第110話 おはようございます、寒いですね
「あっ、そうだ、
先生、私はどうして起こされたんでしょうか、
眠いのですが」
私はこう、
色々と聞きづらい話題になってきたので、
話題を逸らすかのように問いかけると
「あぁ、それは君に魔法の練習はしなくても良いのか、
それを聞こうと思っていたんだよ」
先生は未だに何処か上の空で帰してきた。
「そうですか、
今日は私が異常に眠いですし、
明日も殿下がいるでしょうから早く眠ることにします」
私がそう言うと
「そうかい、それじゃあ、お休み」
先生は私にそう言ってきた。
「お休みです、先生」
私はそう先生の声に返答した後に、
再度掛け布団を被り、
また、深い眠りに直ぐについた。
…………
(おはようございます)
私は眠たい眼を擦りながら、
そう心の中で眠たげに呟いた。
(何か時間流れるのはやくね、
私さっき寝たじゃん、
感覚では1分も経ってないんだけど、
気のせいなのか、よく分らんな、
どうしてこんなに寝てる感覚が短いのか)
と心の中で疑問に思いつつも私は
「よし、着替えるか、
よし、よし、よし」
こう「よし」を連呼しながらも、
未だに出たく無かったために、
私はベットの中に入り続けていた。
「よし、今出るぞ、
本当に、本当に、本当に、
本当だぞ、本当に出るぞ」
私はそう呟いていると
「何を言っているんだい、君は」
と私の正気を疑っているような声が聞こえてきた。
「いや、先生、それはですね、
そうですね、えと、
私はもうちょっと、
具体的には5時間くらい寝たいんですよ」
私がこう言うと
「長くないかい」
と先生は突っ込むように言ってきた。
「いや、長くないですよ、
私、昨日そこまで長く寝てない気がするんですよ、
何故か、本当に何故か、疲れがとれていませんし」
私がそう言うと
「君は、昨日はちゃんと寝ていたよ、
そりゃあ、もう、ぐっすりと」
先生は私の発言に対して、
こう反論してきた。
「そうですかね、
本当に眠いんですよ、
不思議な事に」
私がそう言うと
「それはただ単に未だに、
目覚めていないんじゃ無いのかな、
提案にはなるけど、
顔洗ったり、朝食でも食べたらどうだい」
先生は私にそう言ってきた。
「まだ朝ご飯の時間ではないので、
顔を洗うことにします、
移動するの面倒くさいので先生、
つれて行ってくださいよ」
私がそう言うと
「君、それ以上ふざけると、
君の顔に全力で水の槍を叩き込むよ」
先生は私にそう脅しの声を掛けてきた。
「すいません、すいません、
今から起きます、はい、起きます、
やめてください」
私はそう言いながらベットから出た。
「あっ、少し、寒い」
私は少しだけ寒い外気にそう反応していると
「早く行きなよ」
と先生に急かされてしまったので、
私はそそくさと早足で歩いて行き、
洗面台の前に立った。
洗面台には私の顔が映し出されている、
私の顔はいつも通りの可愛らしい、
前世だったら余裕でモデルにでも、
アイドルにでもなれそうな顔だった。
(少しもやさぐれてないな、
不思議だな、
私、そこまで長く寝てないと思うんだけどな)
私は未だに先生のことを疑いながら、
そう思い顔を洗った。
(冷たい、何か凄い冷たい)
私は、水の冷たさにそう驚きつつも、
顔を洗い終わり、自分の部屋に戻っていった。
「どうだい、目は覚めたかい」
私が部屋に戻ると、
開口一番で先生は私にそう聞いてきた。
「目覚めましたよ、
案外目覚める物なんですね」
私がそう驚きつつも先生に返答をすると
「そうだろう、そうだろう」
嬉しそうに私に返事をしてきた。
「どうしてそんなに嬉しそうなんですか」
私がそう、凄い嬉しそうに返事をしてきた先生に問いかけると
「それは、・・・
何て言おうかな、・・・・
僕の知っている子に教えて貰ったんだよ、
でもね、僕は使わないであろう、知識だったんだ、
だから、使うことが出来て僕は嬉しいんだ」
先生は私にそう理由を説明してくれた。
(そうなんだ、
自分が使えない知識を使えてそこまで嬉しいのかな)
私はそう疑問に思いつつも
「それは誰に教えて貰ったんですか」
ともう片方の気になった事を問いかけると
「それは・・・・
秘密だよ、このことは君が知る必要性が無いからね」
先生は私にそう、
何て言うんだろうな、
不思議な、感情が読み取れない声で言ってきた。
「そうですか、了解です、
それじゃあ、先生、
出て行ってください」
私が先生にそう言うと
「どうして僕がこの部屋から出なくちゃいけないんだ」
先生は私にそう質問をしてきた。
「馬鹿ですか、
私は着替えたいんですよ、
早く出て行ってください、
出て行かなければ、ワシャワシャにしますよ」
私が「撫でるぞ~」と言う意味の脅しを掛けると
「おぉ~怖い怖い、
それじゃあ、また」
とふざけて言いながら先生は部屋の外に出て行った。
「よし、着替えるか」
私はこう宣言するように呟いた後に、
近くにおいてあるクローゼットから、
少しだけ、お高めで清楚そうな水色の服を着よう、
と決め、取り出し、着替え始めた。
…………
「よし、これで、OKだ」
私は着替え終わった後にそう呟いていると
『コンコンコン』
と扉を叩く音が聞こえてきた。




