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生きて生きる  作者: ファンセバスチャンなおき
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蘇生

レナが入院して10日が経った。このところずっと思い出話をしている。交際していた5年間の間に2度旅行に行ったことがある。箱根とバリ島。まったく関連性はないが、レナが行きたかったようだ。

「箱根に行った日のこと、覚えてる?俺が免許取り立てて、ビビりながら運転しててさ、会話なんてままならなかった。大涌谷の温泉卵食べるためにさ、命削らせちゃったよな。あれ食べると長寿になれるって噂なのに、逆に寿命縮めちゃうような危険運転だった。今はだいぶ落ち着いて運転できるようになったよ」

レナの右手人差し指が微かに動いた気がした。

「レナ?」レナの右手を握ってみる。少しだけ握り返したように感じた。

ナースコールボタンを押し、医師を呼んだ。

微かではあるが、医師の問いかけに身体が少しずつ反応している。

俺は涙が止まらない。ずっとレナの右手を握っていた。少しずつだが、レナの握力を感じてきた。

「レナ、おはよう」絞り出すように情けないくらい細いかすれ声でレナに話しかけた。少しだけ、ほんの少しだけだが、レナは首を縦に振った。

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