第100話 あぁ、もう辛いよ、色々辛いよ
(よし、もう行ったな、
あの人達、ごめん、マジでごめん、
本当にごめんメイドさん)
皇族達をメイドさんに押しつけ、
トイレに行くと嘘を言った私はそう、心中で謝っていた。
皇族達がメイドさんに着いていって何処かに言ってもまだ、
跪いている私に違和感を覚えたのか
「あの、お嬢様、大丈夫ですか」
そう質問するマリーちゃんの声が聞こえてきた。
「どうなんでしょうね、
無視しても私は大丈夫なのでしょうか」
こう疑問の声を上げると
「それは、・・・」
マリーちゃんは分らないのか、
それとも微妙なのかそう返してきた。
(あぁああ、やっぱり、
そうだよな、そうだよね、
危ないよな、はぁあああ、
ヤバいな、やっちゃったな、
本当に馬鹿だな、
昨日、先生のこと無視して寝とけば良かった、
あぁああああ)
私がそう心の中で文句、
ちゃうな、
後悔を叫んでいると
「多分、大丈夫だと思いますよ」
そうロナルド君が私を助けるような声をくれた。
(ありがとうございます、
気遣ってくれてありがとうございます、
本当にありがとうございます、
よし、ちゃんと謝るか、
謝るしか無いよな、そうだよな)
そう心の中で呟いた後に、
何故か、未だに跪いていると言うことに気付いた私は、
立ち上がり、トイレのために扉の方向に歩いて行くと
「もう追いかけるんですか」
そうロナルド君が問いかけてきた。
(何言ってるの、
私がそんな早く殿下達を追いかけるわけ無いだろ)
そう思いつつも私は、
「違いますよ」
と返すと
「それじゃあ、何処に行くんですか」
馬鹿なことを聞いてきた。
(この子、馬鹿なのかな、
私が何て言ったか聞いてたのかな)
と心の中で呟きつつも私が、
「と・・・」
ここまで言ったところで
「お嬢様、お待ちください」
そう私の言葉を制止することが聞こえてきた。
「えっ、あっ、はい」
私がそう言い口を閉じると、
マリーちゃんが近づいてきて
「お嬢様、お花を摘みに行くのですよね」
小さい声で確認を取ってきた。
『コクンコクン』
のように私が頭を振ると
「分りました、
ロナルド様を待たせますので、
行きましょうか」
マリーちゃんはそう言ってきた。
(何で、トイレに行こうとしたことを制止したんだ、
よく分らないな、・・・
う~ん、これは少し、怖いな)
と心の中で呟いた後にまた
『コクンコクン』
そう頷いたら、
マリーちゃんは扉を開けて
「どうぞ、お嬢様」
そう言ってきた。
(私は、何時まで黙っていれば良いんだろう、
分らないな、分らんわ、
とりま、黙って身振り手振りで対話すれば良いか)
と心の中で呟きながら、
頭を下げると
「あ、僕も着いていきますよ」
私が何をしに行こうとしているのか分らないのか、そう言ってきた。
私が、
(どうしようかな)
そうロナルド君に対して思っていると
「馬鹿、此処で待っていてください」
マリーちゃんがそうロナルド君に怒った。
(えぇ、マリーちゃんってそんな風に怒ることあるんだ、
でも、そんなんでロナルド君従うのかな、
従わないと思うけどな、この子結構変な人だし)
と私が心の中で思っていると
「分ったよ、何しに行くんですか、
お花摘みに行くって殿下から離れるために吐いた嘘でしょう」
そう私の予想を裏切り言ってきた。
私は、
(私の最初の計画見抜いてるじゃん、
よく分ったな、まぁあね、でも、
現在私はリアルにトイレに行かないと漏れそうだし、
見抜けてないか、間違ってるね、ハッハッハ)
と変な事を心の中で呟いた後に
(あっ、これ、ヤバいな、
ただでさえ眠気でイカレてる思考が、
尿意でさらにイカレ度合いが増してる)
そう心の中で呟いた後に
「マリーちゃん、あの、
先に行きますね、後で追いかけてください」
と未だにロナルド君にお怒りだろうか、
よく分らないが、そんな節のありそうな言葉をぶつけているマリーちゃんに私はその言葉を残し、少しだけ早く歩く、と言うより、
どちらかというと走っていると言うくらいの速度でトイレに向かって行った。
(漏れそうな予感がするんだよ、
しょうが無いだろ、
私は私の尊厳を守るために漏らすわけにはいかないんだ、
だから、だから、走っても許されるはずだ、
というより、私は絶対に許される、
何故って、そんなの、
許さないといってくる人がいようとも、
私は私が持てる力全てを使って許させる、
私は何も悪くないのだからな、ハハハ)
と心の中で言い訳のような変なことを呟きながら走っていた。
___________
(どうして、どうして、
どうして、どうして、
どうして、私は客人の案内をしているんだ、
それに『殿下』、
『殿下』って何ですか意味が分りません、
お嬢様にも教えて貰ってないですし、
マリアにも教えて貰ってない、
こんな事になるなら、
後から追いかけてきた騎士のことを聞かなければ良かった、
でも、でも、でも、しょうが無いじゃ無い、
私も色恋に興味があったんだもん)
私がそう心の中で叫んでいると、
この状況に対して胃がひっくり返るような感覚を覚え始めていた。
(奥様も
『私もメイド服を着ましょう』
何て言い出してふざけ始めて、
本当に怖いです、
もう、嫌です、
私にはお貴族様の思考が分りません)
私はキリキリと痛む胃の心配をしながらそう思い、
更に胃を痛めるような感覚があった。
(あっ、もうすぐだ、
もうすぐでお茶会の部屋に着く、
そこからは私は関係ないはずだよね)
心の中でそう呟いていると、
やっと、やっと、
私と私の後ろから着いてきている殿下と呼ばれていた貴族様はお茶会の部屋に到着した。
私が、ふと、窓の外を見ると、
空からは既に太陽が沈んでおり、
星が登っていた。
(どうして、こんな時間に、
お茶会なんてするんですか、もう)
私は空を見るとそう思わざる終えなかった。
あの、100話いきました。
見て下さった方、応援して下さった方ありがとうございます、
これからは、
『目指せ、総合ポイント100』
を頑張ろうと思います。




