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第130話 嘘!それと日記

「へぇー、凄いですね」

 私は、目の前に置いてある杖には、自動反撃機能がある、

 と言った先生にそう返すと

「何とも無駄で、

 意味のない機能だね」

 こう呆れたような声を出していた。


「そうですかね、色々意味ありそうですけど、

 自動で反撃をするのでしょう」

 私が先生にそう言うと

「対象にしている物が意味がないんだよ」

 先生は言った。


「と言うと」

 私がそう問いかけると

「この杖に込められる程度の魔法では、

 神を殺すことは出来ないし、逆に不遜を買うだけだ、

 それに、神がこの武器に触れるとも限らないのに」

 先生は、造った人を馬鹿にするような調子で言った。


「そうですか、

 これって、神様だけに反撃をするように造られているのですか」

 気になったので問いかけると

「そうだよ、

 まともに効果があるであろう、人間、魔族相手には反撃の機能が付いていないね」

 先生は私にそう言った。


「そうなんですか、

 造った人は変人なんですね」

 私はそう呟いた後に

「それじゃあ、これ開きますか」

 杖とナイフをどかし、

 麻袋を真ん中に置きながらそう言うと

「何が入っているんだろうね、それ」

 先生はそう言った。


「知りませんよ、私もまだ見ていないのですから」

 と言った後に

「それじゃあ、開けますね」

 私はそう言い、袋を開いた。


 袋を開いた私が、覗き見ると、その中には、

 薄汚れた日記帳とお金だろうか、分らないが、多分金色の汚れたコインが入っていた。


「何ですかね、これ」

 私は、日記帳よりも気になったコインを取り出すと、

 記憶にないのかと頭を回したが、

 結局、記憶になかったので、

「先生、これ、知っていますか」

 コインを先生に見せるように言うと

「汚れすぎてて分らないよ、洗いないよ」

 先生は私にそう言ってきた。


「分りましたー」

 私はそう帰した後に、

 服を洗っている魔法の中に、

『ポイッ』

 と投げ込んだ後に、

「それじゃあ、これ読みますか」

 私が薄汚れた日記帳を取り出した。


「それも汚いね」

 先生は私にそう言ってきた。


「そりゃあそうですよ、

 だって、地面に埋まっていましたし」

 私がそう言うと

「君、拾ったて言っていなかったかい」

 先生は私に問いかけてきた。


「ナイフは拾いました、

 杖と袋は掘り出しました」

 私がそう言うと

「君、それは嘘を言っていたと

 っていう事じゃないのかい」

 先生はこう言ってきた。


(何を言いがかりを付けてくるんd)

 と心の中で呟いた後に、

「私は嘘を吐いたことはございませんよ」

 こう言うと

「それも嘘だろう」

 言いがかりを付けてきた。


「何を言ってるんですか先生、

 私が嘘を言うわけがないじゃないですか、

 私はその部分を故意に言わなかっただけですよ」

 こう言うと

「それを嘘って言うんじゃないのかい」

 先生は突っ込むように言ってきた。


「私は、伝えていないわけで、嘘を吐いたわけではないんですよ、

 嘘の定義を考えてみてくださいよ、

 私は1つも間違ったことは言っていません」

 こう先生に言うと

「故意に伝えていないのなら、

 それは、殆ど嘘に等しいと思うけどな」

 まだ食い下がってきた。


(何か、これで言い合うの面倒くさくなってきたな)

 そう考え始めた私は、

「先生、もうやめませんか、

 少し、面倒くなってきました」

 先生にそう言うと

「そうだね、僕も面倒くさくなってきたよ」

 同調の声が返ってきた。


「それじゃあ、終わりですね、

 早速、これ、読みますか」

 私が薄汚れた日記帳を指し示しながらそう言い、本を開くと、

「これは、凄いね」

 先生がその言葉を漏らした。


 どうして、この言葉を漏らしたのか、

 それが気になる人が多いだろうから、答えを言おう、

 まぁ、端的に言うと、まともに、

 違うな、絶対に読めないほどに、

 インクでグチャグチャに線が引かれ、

 最初のページが真っ黒に染まっていた。


「次のページは、きっと大丈夫ですよね」

 私が

(これ、全部こんな感じなのか)

 こう思いつつも呟いき、ページをめくると、

 まぁ、まぁ、案の定、

 私の予想通り、次のページも、

 その次のページも真っ黒だった。


(あぁ、こりゃあ、ゴミだな)

 そう思いつつも、根気強く読めるページを探していると、

 最後の方のページで読むことの出来る箇所を見つけることに成功した。


「あっ、読めるところ見つけました」

 私が飽きて、途中で何かをしだした先生にそう言うと、

「へぇ、全部黒塗りされてると思ってたよ」

 こう驚いたように言いながら、私の方に近づいてきた。


「私もそう思っていましたけど、あったみたいです」

 と言いながら、その箇所を指し示すと

「小っさいね」

 先生はそう言ってきた。


「まぁ、そうですけど、

 良いじゃ無いですか、読めるところがあっただけ」

 こう言うと

「そうだね」

 先生はこう返答をしてきた。


「それじゃあ、それの解読は任せたよ」

 先生はそう言いながら、

 また、私から少し離れて何かをしだした。


 えっ、解読ってどう言う事って、

 あぁ、それはね、

 読めるとは、言ったけど、

 私は一度も綺麗だなんて言ってないだろう、

 まぁ、端的に言おう、

 読めるっちゃあ読めるが、

 普通に水とか染み込んでいて読みづらいんだよ、

 それに、字も少し雑だし。


 私は、

(やるか、やるしかないよな)

 こう心の中で呟き、

 覚悟を決めるために、

「よし、やるぞー」

 と声を上げ、解読を始めるのだった。

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