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生きて生きる  作者: ファンセバスチャンなおき
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家族①

もうすぐ2018年が終わろうとしていた。年に2回は実家に帰ることにしている。お盆と年末年始。実家に帰っても特にする事もないのだが、父親、母親に顔を出すこと、そして兄貴と兄貴の家族に会うことぐらいは義務だろうと思い、毎年のルーティンにしていた。ただ今年はレナの事もあるからこの場を離れなくなかったが、レナから「1日くらいなら死なないで待っててあげるから、行っておいで」と言われた事もあり、30日だけ実家に帰ることにした。

俺の実家は東京と千葉の県境にある小岩だ。年末になると飲み屋街ということあり、千鳥足で歩く人、大声で叫ぶ人、喧嘩をして警察にお世話になっている人など、いつになっても街の風景は変わらない。

帰る当日、事前に母親に電話しておいたが、父親に伝えていなかったのだろう、びっくりしていた。

「いつもより1日早いじゃないか。銀行はどうした?」至極当たり前の質問だが、理由をどこまで話すか考えた。

「今日は休みをもらった。というか銀行辞めようと思ってる」恐る恐る父親に伝えた。子供の頃からこういうパターンは怒鳴り散らされる可能性が高い。今回もそうなるだろうと思っていたが、案の定父親は吠えた。

「なんでそんな大切な事を親ににも相談せず決めるんだ。なぜだ?」どこまで正直に話すべきか悩んだ。子供の頃から一応親の言う事は聞いてきたつもりだ。特に反抗期もなく、世間一般では扱いやすい子供に分類されるだろう。銀行へ就職したのも、元々銀行マンだった父親の勧めで決めた。父親からしたら、子供が銀行を辞めると言い出したことに反応せざるをえなかったのだろう。

ただ今日は話さなくてはいけないと思っていた。



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