こう返答をしてくれた。


(よし、これは、おkって事だよな、

 此処で話すか、いや、でも、誰に聞かれているか分らない、

 大事を取って、誰も寄り付かない図書室で話すか)

 そう考えた後に、

「図書室で話すことにしましょうか」

 私はこうマリーちゃんに言い、図書室の中に連れ込んだ。


(何か、連れ込むって表現は、危ないような気がするな)

 私は自分の考えたことに対し、そう思いつつも、

「それで、お父様の過保護なところを教えてください」

 こう真っ直ぐ、目を見つめながら言うと

「そっ、その、構いませんが、

 その、少し、目を背けてくださいませんか」

 こうマリーちゃんに言われてしまった。


「分りました、それでは教えてください」

 私が目をほんの少しだけ逸らして言うと

「あの、もうちょっと」

 こう言われてしまったので、もう少しずらした。


「教えてくださいよ、早く」

 私がそう言うと

「えっ、と、分りました」

 マリーちゃんは私にそう返事をした。


「まずは、そうですね・・・」

 って感じでマリーちゃんは考えた後に、

「お嬢様を外に出さないようにしていることや、

 私達のようなお嬢様と直接関わる物以外には絶対に、

 お嬢様のことを少しも教えないことや、

 交友関係などでしょうか」

 こう呟いた。


「外に出さないことが過保護なことが分りますけど、

 私の交友関係ってそこまで可笑しいんですか、

 それに、私の事を知らない従者さんが多いのもお父様のせいなんですか」

 私が驚きつつもそう言うと、

「えと、何と言いましょうか」

 流石に仕事をしている都合で、お父様が悪いと言えないのか、マリーちゃんは濁すようにそう言った。


「それじゃあ、交友関係のおかしさを教えてください」

 私がそう聞くと、

「分りました」

 と返答を返して、少し考えた後に、マリーちゃんは口を開き説明を始めた。


「貴族様の社交界デビューは12歳頃が普通なので、

 パーティーや、そう言った行事には参加しないのは普通ですが、

 お嬢様のような上位貴族様は、勢力下や知り合いの貴族様の御子息、御息女を招き、お茶会を行い、交友関係を広げ、社交性を身につける物です。

 ですが、お嬢様、侯爵様はお茶会を開催しておらず、お嬢様の交友関係を広げようとしてないところが私の主観にはなりますが、可笑しいのではと思います」

 とマリーちゃんは普通の貴族の礼を述べ、私の交友関係の可笑しさを教えてくれた。


(へぇ、そうだったんだ、初めて知った、

 普通はお父様の知り合いの子供を呼んでお茶会を開く物なのね、

 そうなのね、私、一度もやってないやん、大丈夫なのか、

 なんかぁ、駄目な気がするな)

 そう心の中で思いつつも私は、

「お父様が私の交友関係を広げるためのお茶会を開かないのは、

 お父様のお知り合いの貴族がいないという可能性はないのですか」

 こう問いかける。


 すると、

「いえ、そのような事はないと思います」

 と返答を返されてしまった。


「その心は」

 私が謎かけのようなことを問いかけると、

『キョトン』

 とした表情を返されてしまった。


(何でこう言う物はこの世界で通じないんだよ、

 色々な前世の文化は混じってる癖に)

 そう思いつつも

「どうしてそう思うのですか」

 問いかけ直すと

『あぁ、そう言う意味ね』

 って納得したような顔をした後に、

「侯爵様は、帝国の西、

 特に国境部付近の下位、中位の貴族を纏めている同盟の盟主様なので、

 そのような事はないと思ったのです」

 説明をしてくれた。


(へぇ~そうだったんだ、お父様って案外凄い人だったんだな)

 そう思いはする物の私は、

(それじゃあ、どうして、お茶会とか云々とか、開かなかったんだ)

 この様な疑問が強くなるのを感じてしまった。


「それじゃあ、どうして、お父様は開かないのですか、私の交友関係を広めるお茶会を」

 気になったので問いかけると、

「申し訳ありませんお嬢様、私にも分りかねます」

 と返されてしまったので私は、

(もしかしたら、そのルールを知らないのかも)

 そう思うことにしたところで、

「ですが、侯爵様には催促が来ていると思うので、

 分らないや、忘れていることはないと思います」

 マリーちゃんは私にそう言ってくるのだった。

補足説明

上位貴族、中位貴族、下位貴族の今作における定義(爵を抜いてます)

最上位:皇室、大公

上位:公、侯

中位:辺境伯、伯、子

下位:男、準男、騎士、勲功

っていう感じ、最上位って意味が分らんけど、まぁ、一般的な爵位より立場が上だと思ってください。

準男、騎士、勲功は貴族じゃないって思う人も多いと思います。(リアルでは貴族と言えるか微妙なので)

ですが、この世界では、貴族です。多分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ