表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウラギラレ勇者~勇者号略奪~  作者: 綾
第一章 勇者号略奪
10/10

異世界

 東雲明は、左腕の肘から先が動かない。

 幼い頃に親友を庇って負った傷だった。当時は何かと不貞腐れていたものだった。でもまだ小学生だったし仕方なかったと思う。遊びたい盛りなのに、危ないからとアスレチックも使わせてくれなかった。友達の家で遊ぶときも心配した親が送り迎えして恥ずかしく嫌だった。

 学校の昼休みに、友達と校庭で遊ぶこともできなくなった。図書館に行って、適当に本を選んで時間をつぶしていた。そのとき読んでいた本の中身はさっぱり思い出せない。きっと文字を追っていただけで、楽しもうなんて気持ちを持っていなかったからだと思う。

 でも前から習っていた剣道だけは、勝手がわかっているからというのと、防具があるから安全だろうということで、唯一許された運動だった。今まで勝ててた奴らに負け続きで、剣道も嫌になったけれど、これすら出来なくなってしまったら、すべて終わってしまうことをなんとなく感じてて、惰性で続けた。向上心なんて一切なかった。

 勉強も同じで、身に入らなかった。どれだ勉強しても、治りはしないし、片腕が不自由という欠陥を覆せるものとは思えなかったから。

 それでも、あることをきっかけに、今では剣道で全国大会に出場するし、勉強も学年一位から三位を彷徨うくらいにはなれた。今後も頑張り続けようと思っている。それもこれも、彼女のおかげだ。


「明! 帰ろう」

「おう。でもちょっと待ってて。先生に提出しないといけない資料があってさ」

「わかった!」


高菜桜希。3人いる幼馴染みの一人。


「たまには勇人も、一緒に帰ろう? ね?」

「いや、俺はいいよ。お前らに悪ぃし」

「……そんな全然気にしないよ」

「お前がしなくても、こっちがするんだっての。それに練習もあるしよ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ