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生きて生きる  作者: ファンセバスチャンなおき
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ドライブ

1月3日外泊許可当日、担当医堤から諸注意と緊急時の対応方法を細かく説明された。おかげさまでレナの容態も安定している。レナが横になれるように大きなワゴン車をレンタカーで借りた。

堤から「私のプライベート携帯は教えられませんが、何かありましたら遠慮なく病院に電話してくださいね」と言われ、見送られた。別に堤のプライベート携帯は知りたくはないのだが、今回の外泊について、堤にも恩があるため感謝を伝えた。

レナを車に乗せ、ベッドのように寝てもらった。

「本当だったら、助手席に座るのが本来のカップルなんだろうけど。ごめんね」

「<ごめんなさい>は無しの約束です。とりあえず寝てて。一応さ、デートだからCD一杯持ってきた。何か聴きたいのある?」

「スピッツ!」明るい声でレナは返ってきた。学生時代同じ軽音サークルでレナ、純子、俺ともう1人でコピーバンドをしていた。純子は方向性の違いということで、程なくビジュアル系バンドへ走ってしまったが、学園祭ではよくスピッツをコピーしていた。

スピッツの軽快な音楽が流れる。

「スピッツってさ、音と言葉がすごいマッチしてるから好きなんだよね。特に<春の歌>寒くなると凄く聴きたくなる。ねぇ、歩、春になったら四ツ谷に行かない?」

「うん、行こう。もう一度あの桜並木を歩こうか?」

「うん、そうしよう。あともう一回だけバンド組んでやってみない?」

「まずは純子の説得からだな。アイツ、学生時代の最後の方は赤いスーツ、金髪。星型のエレキギターになってたし、シャウト系だったよ」

「ちょっと不安ね」

お互い笑い合った。長野に着くまでの時間はあっという間だった。

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