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流星仮面  作者: 矢部 さとし
8/80

2-1【ドジなヒーロー】

~これまでの流星仮面は…~


 夢見が丘で暮らす高校1年生の【花見 隆政】は、幼馴染の【星乃 舞華】が【イカロス】と呼ばれる謎の生物の力を借り、俗に言う魔法少女【シューティングスター】に変身する姿を目撃する。

彼女の後を追った隆政は、【怪盗団BUZZ】と名乗る集団に襲われるが、間一髪のところでシューティングスターに助けられた。

たった1人で怪盗団BUZZとの戦いに身を投じている舞華を心配した隆政は、自らが正義のヒーローとなることを決意、その為の手段としてオジの【花見 哲】にスーツ制作を依頼する。

1週間の後、完成したスーツを目の当たりに感激する隆政。

しかし直後、街の方から怪盗団BUZZの出現を知り、急ぎ現場へと急行。

真新しいスーツを身にまとい、シューティングスターと怪盗団BUZZの前に躍り出た隆政は、突如現れたニューヒーローの名を声高らかに叫ぶ。


「僕の名前は、流星仮面だ!!」

 僕が勇ましく宣言したところで、怪盗団が僕の名前を叫んだ。 


 そう、【流星仮面(りゅうせいかめん)】。


 シューティングスターをあやかってのことだが、隆政(りゅうせい)という名前を文字っているのも由来の1つだ。


 決して人には言えない設定ではあるが、自画自賛とも言うべきこのネーミングは中々のものではないだろうか?


 堂々と名乗り上げたことで、怪盗団は唖然と僕を見据えている様子だ。


 そして勿論、シューティングスターも-


Sスター「…流星仮面~…? ネーミングセンス、悪ぅ…」


 呆れかえっていた!


 え、ウソでしょ?


 この名前のどこがおかしいわけ?


 いかにも正義のヒーロー的な感じで、かっこいいじゃん!


哲『ドンマイ、隆政』


 ショックを受けているところを、オジサンのフォローが入る。


 うぅ…そんなこと言われても、ショックなことはショックだよ…。


 せっかく、シューティングスターのことを想って考えた名前なのに~…。


哲『とりあえず、まずは怪盗団を倒すのが先だ。

  名前をどうこう言われようが、結果さえ残せば万事解決さ!』


流星仮面「わ、わかったよ…」


 オジサンの言う通りだ、仕方無い。


 とにかく今は怪盗団からシューティングスターを、そして街を救わないと!


流星仮面「よし!!」


 気持ちを切り替え、いざ突撃-


流星仮面「………えーと」


哲『………どうした?』


流星仮面「どこから降りようかな、て…」


 わざわざ苦労して屋上まで上ったまでは良かったが、今度は一々下に降りなくちゃならない。


 もと来た道を戻るのは面倒というか、結局路地裏から出てくることとなる。


 さすがの僕も、それはカッコ悪いと思う。


 せっかくこうやって参上したのだから、見えるところから降りるのがベストなんだろうけれど…梯子(はしご)はおろか降りれそうなところが見当たらない。


哲『跳べ』


流星仮面「………はい!?」


哲『いや、だから、跳べって』


流星仮面「ななな何を言ってるのオジサン!?

     ここ何階だと思ってるの!?」


 突然の無茶振りとも言える指示に、僕は大慌てで言い返した。


 地上3階に等しいこの高さから落ちれば、当然軽傷では済まない。


 なのにオジサンは跳べと言っているのだ。


哲『その程度の高さなら問題無い。

  アーマーの脚部にはショックアブソーバーが内臓されているから、

  ちゃんと足から着地すればほぼ無傷で済む』


流星仮面「ショックアブ-

     …なに?」


哲『()()()()()()()()()()

  車のサスペンションにも使われているもので、

  受けた衝撃を吸収・拡散して和らげる装置のことだ。

  片足に3本、計6本の伸縮式オイルダンパーが内蔵されていて、

  衝撃を受けたと同時に中のシリンダーが-』


流星仮面「あ、あ~もう充分!」


 また話しが長くなりそうなので、もう止めておく。


 これから戦いに向かうという時に、オジサンの薀蓄(うんちく)長話だけはゴメン(こうむ)りたい。


哲『まぁとにかく問題無いってことだ。

  だから早く、ほら、跳んでみろ』


流星仮面「お、オジサン、無茶言わないでよー…」


ボス「さっきから何1人でぶつくさ言っている?」


 やば、そろそろ連中も何事かと(しび)れを切らしているみたいだ。


 これ以上怪しまれないために、早く下に降りなくちゃ!


 そう思い、(ふち)ギリギリまで近づき、もう一度下を覗く。


 ………うわ、やっぱり高過ぎだって…。


 さっきのオジサンの口振りからしたら、きっと大丈夫なのだろうけど…いざ目の前にすると…やっぱり怖い…。


哲『大丈夫だ隆政、かつてV’z(ヴィーズ)のヴォーカリストはだな、

  地上数10mの高さから何もつけずにDIVE(ダイブ)したんだぞ? 

  それに比べれば怖くもなんともない!』


流星仮面「そんな事例を言われても、不安材料なんか拭いきれないって!」


哲『心配するな、ちゃんとデータの検証はしている。

  だから足から着地すれば大丈夫だ。 

  俺を信用しろ』


流星仮面「そ…そこまで言うなら…!」


 え~い、もうこの際どうにでもなれ!!


 自棄(やけ)になり、僕はジャンプすると地上に向けて跳び降りた。


ボス「な、なに!?」


Fボール「飛び降りた!?」


リッパー「あんな高さから飛び降りたら…!」


Sスター「あぶない!?」


 地上の方々から叫び声が聞こえるけれど、無我夢中で飛び降りている僕には何を言っているのか、わからなかった。


 そして-


 ダァァァァァンッッッ!!


 着地した同時に、けたたましい音が響き渡った。


 着地の衝撃が激しかったためか、アスファルトにはヒビが走っている。


 …が不思議なことに、これほどの状況下にも関わらず、足回りに痛みを感じなかった。


 さすがに少し(しび)れたような感覚はするけれど、本当にあの高さから飛び降りたのか? 

と疑いたくなるような状態なのだ。


哲『ほら、言った通り大丈夫だろ?』


流星仮面「…うん、痛くない…!」


哲『さぁ、気を取り直して戦闘開始だ!』


流星仮面「わかった!」


 これが自信につながったようで、僕の士気は一気に上がった。


 今だ唖然として驚きを隠せていないシューティングスターの隣に立ち、身構えた。


Sスター「…き、君…何ともないの?」


 高所から落下したにも関わらず平然としている僕を見て、シューティングスターは尚驚いているようだ。


流星仮面「心配ご無用! 

     この流星仮面、あの程度の高さなど屁でもない!」


Sスター「さ…さようですか…」


 …あれ?


 いつもなら舞華の顔を見たら緊張して何も言えない僕なのに、何か普通に話しができているぞ?


 しかも、より綺麗さを増したシューティングスターの顔でも、だ。


 …もしかして、仮面のせい?


 仮面があるから、素顔を見られていないから、それで緊張がこみ上げてこないのかな?


 …もしそうだとするならば、僕にとっては好都合だ。


 これでまたいつものようにドモッてしまっては、せっかくのヒーローが台無しになってしまう。


 でもその心配も無い。


 今の僕は正義のヒーローであり、流星仮面だ!


 堂々とヒーローらしく、シューティングスターと接しよう!


流星仮面「シューティングスター、もう大丈夫だ。

     この流星仮面が来たからには、大船に乗ったつもりでいてくれたまえ!」


Sスター「………はい?」


流星仮面「………いや、だから僕が来たからには…」


 せっかくカッコ良くセリフを決めたのに、僕が言った事を今一つ理解していないらしく、シューティングスターが怪訝(けげん)な眼つきで見てきた。


Sスター「私と一緒に戦う、てわけ?

     悪いけど必要無いわ」


流星仮面「…えっ」


Sスター「これは私に課せられた戦いであり使命なの。

     見ず知らずの、しかも変な格好をした人の助けなんていらないわ」


 と、真っ向から拒絶されてしまった。


Sスター「それにこれは遊びじゃないの。

     ヒーローごっこがしたいのなら、他でしてくれる?」


 …ぐ…ぐぬぬ…!


 いくら正体が舞華でも、その言葉には納得できない!!


流星仮面「僕は大真面目さ!

     だからこうやってわざわざ出向いてやったんだからな!」


 ズイッとシューティングスターの前に出て、僕は自信たっぷりに言ってやった。


 ここは強気な姿勢で行こう!


 さっきオジサンが言ったみたいに、結果さえ残せればこっちのもんさ!


Sスター「ちょっと…! 邪魔しないでって!!」


Fボール「………ボス、どうします?」


ボス「…いや、どうする…て」


リッパー「倒すなら、今しかないと思いますよ?」


ボス「そうなのだろうが…。

   これはこれで見ていて面白い。

   …ふふふ、あのシューティングスターが、

   素性もわからぬ自称正義の味方に翻弄(ほんろう)されているぞ」


Sスター「だから引っ込んでなさいよ!」


流星仮面「い~や、せっかくの初陣!

     華々しく決めさせてくれ!」


 取っ組み合いになるかと思うくらい、僕とシューティングスターは互いに譲らぬ一歩を踏んでいる。


Sスター「もう! しつこい!!」


 (らち)があかないと思ったのか、シューティングスターはあろうことか、僕に向けて光の矢を放ってきた。


 ボォォンン!!


流星仮面「うげっ!?」


 至近距離でまともに喰らってしまい、僕の体は見事に吹き飛んだ。


Sスター「そこで大人しくしていなさい!」


 念を押すように言ったシューティングスターは、そのまま怪盗団の群れ目掛けて駆けて行った。


流星仮面「ひどいよ~………な、何もここまでしなくても…」


哲『隆政、大丈夫か?』


流星仮面「け、結構痛かった…」


哲『シューティングスターのあの矢の原理はわからんが、

  頑丈なスーツでさえ物ともしないみたいだな』


流星仮面「それは僕がよくわかっているよ…いてて…」


 まだ痛む胸をさすりながら、僕はやっとの思いで立ち上がった。


 目の前では再び激戦が繰り広げられていて、あろうことか怪盗団でさえも僕など眼中にない様子だ。


流星仮面「せっかくの初陣(ういじん)なのに…このままじゃ…!」


哲『隆政、落ち着け!』


流星仮面「こうなりゃ、出たとこ勝負だ!」


 全身に力を込めるようイメージし、思いっきり(りき)んだ。


 ウィン…


 すると、バイザーの画面上にシステムの作動を知らせるマークが表示され-


 バフッ!!


流星仮面「うわっ!?」


 全身に組み込まれている人工筋肉が一気に肥大化し、僕の体はネイティブダンサーのような、がっしりとした体格へと変貌した。


哲『あ…あ~もう…!

  隆政、いいか!?

  人工筋肉を稼働させた状態、

  通称【マッスルモード】はさっきも言ったように、

  通常稼動であれば最大3分だ!

  3分を過ぎれば強制冷却でカバーが開く!

  それまでに決着をつけろ!』


流星仮面「わかった!」


哲『じゃあまず-』


 オジサンが続きを言うよりも先に、僕はすぐさま走りだした。


哲『お、おい!?』


流星仮面「な、なんだこれ!?」


 驚いたのは僕も同じだった…いや、驚いたの意味は違うけれど。


 いつも通り走っているのにも関わらず、そのスピードは明らかに倍だったのだ。


 しかも足の動きも非常にスムーズで軽やか、だけど力強い一歩を踏んでいく。


流星仮面「これが…人工筋肉の力か…!」


 ただパワーが上がるだけじゃなく、こうやってスピードまでも強化されるのか!


 なら、このまま一気に…!!


哲『隆政!

  そのままじゃ-』


流星仮面「ははは!! 流星仮面!! ただいま参じ-

     どわぁぁぁぁぁぁ!?」


 再び颯爽(さっそう)と登場するため手前で止まろうとしたのだが、あまりの速さに停止位置を大幅に間違えただけでなく、無理矢理止まった瞬間に僕は盛大にずっこけ、そして吹っ飛んだ。


 そのままガシャン!と、どこかの店の中に突っ込んでしまったところで、ようやく静止することができた。


Fボール「…なんだ…今の…」


リッパー「どうやらスーツの調整…いや、

     コントロールがまだ上手くできていないみたいですね…」


ボス「奴は、一体何がしたいのだ?」


Sスター「………」


 息も絶え絶えに店内から這いずり出た僕に対し、皆は冷ややかな眼つきでこちらを見ていた。


哲『………隆政、さすがにそれは、ドジだ』


 ついにオジサンもフォローのしようがないと踏んだようである。


 さすがに僕も、いい加減カッコ悪いと思ってきてしまった。


 カウンターを確認すると、残り稼働時間がすでに2分を切っている…。


 これ以上みっともない姿をさらす前に、できるだけ結果だけは残さなければ!


 軽く全身の砂埃(すなぼこり)を払ってから外へと出ると、さも何事もなかったかのように笑ってみせた。


流星仮面「ふふふ…なんのこれしき」


Fボール「これしき、って…どう見ても自滅しただけじゃん」


 う、痛いとこついてくるなー、はいその通りです。


流星仮面「これも計算のうち。

     すぐにお前達怪盗団など一瞬の内に蹴散らしてみせよう」


 いや、全然計算なんかしていないけど!


 行き当たりばったりですけど!


 でもそうでも言わないと、連中に舐められっぱなしだ。


 あくまで強気に…そう、強気な姿勢でいくんだ!


ボス「…ほぉ、随分でかい口を叩くな、流星仮面とやら。

   だが、それだけの筋肉を持っているのにも関わらず、何もでき-

   ん…?

   ん~~~!?」


 そこでやっと気づいたのか、ボスは僕の体を見て目を丸くした。


ボス「あ、あの男…さっきまで、あんなに体つき良かったか!?」


Fボール「い、いえ…さっきまで遠目だったし、

     よく見てませんでしたが、あれほどでは…」


 …お、お~…!


 驚いている驚いてる!


 初めに見た姿よりも明らかな変貌ぶりをしている事に、連中は物凄く驚いている様子だ。


リッパー「もしかしたら、人工筋肉では?」


ボス「人工筋肉だと!?」


リッパー「まだ研究されている分野の代物です。

     そんなものを全身に身にまとっているとすると…奴は…」


ボス「…なるほど…となると、その正体はかなりの大物、

   背後には巨大組織か何かがついている…ということか!?」


 いや僕自身、大した者じゃありませんけど!


 しかもこのスーツも大企業から拝借したものを、専門知識を持ったオジサンの手で作って貰ったものですけど!


 だけどこれのおかげで僕がただのヒーローでは無いという事を、怪盗団は理解したはずである。


 なら、このまま一気に!


流星仮面「さー怪盗団! 観念しろ!!」


 渾身の一撃を放つため地面を蹴り、飛びかかろうとし-


流星仮面「げげっ!?」


 ついつい調子に乗った結果、僕の体は高々と飛び上がった。


 あ、なるほど!脚部にも人工筋肉が備わってるから、ジャンプ力も格段に向上して-


 …て、|呑気《のんきに分析してる場合じゃ!!


 突然の事でコントロールなどできるわけもなく、宙を飛んでいく僕の体はそのまま-


ボス「うわっ!? こ、こっち来るな!?」


流星仮面「うわぁぁぁ~!?」


ドスンッ!!


 ボスに向かって見事にブチ落ちた。


 落下時の反動で軽く浮き上がり、少し離れたところへ再落下。


 人工筋肉がクッションになってくれたおかげで全身を強打したにも関わらず、少し痛みが走るくらいだった。


Fボール「ボ、ボス!?」


リッパー「しっかりしてください!」


ボス「ぐ…ぐぬぬ…おのれ流星仮面~…!!」


 体を起こすと、丁度ボスが仲間に支えられて立ち上がるところだった。


ボス「奴はまだまだ未知数なところが多いと見た…!

   今日はこれにて退散するとしよう…!」


Sスター「そうはいかないわ!」


 が、間髪入れずにシューティングスターが弓を構えながら、怪盗団目掛けて走って行った。


ボス「必殺!煙玉!!」


 再びあのセリフを叫ぶと、支えていたファイヤーボールさんが手りゅう弾を投げた。


 ボン!と、あの時のような白い煙が吹き出し、周囲を覆った。


Sスター「その手には…!」


 それでも尚、シューティングスターは逃がさないとばかりに光の矢を、怪盗団がいると思われる方向へと放った。


 …が、矢が風を切る音だけが響いただけで、誰かの叫び声が上がることはなかった。


 丁度その時、同時にカウンター表示がゼロに達してアラートサインが点滅した。


 それを合図に人工筋肉が収縮していき、全身の排熱カバーが一斉に開いて排熱が始まった。





流星仮面「ケガはないか? シューティングスター」


 煙が晴れてきたところで、僕はシューティングスターの傍に近づいた。


 見た所、なんとも無さそうだけど…。


 …が、呼びかけに反応したシューティングスターの顔は、滅茶苦茶怒っているようだった。


Sスター「…あんたねぇ…」


流星仮面「…は…はい、何でしょう?」


 …いや、これは明らかに激昂している。


 次に来るであろう罵声を予想し、僕は思わず身構えてしまう。


Sスター「何でしょう、じゃないでしょ!?

     何よ、さっきから私の邪魔ばっかりして!!

     おかげでまた逃げられちゃったじゃない!?」


 え、やっぱり僕のせいになっちゃう!?


 確かにドジばっかり踏んだし、終始みっともなかったかもしれないけど、結果的にボスをやっつけることはできたと思う。


 それに最後の煙玉の使用も予想はしてなかったわけでは無いけれど、あれを出されちゃどうしようもない気がする。


流星仮面「け、けど-」


Sスター「けど、何!?」


 うわ…いつもの舞華からは想像できないほど、物凄い剣幕だ。


 これではどう考えても僕の方が悪いわけで、ここまで言われてしまっては弁解のしようがない。


流星仮面「ご…ごめんなさい…」


 そう、素直に謝るしか他なかった。


 はたから見たら、どれだけみっともない姿だろうか。


 ドジばっかり踏んで、迷惑ばかりかけて、それで頭を下げて謝るヒーローだなんて…。


Sスター「え…!?

     あ、いや…その…。

     …ごめん…私もちょっと、言い過ぎた…」


 ところが素直に謝った結果、その行動があまりにも意外だったらしくシューティングスターはビックリして、目線を反らしつつも申し訳無さそうに言ってきた。


Sスター「…でも君には悪いけど、怪盗団を倒すのは私よ。

     さっきも言ったようにそれが私の使命なの。

     だから助けなんかいらないし、仲間も必要無い。

     もし正義のヒーローごっこを続けたいのなら、他でやってちょうだい。

     …それじゃ」


 最後に言いたい事だけ言ったシューティングスターは、弓を翼に変えるとそのままどこかへと飛んで行ってしまった。


流星仮面「あ…待っ-

     ………」


 僕が声をかけた時には、その姿はもう見えなくなってしまっていた。


哲『隆政、何してる!

  警察がそっちに向かってるぞ!

  早く撤退するんだ!』


流星仮面「わ、わかった!!」


 無線越しに聞こえるオジサンの声で我に返る。


 うん、警察は宜しくない。


 このまま僕だけ警察のお世話になるのは、いくらなんでもダサすぎる。


 ひとまず近くの路地裏へと駆けこみ、迂回しつつオジサンのバンへと戻った。

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