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第111話 私はおめかしをするんだ

「どうぞ、お入りください」

 私は部屋の扉を叩く音に対して、

 そう返答をした。


「失礼いたします、お嬢様」

 部屋の外からは私に返事をする声が聞こえてきた。


「おはようございます、マリーちゃん」

 私が部屋に入ってきた人に、

 直ぐにそう挨拶をすると

「おはようございます、です、お嬢様」

 と元気に挨拶を返してきた。


「言葉が少し変ですよ、

 それと、今日は凄い元気ですね」

 私がマリーちゃんにそう問いかけるように言うと

「ふふ、すいません、

 元気なのは、その、・・・

 昨日の夜のおかげです」

 と謝った後に、

 理由を説明してきた。


「そうですか」

 私は

(昨日・・・

 何か元気になるようなことあったけ、

 分らんな、ホンマに分らん、

 どっちかというと元気にならないことはあった気がするけど)

 こう思いつつも返事をした。


「そういえば、今日は、

 何かする事がありましたか」

 私がそう問いかけると

「本日は・・・

 皇子殿下様とのお茶会、

 それと、見送りです」

 マリーちゃんは直ぐにそう返答を帰してきた。


「見送り・・・・

 あれ、殿下は今日帰るんですか」

 私が短さに驚きつつも問いかけると

「そのようです、

 どうやら、侯爵様が何らかの行動を起こす可能性があるからだそうです」

 マリーちゃんは理由と共に教えてくれた。


「そうですか。。。」

(お父様、お父様、

 何をすると思われてるんですか、

 馬鹿なんですか、そうか、馬鹿なのか)

 私がそう思いながらつぶやくと

「あっ、そういえば、

 お嬢様はもうお召し物をお替えになっているのですね」

 マリーちゃんがそう言ってきた。


「はい、早く起きてしまったので、

 着替えたのです」

 私がそう返答をすると

「お手伝いできず、

 申し訳ありません」

 マリーちゃんはそう謝ってきた。


「いえ、大丈夫ですよ、

 私が早く起きてしまっただけですので」

 そう言うと

「そうですか、

 あっ、そうです、

 髪飾りでも付けましょうか」

 マリーちゃんは提案するようにそう言ってきた。


(えっ、嫌なんだけど、

 何か、本当に女の子になったようで)

 と思った私は、

「付けるのですか・・・・」

 こう呟くように言った。


(直接嫌だというのは無理だ)

 こう思ってつぶやいた私に対して

「付けましょう、

 お嬢様もネックレスを付けているようですので、

 興味があるのでは無いのですか」

 マリーちゃんは質問をしてきた。


(はて、ネックレスとは、なんぞよ)

 そう思いつつも首らへんに手を当てて思い出すように気付いた。


(私、絶対に物事を忘れないはずなのにな、

 やっぱり、こういうのに気付けないのね、

 そうなのね、了解です)

 と思いつつも私は、

 先生にだいぶ前に貰った、

 魔導具のネックレスの宝石の部分を持ち

「こっ、これは、特別なのです」

(何たって、私の命を守る物だからな)

 と心の中で呟きながらマリーちゃんの質問に返答をする。


 すると、

「そうなのですか、・・・」

 キョトンとしたような声で返してきた。


「あの、これが特別なだけで。私は他にはアクセサリーを付けたいとは思わなくても良いと思うのです」

 私がそう言うと

「えぇ、付けましょうよ、お嬢様、

 可愛く着飾った方がお客様も喜ぶと思いますよ」

 とマリーちゃんは私にそう返答を返してきた。


(喜ばれる必要性が皆無、

 だって、私、結婚したくないもん、

 男だよ、婚約者男なんだよ、

 私は頭脳は男、体は幼女なんだよ)

 と心の中で文句を言うように呟き続けていると、

「お嬢様がお喜びになると思っていたのですが、嫌なのですか」

 マリーちゃんは何故だか悲しそうな声でそう言ってきた。


(えぇ、何故、

 何故だよ、意味が分らない、

 本当に分らない)

 と呟きながらも、

「あっ、いえ、その、

 何て言うんでしょうね、

 えと、その、

 別にその、興味が無いわけでは無いのです」

 私がそう、

 マリーちゃんを気遣うように言う。


 すると、

「それじゃあ、早速付けましょうか」

 さっきの声が嘘だったのか、

 すっっっごい元気な声で返答をしてきた。


(これ、私、

 まさか、騙されたのか、

 私を騙すなんて名優だな)

 と私が心の中で、

 驚いたように呟いていると、

 いつの間にか、マリーちゃんは髪飾りを沢山持ってきた。


(えっ、それ、全部付けるの)

 私がそう疑問に思っていると

「お嬢様、どれが良いとか有りますか」

 そうマリーちゃんが質問をしてきた。


(あっ、そうなのね、

 全部付けるわけじゃ無いのね)

 と外れた予想にそう呟きつつも私は、

 付けるのから逃れられそうにないので、

 持ってきてくれた髪飾りを見た。


(う~ん、どれが良いとかあるのかな、

 私からしたらどれでも良いんだけどな)

 そう思って選んでいた私は、

 結局選ぶことが出来なかった。


(やばい、どれが良いのか分らん)

 私がそう思って急いで選ぼうとしていると

「これはどうでしょうか」

 マリーちゃんが助け船を出すかのように私に言ってきた。


「どれですか」

 どれを指し示しているのか分らなかった私がそう問いかけると

「これです」

 と言いながらマリーちゃんは1つの髪飾りを持ち上げた。


 その髪飾りは、

 銀色の板に薔薇のような、

 模様が彫られている台座に、

 紫色にも青にも角度によっては見える宝石がはめ込まれていた。


「お嬢様の付けている、

 ネックレスと同じにしようと思い選びました」

 とマリーちゃんは私に言ってきた。


「そうなのですか」

 私がそう返すと

「それと、

 その髪飾りにはタンザナイトが埋め込まれています、

 宝石の石言葉がお嬢様に会っているかなというのも理由です」

 とマリーちゃんは私にそう言ってきた。


(石言葉って何だ、

 そんなのあるの)

 私はそう驚きつつも

「そうなのですか、

 それで、その、石言葉というのは」

 と質問をすると

「それは、秘密です」

 マリーちゃんは私にそう返しながら、

 髪に付けてくれた。

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