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団欒
時計の針をみると18時を回っていた。レナも目を覚まし、しっかりと充電できたようで、翔とトランプをしている。
お正月らしくおせち料理が振舞われた。香澄もレナと同じで料理が得意らしく、どれも美味しい。レナ自身も量は少ないものの、それぞれの料理を堪能していた。父親からはお酒を勧められたが、万一の時に備えてそれは控えた。
楽しい時間はあっという間だった。翔も疲れたのか、お風呂にも入らず眠ってしまったようだ。香澄も食事の片付けを行い、また父親はまだお酒が足りないのか日本酒をおちょこで飲んでいた。
俺は窓の外を見た。幸いにも雪は止んでいた。今日を外泊許可に設定したのには狙いがあった。レナの願い事のひとつである満点の星空をみることだ。
1月3日はしぶんぎ座流星群がやってくる。このチャンスを俺は狙っていた。もちろん流星群のことはレナに秘密にしていた。ただこの寒さとレナの体力を考えるとこの時間に外に出ることに不安を覚えてしまった。