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リーリアが追放されて、レイクが見つけるまで6日間が経ったとレイクから聞いた。
ゴブリンから逃げ切ったのが、追放されてから10日目。
それからリーリアはレイクに連れられ、ディーフェンブルー家に向かっていた。ディーフェンブルー家はリーリアがいたアクエル家と深い親交のある貴族だ。守る、守られる関係にあると認識していただけに、ディーフェンブルー家はアクエル家の決定に従うものとばかり思っていたのだが、今回のアクエル家内の騒動に対して、ディーフェンブルー家は国に不利益を生じるものと判断しているとのことだった。跡取りではなかったけれど、貴族の娘だったからそれなりに勉強をしてきたつもりだ。けれどレイクから聞いた話ははじめて聞いた内容だった。
リーリアのいたアクエル家は守護三家と呼ばれる貴族の1つで、国を囲むように三点に守護三家の領地は位置している。その三家の領地を持つのが護国三家である。レイクはこの護国三家のディーフェンブルー家の出だ。
守護三家は別名結界貴族とも呼ばれていて、魔法に秀でた一族で、特に結界術を得意としている。アクエル家を含む守護三家は起点として術を展開し、国の周囲に国を守る結界を張って、魔物から守護してきた。
護国三家は、守護三家の間に領地を構えている。三点の結界の起点を六点に拡張する役目と守護三家の警護の任を負っているのは、リーリアも知るところだ。だから守護三家と対とも言える護国三家同士は家ぐるみで付き合いがある。
なお、両家は同格ではなく、守られる立場であるから守護三家の方が格が高い……というのは表向きのことというのがレイクから聞いた話だ。
護国三家には、守護三家にも知られていない裏の役割がある。それは守護三家が国に背徳する行為をしたときに天誅をくだす、あるいはその行為を防止するというものだ。つまるところ監視機構である。
国外から守る守護三家がその任を放棄した場合、当然ながら国は無防備になってしまう。護国三家は守護三家を護る盾であり、同時に牙を向く矛でもある。守護三家からも国を護る、だから護国という名が与えられているらしかった。
ディーフェンブルー家としては、今回のアクエル家の行為が非合理的なものであり、そのような判断をするような統領に運営を任せておくことは非常に危ういと考えた。そのためリーリアを保護するチームとアクエル家を調査するチームとで別れて対処に当たっているのだが、前者のチームに参加したレイクがリーリアを見つけたというわけだ。
アクエル家がディーフェンブルー家の近くに手を回している可能性もあるため、隠れ家へと向かっていたのだが、魔物に見つからないよう迂回したり、人目につかない悪路を通ってきたため