背景、臆病な君へ
自分の書いたものを人に見てもらえる機会って、なかなかないと思うんですよね。
初投稿ですが、頑張ります。
誤字脱字があると思いますが、暖かい目で見てやってください。よろしくお願いします。
人と人は分かり合えるのだろうか?
ふと、そんな疑問が脳裏をよぎった。
答えなど解りきっているのに、認めたくなくて、肯定したくなくて、ついつい解っていないふりをしてしまう。
知らぬ存ぜぬと己に言い聞かせる事でしか、目を背ける事でしか、自分の意思を表明できない。
誰にも何も伝わらないのに、そんなくだらない事ばかりをついつい考えてしまう。ほんと、クソガキみてぇだな。
ふざけんなよと、ため息と苛立ちの混ざった
悪態を吐く。
ほんの小さなその蟠りは、誰にも気付かれることなく、聞かれることもなく、ふわりとどこかへ消えてしまう。
それも当然の事だった。
今俺がいるのは、とうの昔に廃れてしまった元校舎、もとい元学校、の、屋上だ。しかも夜の9時。寒いね。いや帰れよ。帰らねぇんだよなぁ……。
別に、家出をしたとか、家にいたくないとか、そんなのじゃない。
純粋に景色を見たくなったのだ。廃校になってしまったとはいえ元々は学校だ。たくさんの生徒を迎えていた分、そりゃあデカいし高い。屋上までくれば尚更高い。怖ぇなぁ……。
じゃあなんで来たんだよ、と誰もが思うだろう。
はっはっは! 暇なんだよ。
いや、マジで暇。暇すぎてひまじんになってる。ちなみになんだが、今のひまじんは暇神と暇人を掛けてるんだぜ? ……うん、クソだせぇな。あと面白くない。
だが、逆に言えばそれしか暇を潰す方法がないくらいには暇だった。
あ、それと、最初の問の答えだが、人と人は分かり合えない。なんでかは知らん。そのうち解るだろ。知らんけど。
ただ黙々と座り込んで星を見る。否、診る。あの星は……手遅れかな! めっちゃ光ってる、いやテカってるカナ! 俺が好きなのは西〇カナ! いえ、全くの嘘です。冗談です。殺さないでください。
などと心中でふざけてみても、クックック……と乾いた苦笑いしか込み上げてこない。
どうしたものか……と考えていると、後方の扉がギィと小気味の悪い悲鳴を上げる。
首だけを後方へ向ける。
そこには、髪を両後ろで2つに括った、俺の幼馴染の紗友希が扉からひょっこりはん。
なによあいつほんとありえないほんっともう、とうんたらかんたらぶつくさ文句を言いながら、紗友希は俺を探してうろうろしている。え? もう目の前だよ? 気づいてないの? 目と頭でも悪いの?
いまだにぶつくさ文句を垂れながら俺を探す紗友希を見て、少しイラッとしてしまった。だから、目の前だっつの。
だが、少し考えれば不思議ではないのかもしれない。
日は完全に落ち、風は吹き、ましてやここは屋上。街灯も街の灯りも、ここには届かない。
だから、俺は親切に居場所を教えてやることにした。
「パンツ見えてんぞ」
きゃっ!と可愛らしい悲鳴をあげながら、幼馴染の紗友希はすってんころりん、びっくりぎょうてん。まるで何かのネタかと思ってしまった。
「い、いたなら最初から声かけてよ! ていうかパンツ見んなし!」
暗さのせいで表情はわからないが、声色は潤んでいた。
「あー、すまん、すぐにわかると思ったんだけどな。パンツは知らん、こんな所にスカート履いてくるバカの方が悪い」
まぁ、実際はパンツ見えてないんですけどね。
しかし、紗友希本人にそれが伝わる訳もなく、ぐぬぬと唸りをあげている。
「……が、柄、とか……見えた?」
……うーん。よし、ここはひとつ。
俺はグッと拳を握り、ピンと親指を立たせる。
そして、俺ができる限りの全力の笑顔で、最高の褒め言葉で。
「今日はクマさんじゃなくて苺なんだな、可愛いと思うぞ!」
瞬間、ツインテールが揺れた。いや、ブレた。
ゴフゥッ、という奇声を発した時には、時すでに回転寿司。頭の中までピヨピヨがクルクルしていた。
「なんで、当たってんだよ……。苺パンツ持ってんのかよ……」
「フッ!!」
「ひぃ!やめtゴフッ!!」
状態、意識不明。
原因、腹部への強い衝撃。
感想。
考える余裕が、ありません……。
この後めちゃくちゃ土下座した。
普段は何気なしに読んでいる本、気軽に追っている文字列、書く側に回った時、その全てが大変でした。
作家先生の方々、あなた達はとても凄いのだと再認識出来ました。これからスタートですが、少しずつでも頑張っていこうと思います。