はじめに
人間には神が必要だ。
人々が生きていく上で神の加護を必要としていた。天候や豊作、さらには自らの生死感すら人々は神に委ねていた時代があった。
神々が人々を地に放ち、その今後を見守っていた。
その時代を創生時代と呼ぶ。
人々は神々の加護の下で、人間という文明を作り上げていった。
文明の中にも神の存在の話や、その姿を記されている文献が残されている。
この時代において、神というのは『一神において一つの役割を持つ』という決まり事をもつ。
これは人々の信仰を分散するとともに、生殺与奪を特定の神だけに握らせることを避けたためである。
また、神の力は人々の信仰に依存しているために。神々は人々に対して不条理で、不当な行動を取れない。
人々は神々を崇拝し、貶すことなく。
神々は人々を我が子のように慈しむことで、力を確立する。
これが創生時代の基本だと言えよう。
さて、このように続いた神々と人々の創生時代だが。とある出来事で崩壊し、人々は神無き時代を迎えることになる。
その出来事こそ物語の中枢であり。一人の人間と、とある神の零落について語られることになる。