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第131話 日記帳と私の執筆したメモ

 私は現在、

 日記帳と見つめ合っていた。


 何故か、それは至って簡単だ、

 私が見つめている誰のかも分らない日記帳は、

 水やら、泥やら、インクの跡やら、

 そんなんで汚れているからだ。


(これで、まともな部類なんだよな、

 他のページは最早、何を書いているのかも分らないから)

 私がそう思いつつも、日記帳を見ていると、

 少し見づらいが絵のような物を見つけた。


(なんだこれ、文字より先にこれを見てみるか、

 そっちの方が解読も簡単になりそうだし)

 私はそう心中で呟き、

 その絵をじっくりと、

 まるで、なめ回すように見つめ続けた。


(目、痛い)

 私はそう思いつつも、

 見つめ続けた。


「あっ、これ」

 あることに気付いた私はそう呟いた。


 何に気付いたのか、それは至って簡単、

 さっきまで見ていた魔法の杖に、

 異常に似ていることだ。


(これ、本当に似ているな、

 でも、水晶玉の色が違うんだよな、

 本物は透明なのに、

 何でか、絵では黒塗りされてるし、

 ・・・・・これ、関係ないのかも知れないな、

 よし、それじゃあ、文字を解読するか、面倒くさいな)

 私はそう呟いた後に、

 紙と万年筆を魔法で生み出し、メモを取る準備をしてた。


(よし、よし、よし、

 やるか、やるぞ、

 ふぅ、やる)

 私はこう心の中で呟きながら、

 にらめっこし続け、何時間か経った。


(もう、日が完全に暮れちゃったよ)

 私はそう後悔するように呟きながらも、

「先生、解読終わりましたよ」

 と呼びかけるように言った。


「凄いね、君」

 先生は驚きながら、私に近寄ってきたので、

 私の書いた2枚のメモを先生の前に出した。


「これは」

 一枚目の目を指し示しながら問いかけてきた。

「日記の内容です」

 私はそう返事をした。


 1枚目のメモの内容はこうだ、

『水晶杖、俺この杖に名前を付けることにした、

 この杖は人を殴ることも出来る、万能な魔法の杖だ、

 それに、使用者以外が触ると自動で魔法を撃つ機能も付けている、

 使用者が死んでしまったら、その機能は自動的に解除される。


 この杖の使用者登録の方法は、

 魔力をこの杖に流すことで使用者として登録することが可能だ、

 少し、登録に必要な魔力は多いが、大丈夫なはずだ、

 それと、この技術は─────用した物だ。


 杖の魔法強化は、使用者の魔力の質にもよるが、

 大概の場合は4,5倍程度だろう、

 杖の耐久性は、市販性の物に比べても高いが、

 高純度かつ、大量の魔力を一気に流した際には、

 上部に付けられている水晶玉が破裂、

 もしくは、そこに溜められていた魔力が暴走し、

 大規模な災害が起きる可能性が高─────』

 メモにはこれ以上あるようだが、

 まぁ、読めないほどに汚れていたので、

 此処までを1枚目のメモに写してある。


「それじゃあ、これはなんだい」

 先生は2枚目のメモを指し示しそう言った。


「それも、日記の内容です」

 私が先生にそう返事をすると

「どうして、1枚の紙に纏めないんだい」

 訝しむような声でそう言ってきた。


「それは、どうやら、

 この日記は昔に書かれた箇所、

 それと、比較的最近に書かれた場所に分かれているようなんですよね」

 私が日記のことを言うと

「どうしてそう思ったんだい」

 そう質問を投げかけられた。


「何て言いましょうかね、

 少しだけ、インクの質が違うんですよね、

 昔に書かれたところは、

 良いインクを使っているように見えるのですが、

 後者の方は、インク・・・

 微妙ですね、そうですね、

 えと、炭を擦り付けて書いたように見えるんですよね、

 インクに比べて薄いですし、何て言うのか・・・・」

 私は言い表し方を、

 直ぐに思いつけなかったので、

 そこで切り、考え始めた。


(少し、一部が掠れてるみたいな、

 何か、丸い鉛筆で書いたような字なんだよ、

 どうやって、言い表せば良いんだ)

 考えても思いつかなかったので、

「取り敢えず、前者に比べて、

 後者の方は安めの物で書かれているんですよ」

 私がそう言うと

「君、気持ち悪いほどに、見ているね」

 先生は私にそう言ってきた。


(それは、侮辱なのか、

 それとも、そういう褒め言葉なのか)

 判断力が鈍っているのか、分らなかった私は、

「この2つめのメモの内容は、1つめと違って、

 可笑しな所があるんですよ」

 無視をし、先生にそう言うと

「なんだい」

 こう問いかけられた。


「その可笑しな所というのは、

 まるで、私が掘り出すことを分っているようなことが書いてあるんです」

 私がそう言うと

「そうなのかい」

 先生はそう質問をしてきた。


「本当なんですよ、

 読んでみてくださいよ」

 私は先生にそう言うと

「分った、それじゃあ、読むねー」

 先生は呆けたような声でそう返し、

 メモに視線を向けた。


 先生の読んでいるメモの内容はこうだ、

『これを掘り出し終わった頃には、

 俺の予想では、夕暮れ頃だろ思う。


 この日記、それと、水晶杖を掘り起こした君は、

 俺の予測では、

 ブランドー侯爵令嬢、それで尚且つ神の配下だ、違うか。


 まぁ、もしかしたら違うかも知れないが、

 一端置いておこう、本題だ。


 これを掘り起こしたであろう君には、

 水晶杖がいつか必要になるときがあるだろう。


 君がどう使うか、それは君次第だ、

 だが、持っておくことを推奨しておこう』

 まるで、特定の人物、

 私に向けられたような内容なのだ。


(私が知っている限り、

 ブランドー侯爵令嬢は私だけだし、

 それに、神の配下・・・

 まぁ、違うが、そんな風に見られても可笑しくないような状況なのは確かだ、

 お父様に隠し子がいたら、

 私ではない可能性が出てくるが、

 いないと思うので、

 多分、私を指し示しているのだろう)

 私はそう心の中で呟きながら、

 先生が読み終わるのを待つのだった。

─────で表してあったのは、

『もう無理、絶対読めない』

って言う感じの所です。

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