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母親の死②
「んー、どこから話そうかしらね。きっと歩さんがレナにとって凄く大きくて大切な人だからすべて話すわね。
レナが高校1年生の時。実はクラスで凄く虐められてたの。よくあるといえばよくあるんだろうけど、レナってあんまり人に合わせたりしないし、特に誰かと仲良くしようとしたりもしないじゃない?思春期の子たちによくあるターゲット的な虐めだったみたい。ノートに落書きされたり、靴を隠されたり。初めはそんなことから始まったんだけど、高校一年生でまだ学校に馴染めていなかったこともあって、不登校引きこもりになっちゃったの。」
そんな話聞いた事なかった。たしかにレナは自分の昔話をほとんどしなかった。俺が聞かなかっただけなのかもしれないが意図的に避けていたのかもしれない。
レナの姉は続けた。
「それでね、8月31日、次の日から夏休みが終わる前日にレナの言うお母さんを殺したっていうことが起きたの。」