第128話 水魔法って何だろうな、私の非常に聡明な頭でも分らない
「あぁ、もう夕方か」
私は少し欠けたスコップ片手に、
空を見上げながら呟いた。
どうして、このような状況になったのか、それを3行で纏めると、
外で光が見えた、
光に向かって行くと転んだ、
転んだところに何かが埋まっていた、
だから、掘り起こした。
あっ、4行だった。
えと、まぁ、まぁ、ミスは誰にでもあるよね、ねっ、ねっ。
私は上記のことを考えた後に、
(あぁ、もう夕方なんだな、
あれ、もう帰らないとヤバクネ)
そう焦るように呟いた。
(ヤバ、帰んないと)
私は、そう思いながら、
拾ったナイフ、掘り出した杖と麻袋、
それを、闇魔法で収納し、
出てきた洞窟に向かい走って行った。
私が洞窟を全力で走っていると、
「あっ、ヤベ」
そう呟きながらも、
こけに足を滑らせながら、
もう一度転んでしまった。
(イッテ、ヤベ)
そう思いつつも、
私は、また、尻餅をついた。
(尾骨、尾骨が、尾骨が痛い、
うわぁー、尾骨、折れたか、割れたか)
私はそう思う程の痛みだったので、
焦りながら呟きながらも、
ゆっくり、歩いて、滑らないように、
元々歩いてきた、
薄暗い道に戻っていくのだった。
…………
その後は、誰ともすれ違うことはなく、
私は自分の部屋に帰ってくることが出来た。
「ただいまー・・・・です」
こう言いながら、部屋に置いてある椅子に座ろうとすると
「座るな」
私に怒るような声が聞こえてきた。
「はっ、へっt、何ですか、先生」
私が驚きながら、
座ろうとする姿勢でそう言うと
「君ね、何処で付けてきたか知らないけど、
その砂、土、分らないけど、
まず、汚い服を着替えてから座りなよ」
いつも通りの口調でそう言ってきた。
「えっ、あっ、えっ、
そんなに汚れていますか」
私がそう言いながら、
上の服を脱ぐと、
大分、土の汚れと、汗の汚れで汚れているように見えた。
(あっ、これは、駄目だ、汚すぎる)
そう思いつつも、
(これ、どうやって言い訳しようかな)
こう思ってしまった私は、
「先生、私の服を綺麗にする事って出来ますか」
問いかける。
「出来るけど、
面倒くさいんだけど」
先生は私にそう言ってきた。
「まぁ、教えるだけで良いので」
私がそう言う
「嫌だよ、それに、着替えた方が早いだろう」
先生は面倒くさいのかそう言ってきた。
「えぇ、いいじゃないですか、
教えてくださいよ」
私が、洗濯の時に困るんだよ
と思いつつも言うと
「自分でやりなよ、
僕の専門じゃないんだよ、
洗濯をする魔法なんて」
先生は私にそう言ってきた。
「出来ないのですか」
煽るように言うと
「出来ないわけじゃない、
けど、少し面倒くさいんだよ、
魔法を発動するまでの行程が」
先生はそう言った。
「面倒くさいって、
具体的には」
気になるのでそう問いかけると
「専門外の魔法を使うには、
魔力を少しだけ弄くらないといけないんだよ」
先生は私にそう言ってきた。
「どうしてですか」
私が更に質問をすると、
「君ね、話しているだけじゃなくて、
頭を回して自分で服を洗う方法を考えなよ」
先生は返答を返すのが面倒くさくなったのかそう言われてしまった。
「えぇ、無理ですよ」
私が特に何も考えずに答えると、
「まだ、まともに考えていないだろう」
先生は私にそう言ってきた。
(えっ、バレてる)
そう思いつつも、
「考えましたよー」
こう返すと
「思い付かなかった、
じゃなくて、考えていないんだろう、
僕は知ってるよ」
先生は冷然と言ってきた。
(これは、無理そうだな)
そう思いつつも、
「分りましたよ、やりますよ、
考えれば良いんでしょ」
私がそう言うと
「実行もだよ」
注釈するように言ってきた。
「分りました」
不満げに言った後に、
思考を回し始めた。
(さぁ、どうやろうか、
皆はどう考える)
私はそう自分の中で呟くと、
返答が返ってくることはなかったので、
ちゃんと考えることにした。
(さぁ、どうするか、
創造魔法で水を創るか、
出来るだろうけど、
何かなぁ、嫌だな、負けたように感じて、
水の魔法を使うか、でも、原理が分らないんだよな、
水を構成する物質を結合させているのかな、
って思った事もあるけど、無理だと思うんだよな、
質量保存の法則的に考えて、
空気中の物だけで、2メートルくらいの水の柱を作れないと思うんだよな、
まぁ、本当は作れるけど、私が勘違いしてる可能性もあるけど、
空気に水が沢山溶けてるといけるのかな)
そうずっと思っていたことをつぶやいた後に、
「先生、質問宜しいでしょうか」
と呼びかけるように言った。
「良いよ」
先生はそう返答をしてくれた。
「ありがとうございます」
私は御礼を言った後に、
質問事項を少し考えた。
「先生、水魔法で、
生み出される液体って言うのは本当に水なのでしょうか」
こう問いかけると
「違うよ」
すぐに答えてくれた。
(違うんだ、それじゃあ、どうして水魔法なんだよ、
水じゃねーやん)
と突っ込んだ後に、
「それじゃあ、何を生み出しているのですか」
私が問いかけると
「水に限りなく近づけた、
魔力の塊だよ」
先生は私にそう返答を返した。
「どう言う事ですか」
私が問いかけると
「僕の知人曰く、
魔力を対価に物質と交換するのが創造魔法、
魔力を使いそれを再現するのが属性魔法なんだよ」
違いを教えてくれた。




