ノッカーという魔族の目的は
飛び出して辺りを見回すと少し離れた場所に彼らは居た
俺が目にしたのは膝を折り、肩から血を流す姫さんだ!
俺は急いで駆け寄ると
「大丈夫か!?」
「え・・はい、油断しました。あの魔族、攻撃魔法を無効化する何かを持っている様で魔法が使えません」
なんだと?無効化だって!?そんな事可能なんだろうか?
魔族に対して今は爺が1人槍で応戦しているがあまりいいと言える状態ではない
何故ならオオカミみたいな魔物を4匹同時に相手をしているからだ
その奥にニヤニヤしながら笑っている一人の男
変わった感じは見受けられないがあれが魔族なのだろうか?
「くっ!卑怯なり!キサマ出てきて相手をせいっ!」
爺が吠える
そしてその男は叫ぶ
「はぁ?ばっかじゃねーの。それよりあのババアを出せよ!爺殺しちまうぞぉ!」
爺はなんとか4匹の攻撃を凌いでいる
それだけでも凄い腕前なのだと俺は思った
だって俺にはできねーもん
「この獣どもがじゃまじゃあ!!」
オオカミ達の周りに一瞬キラリと起動式が見えた
キューブの魔法か?
「ファイアストームッ!!」
ゴウッと音を立てて炎の竜巻がオオカミの一匹を襲う
すると爺はチャンスとばかりにもう一匹を屠る
「チッ!Aランク魔法か!」
魔族が言った
「大丈夫かアンタら!!!」
来たのはギルドの・・誰だったっけ?筋肉もりもりの偉い人だ!
ああ、あのマジックキューブか!
どうやら連射はできないみたいだか
オオカミ1匹はまるこげになって倒れた
魔族の男がそう言って何やら良くわからない魔法を唱えるとオオカミの周りに青い膜のようなものがキラリと光った
魔法防御の類か?
「姫様、こやつらAランク以上の魔法であれば届くやもしれませぬ!」
なるほど、魔法無効化の上をいけるのか
俺はどの魔法がどのランクなのか分からないけどね
「はい!爺!かわしてください!!全力で撃ちます!!アイスランス!!トリプル!」
三本の氷の槍が回転しながらオオカミと魔族へ向かう!
危ない!ぐらりと姫さんが揺れる
姫さんは魔法発動後にガクリと力が抜けるたので後ろから抱きかかえる
ドスドスドス!
見事にオオカミ二匹に命中して倒す
魔族はギリギリで躱した様だが、腕から血が流れている
掠っただけのようだが
「今の…クソ女あ!!」
魔族が激昂して俺の抱き抱える姫さん目掛けてナイフを投げつけてきた!
速い!!
躱せない!!
俺は姫さんの盾になるよう体を入れ替える!
だがナイフは俺の指輪のシールドによりピタリと止まり、真下に落ちた
「お、おお。シールドすげえな」
そう言えば今朝もあの魔法を完全に防いでいたし
耐久性はかなりのものがある
しかしどこまで防いでくれるのか不明な為に毎回ビクビクしちゃうわけだが
「ご主人様ぁ~!」
今頃アイが駆け寄ってくる
そしてニコニコしながら
「この方はアイに任せて行ってください!あの武器があれば大丈夫ですから!」
「えー・・・・」
「嫌そうな顔しないでくださいよ」
「嫌そうじゃなくて嫌なの!だって怖いじゃんか」
「大丈夫です、Lvも上がってますしどうにでもなりますって」
そう言ってアイは姫さんを俺から奪い取る
そしてキラキラした瞳を俺に向けてくる
あーやだなあ、怖いなあ
でもLv上げていかないとこの世界で生きていけないんだろうしなあ
そして嫌々ながら銃を取り出す
さすがに近接戦闘は無理だと判断しての銃だったのだが
しまった!カートリッジが空だった!
土を詰めようとしゃがんだその時だった
「どけよ人間!」
ドンッ!
体に衝撃がはしる
シールドが発動しなかったのか?
魔族の男の蹴り一発で俺は吹っ飛ぶ
「っぐ!!」
力を入れて体を回してなんとか体勢を立て直してこけずに立てたが、かなり飛ばされたぞ
「いってぇなぁ・・・」
蹴られた横腹がじんじんと痛む
ちょっとヤル気がでてきたぞこの野郎!
その瞬間・・ドゴンッ!
爆音とともに魔族の男が吹っ飛んだ
「え?あれ?ノルンさん?」
ノルンさんの蹴り1発で魔族が…こっちに向って飛んでくる!?
俺は慌てて、今朝練習したことも忘れて蹴りを放つ
しかしながら、力が篭ってなかったせいで
ブバンッ
ブサイクな音が鳴る
ドゴッ!
だがうまい具合に魔族の顔面を捉えた蹴りで、再び魔族は元いた場所へと吹き飛んだ
「が…がは…クソが!」
よろよろと立ち上がる魔族にノルンさんがゆっくりと近づいていき
「アンタも懲りないね。何の用だい?」
ノルンさん、魔族の頭を掴んで持ち上げてますが
あなたの細腕はどれほどのパワーがあるのでしょうか?
「お、お前は俺のモン」
バチン!
ノルンさんのビンタです。あ、歯が飛んでます。
「お前を俺の嫁に」
バチンバチンバチン!
「その話は断ったはずだろう?」
先程までかなり威勢の良かったハズの魔族がピクピクしてますな
てか、嫁?あれ何これ?
「ノルンはお前などにやらんと何度言ったら分かるんだ」
ギルドのえらい人が言った
「お前さんのモンでもないよ私は」
「あ、すみません」
弱いな!その筋肉は飾りかよ!
さっきも魔法1発で打ち止めだったし!
「くそ…俺は諦めねえぞ!ババア!てめーを俺のモノにする迄はーぐへえっ!!」
あ。地面に叩きつけられた
「誰がお前さんのモノになんてなるかね。もっとレディーの扱いってもんを勉強してきな!」
えええ…何これ
さっきまでの殺し合いみたいな雰囲気から一転
これただの告白みたいな
ただし断わられるどころかフルボッコだけど
まあ、何とかなって良かったが
ノルンさんマジで何者?
これで終いだと思っていたら
魔族が指をパチンと鳴らした
「まさか…」
「くへへ、ババア!てめーの弱点なんてもう分かってんだよ!」
「グガアアアア…」
地面から巨大な牛が現れる
二本のデカい角が凶悪そうなやつだ
「コイツ!なんてもんを呼びやがった!」
誰かがそう叫んだ瞬間ー
牛が暴れ始めた
そしてノルンさんは気を失って倒れてしまった
「これで終わりだ!ババア!」
意識の無くなったノルンさんを抱き抱えてギルドのえらい人が退避する
「ゆっくりと追い詰めてやんよ…」
両頬を真っ赤に腫らして鼻血をどばどば流す魔族がそう言って立ちがあった
ブクマありがとうございます
え?仕事中じゃないのかって?
気にしたら負けだ!




