第121話 よし、やるぞー!調べるぞー!勇者のこと!
今回、前回と同じで「」()が殆ど使用されてないので、
読みづらいかもです、ごめんなさい、殆ど独白なので面倒くさかったんです。
聖書を全て読み終わり、
私は、聖書の中で語られる2代目勇者に対し、
疑念、矛盾のような物を抱いてしまった。
2代目勇者というのは、
どうやら魔王を倒したらしい、
だが、此処が可笑しいのだ。
何が可笑しいのか、
それを論じる前に、
一端別の話をしよう、これを知らないと矛盾は分らないからね。
3代目勇者、この勇者は昔、
調べたことがあるから、
私は覚えている、
この勇者は魔王を3匹倒している、
そう3匹だ、この世界で魔王を名乗っている存在は過去と現在を全て合わせ3匹なのにもかかわらず、3匹倒しているのだ。
まぁ、此処で大概の人が気付いたと思うが、
可笑しいのだ、4匹の魔王がいるのなら説明が付くが、
魔王は3匹しかいないのだ、
なのにも関わらず、倒された魔王の総数は4匹なのだ、
可笑しいだろ、なんで修正されてないんだ。
この聖書によると、魔王を倒した数は、
2代目勇者が1匹、
3代目勇者が3匹倒していることとなっている、
何故か聖書でも魔王が4匹に増えているのだ、
可笑しいだろ、ていうか書いた奴、馬鹿だろ。
可笑しくね、なんで気付かれてないんだよ、アホだろ、
私はそう思いつつも、
神話のみで語られる2代目勇者に興味をそそられてしまった。
興味をそそられたは良い物の、
この2代目勇者というのは謎が多く、
判明しているのは2つの情報だけだ、
その情報とは、
髪と目の色、戦い方これのみなのだ、
普通は人柄とかも残っていると思うだろう、残っていないんだよ、
聖書ですらその事を語っていないのだ、
魔王城への旅の道順すら不明だしね。
それで、髪と目の色、ついでに戦い方は何か、
気になる人もいるだろう、
だから説明をしよう
聖書によると、
『漆黒を髪と目に宿す少年』
これが容姿の説明、
それで戦い方の説明が、
『剣、魔法を使いて魔族に恐怖を与えた』
と大分、雑で何を使って戦ったのか、
それしか分らなかった。
これ以上の情報が無いのか、
そう思い探ろうとしても、
何故か、3代目勇者が誕生する際にはいつの間にか死亡しているのだ。
何で死んだのかも、何時死んだのか、何処で死んだのか、
これが全くもって不明なのだ。
死亡が判明するのは、3代目勇者の戦闘の説明で
『英霊となった2代目勇者のような勇猛果敢な戦いぶりであった』
と説明され、此処で死亡が判明するのだ。
可笑しいだろう、
普通英雄ならば、死亡の理由、時期、場所が描写されると思われるのだが、
本当に何故か語られることが一切無いのだ。
2代目勇者の事が気になり、
詳しく調べようにも、伝記を探ろうにも、
2代目勇者の伝記は存在し得ないのだ、
3代目勇者のやつ、
それと、少しではあるが最初の勇者の伝記も存在するのにも関わらずね、不思議だよね、普通残すと思うけどな。
あっ、そういえば、
最初の勇者さんの聖書での説明、
それと、伝記での説明には特に違和感が無かったよ。
ごほん、でっ、本題に戻すけど、
私は2代目勇者のことを調べるために、
一端、3代目勇者のことをもう一度洗い直すことにした。
理由は、3代目勇者の動きに、
可笑しな所は無いか、それを調べるためだ。
そうして、私は3代目勇者パートリックを調べ始めた、
丁度地理に関する本も近くにあったので、それも利用しながら。
…………
何時間か地理と、
伝記で語られる3代目勇者達の行動を見比べた結果、
可笑しいところが何個か判明した。
例えば、何が可笑しいのか、
それは、昨日まで帝都にいたのにも関わらず、
何故か、次の日には別の大陸にいたり、
変なところが度々存在しているのだ。
まぁ、そこで私は考えた、
『これ、2代目勇者と3代目勇者の行動、
ごちゃ混ぜになっているのではないか』と。
初代勇者が混ざっている可能性はないのか、
そう聞かれると、私は確実とは言えないが、
多分混ざっていないと返すだろう。
理由としては、
初代勇者は基本的に、
最前線にへばりつき、
前線の右翼、左翼を右往左往して、2代目、3代目勇者の行動範囲に殆どいないからだ。
この人は不思議な事に、伝記では1日も休むこと無く、
戦いを続けていたらしいよ、
戦闘狂なのかな。
でっ、話は戻すけど、
ごちゃ混ぜ説を、検証しようにも、
方法は、まぁ、3代目の動向を調べるしか出来ないので、
もっと詳しく調べまーす。
私はそう思い終わると、
3代目勇者の突拍子の無いワープ現象を纏め始めた。
…………
また、数時間が経ち、
私は3代目のワープの行動範囲を見つけることに成功した。
どうやら、3代目さんは、
基本的には絶対に帝国国境から外に出ることが無いようだ。
旧領の地図と、伝記で語られる勇者の動向を見ると、
国境スレスレで戦闘を行うことは存在するが、
他国に出る際は必ず、救助要請があった場合のみなのである。
だが、時々存在するワープ現象では、
何故か毎回、他国に移っている。
それも、興味深いことに、
同じ国の領土に。
そこで、
『3代目勇者は帝国を起点に行動をしていたから、
帝国では、2代目勇者よりも目立ち、
2代目の成果も3代目がやったと勘違いされているのでは無いか』
という仮説を考え、
この考えに終止符を打つことを決定した。
(もっと、調べろよ、だって、
いやいや、皆さん無理ですよ、
多分、行動範囲以外には分ること無いですもん、
これ以上分ることは殆ど無いんですよ、
嫌ですよ、もう、面倒くさい)
私はこう考えつつも、
(勇者パーティーの聖女、
私にマナーを教えてくれているフランさんに、
次に会ったときには聞いてみよう)
と心の中で決定するのだった。




