第122話 私は使うんだよ、魔法を!
「あぁあぁ、疲れた」
2代目勇者の分ることを、
出来るだけ調べきった私は、
そう大きく声を上げた。
「今何時だ」
そう呟き、腕を一瞬見そうになり、
私は、長椅子から立ち上がった。
(どうして、前世の時の癖が、
出てきちゃったんだ)
こう、心の中で呟きつつも、
私は、扉の方に近寄り外に出て、
隣の部屋に時計を見に行った。
時計は、もう、
8時を示していた。
そう、もう8時なのだ、
殿下が帰って、私は特に何も、
勇者のことを調べることしかしていないのに、
もう8時になってしまったんだ。
(くそー、
私の自由時間を奪いやがってー
勇者めー、ふざけるなよ~)
と心の中で、ふざけた言いがかりを付けていると、
「お嬢様、いますかー」
こう私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「いますよー、どうかしましたか」
私は、
(寝るまでの時間何しようかな、
魔法の練習も良いけどな、・・・
そうだ、よし、あれを作ろう)
と心の中で呟きつつも、
呼ぶ声に対して返事を返すと、
「あっ、そっちにいたんですね、
・・・・どうしてその部屋にいるんですか」
私を呼んだ人ことマリーちゃんが、
部屋に顔を出しながらそう問いかけてきた。
「時計が図書室に無いからですよ」
私がそう返答をすると、
「そうなのですか」
間の抜けた声が返された。
「それで、私に何か用があったのですか」
私がそうマリーちゃんに問いかけると
「あぁ、忘れていました、
お嬢様、ご夕食の準備が終わりました」
こう返答を返されるのだった。
…………
その後、豪華では無い、
いつも通りの微妙なご飯を食べ、
お風呂に入り、歯を磨き、
私は現在ベットで寝っ転がっていた。
「先生いますよね」
こう、私が呼びかけるように言うと
「よく分ったね」
と先生は返事をしながら出てきた。
「先生、私、
創造魔法で創り出したい物があるんです」
私が独白するように先生に言うと
「どうして、僕にそんな事を言うんだい、
勝手にやれば良いじゃ無いか」
先生は私にそう言ってきた。
「確認をとりたいことがあるんですよ」
私が先生にこう言う
「なんだい、答えられることなら、答えてあげよう」
すると、先生は私にそう返事をした。
「聞きたい事は、
創造魔法で作れない物はあるのか、
それと、極端に魔力が持って行かれる物は無いか、
この2つです」
私が先生にそう言うと
「創造魔法で作れない物は基本は無いよ、
流石に、宇宙を作り出すことは出来ないけどね、
でっ、極端に魔力を持って行かれる物は、そうだな・・・・
魔法の力、神の力とかの不思議な力が宿ってる物、
生命体くらい何じゃ無いかな、
それ、以外の物は、質量に比例して魔力の使用量が増えるよ」
先生は私の質問に対して、
案外ちゃんとした返事をしてくれた。
(創造魔法で生き物なんて作れたんだ、初めて知った)
私はこう、心の中で呟きつつも、
「分りました、それじゃあ、作って見ることにします」
先生にそう返事をした後に、
直ぐ創造魔法で、私が欲している物を作り出した。
(えっ、私が何を創っているのかだって、
・・・・それは・・・・
まだ秘密って事でお願いしますよ、へへへ)
私は心の中でそう笑いながらも、
魔力を流し続け、3分間が経った。
(何か楽しみなことがあると、
時間が流れるのは早いって聞くけど、
それって本当の事なんだな)
私はそう思いつつも、
魔力で浮かしていたその物を手に取った。
「終わったかい」
私が物を持って、・・・
違うな、これ、うん、
あっ、いや、別に持っているで良いのか、
抱きついているようにも感じたけど、これは・・・、
多分持ってこれで良いか、ゴホン、
私が物を持って直ぐに先生が私にそう問いかけてきた。
「はい、終わりました」
私がそう、嬉々とした声で言うと
「何を創り出したんだい」
先生は私にそう聞いてきた。
「それは、見ての通り、これですよ」
私が先生に言うと
「馬鹿なのかい、
君はまだ飲める歳じゃ無いだろう」
先生は呆れたような馬鹿にするような声で言ってきた。
(先生の反応で分った人もいるかも知れない、
そう、私の創り出した物、
その正体こそは酒だ、
今回創り出したのは、赤ワインだ、
それも一升瓶くらいの量だよ、
凄いだろ、これ、私が創ったんだよ)
私はこう心の中で呟きつつも、
「良いじゃ無いですか、
殿下が帰っていったんです、
少しくらい、っねっね」
こう言うと
「どうして、それで良くなるんだい」
先生は私にそう返事をしてきた。
「いや、その、
何て言うんでしょうね、
その、とっ、取り敢えず、
飲みたいんですよ」
私が論を立てるのが何か、
面倒くさくなりそう言うと
「僕は、別に止めようとは思わないけどさ、
でもさ、君、酒の危なさ分らないでしょ」
先生は私にそう言ってきた。
「分っていますよ」
私が返答をすると、
「それじゃあ、いいよ、
でも気をつけなよ、
一気に飲んだら死ぬし、
それに、沢山飲んでも死ぬ、
ついでに、酒の依存になるかも知れないしね」
先生は私にそう言ってきた。
「大丈夫大丈夫、
私はちゃんと分っていますよ、
それじゃあ、コップとってください」
そう先生に頼むと、
「自分で取りなよ、
僕はやらないよ、面倒くさい」
私はそう言われてしまった。
*注釈*
次回、主人公が未成年飲酒をいたしますシーンがございますが、
この物語は日本国の法律・法令、
両方に反することを推奨、容認いたします物ではございません。
忘れないでくださいよ、違いますからね、本当ですよ、
何があっても、この物語に対し、責任を転嫁、押しつける真似をしないでくださいよ。
そんなことしたら、消されるの私なんですよ。




