表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/40

囚われの冒険者

[一花と姫奈]




「それにしても、あヤツら遅すぎるわ」


「あ、今の爺によく似てる」


「そりゃ私だもの」


一花と姫奈は一緒に旅をしていた仲間の冒険者3人を探して遺跡に足を踏み入れていた


ここまでは手に入れた車で移動して来た

馬車ならばひと月はかかる工程を5日で到着してそこからは徒歩で森の中へと入った

そして今は遺跡を捜索している


「さすがに予定をひと月も過ぎているとはね」


「まあ、色々ショックな事がありましたから」


「私を見ないでもらおうか?」


そう、色々あったのだ

魔族の撃退、ドラゴンとの戦闘、調味料の確保からその植物の育成まで


一番驚いたのは(ひとつ)のじいさんが、一花に、若い女の子になっていた事なのだが


「健司さんとアイさん凄いですよね、いくつも同時に仕事してましたし」


「アイはAIだし、健司は元々ああゆう奴だったからな」


例え数千年前の事でも、一花にその思い出は昨日の事のようにその胸にある





遺跡はさすがに樹海に呑まれており、微かに積まれた石垣などはそこに存在したら証である


よく見れば街があったであろう場所は、今は人はおらず、ただ植物の楽園



「このあたり、ですかね?かなり空気は濃いですが」


「そうだ、ここには千楽と言う街があったのさ」


「知ってるんですか?」



「ああ、もちろんだよ。千年ほど前の街だからそこまでは古くないさ。だけどキューブも幾つかはあったはずだからね、結界と癒しがあるかはわからないけど」


遠い目をして想いを馳せる一花


恐らくはココに住んでいたのかもしれない

そう姫奈は思った


「さて、あヤツらを探そう。案外サトシなんかはすぐ見つかりそうだが?」


そう言うと辺りを見回す

一花は間合いを広げて探知する

半径一キロメートル

それが一花の、今の間合いだ




サトシとは隠密の一人だ

常に姿を隠しているのだが、それが見つかりそうとはどういうことなんだろう?


「いたな、この先だ」


一花は真っ直ぐ歩き始める

姫奈はそれに必死について行く


「それにしても、ケンジさん凄いですよね」


「なんだ、惚れたか?だがアイツはやめておけよ、ライバルは多いぞ」


そう言って一花はクスリと笑う


「そ、そうじゃありません!キューブもそうですけど、街の発展とか…本当にすごいです」


アレが健司だよ、と一花は思う

正直健司がいなかった間の事はもうあまり覚えていない

この街の事だっておぼろげだ


でも、健司と一緒にいた間の事は全部まだ覚えている


それだけで……記憶を胸にこの悠久を生きてきたのだ



「さて、サトシ!居るんだろ?でておいで!」



辺りの木々が、ざあっと揺れる

すると、目の前がゆらりと湯気の様に揺れて


「何者だ…ぬ!…姫奈様!?」


「相変わらずだるい喋り方だね…まったく、(ひとつ)も余計な事言って育てたものだよ」


「お主、(ひとつ)様の事を!はっ!姫奈様は居られるのに一様が居られん!どういう事だ!?まさか、敵に殺られてしまったのか!?」


こんな反応は想定内である

何故なら(ひとつ)は常に姫奈の横に居たのだから


姫那はやはりと言った面持ちで


かくかくしかじかー


サトシに説明する



「なるほどでござるな…理解したでござる」


「で、後の2人はどこに居るんだい?」


「それであるが、この先の洞穴に身を寄せているでござるよ」



シンイチとマサミの2人は、どうやらこの森を探索中に戦ったモンスターから毒を受けて寝込んでいたらしい


一時は命の危険もあったという


「よく無事で…良かった」


姫奈は心から安堵する


「しかし情けない奴らだ。たかが毒で、とも言えんな…コイツはバジリスクか」


「手強い相手でござった…2人が動けなくなり、看病していたのでござる…申し訳ごさらん」



少しだけ奥に進むと

洞穴はあった


さらに洞穴のそばに巨大なトカゲの死骸…


かなりの強さをもつトカゲだ


シンイチは剣士で、(ひとつ)の養子

サトシは弟子で、マサミも弟子だ


若い時はかなりの使い手だった(ひとつ)は、合計3人の弟子を育てたのだ


「まあじいさんが、お姉様に、変わるだけだ。きにするな」


一花はそう言うと笑ったが、等の弟子達は


「は?ん?」


「え?女?」


この有様である


また再び姫奈の


かくかくしかじかーである




2人共に無事ではある

現在は会話が出来るまでに回復はしたが、まだ全身に痺れは残っていて帰れそうにない状況であった


森にはモンスターも多いため、3人が乗ってきた車を置いた場所までも歩くのは危険と判断し、療養に努めていたらしい



「お主らも、毒程度なんとかせんか。まあ、私がなんとかしてやるが…動くなよ」


一花はそう言うと、剣を握る仕草をして2人に向き合う


「一体何を…」


シンイチがそう言いかけて、目を見張る


何も持って居ないはずの一花の手に


「刀が、見える」


マサミがそう言うやいなや


「はぁ…秘剣、毒切り」


綺麗な一刀両断ー


受けた方はあまりの速度に目をつぶるのもわすれて一花の輝く剣線を見る。


幻の剣で切られた2人は一瞬呆気にとられるが



「ほら、もう歩けよう?毒は全て切り裂いたからな」


「え?一花さんそれはどう言う」


姫奈の問い掛けに答えるように、シンイチとマサミは立ち上がって己の体の動きを確かめていた



一花は切ったのだ


2人の毒を


一体どうすればそんなことが可能になるのかまったく理解できないが、切れるのだから仕方ないと一花は相手にしてくれなかった



3人は一花のその背にかつての師匠を見た


鬼と呼ばれた、(ひとつ)の、背中を。



ひとまず街に帰ろうと支度をする


3人がこの遺跡で見つけたキューブは1つだけだった


水のキューブだ


水のキューブは大変重宝する

魔力さえあれば、何時でも水が手に入るのだから旅をしていれば必需品であるからだ

それ故に高価な物だ


探している結界と癒しのキューブには当然劣るが、その次くらいには貴重な物だ


今までは姫奈の魔法で用意していたが、これからは姫奈に頼らなくても水が用意できると3人は喜んだのだ



だがそれを護るかのように居たバジリスクに毒を貰ってしまったのだった




「さて、用意が出来たならシンジクに戻るぞ。街を出てからもう10日も経っているからな」


それ程に、この遺跡は森の奥にあった

だが、だからこそ未発見のキューブがあったのであるが



これより10日をかけ、シンジクの街に戻った一花を除く4人は


変わり果てた、シンジクの街に大層驚くのである



ボロボロです。合間に7000文字ほど適当なSS書いちゃう程には難産…さらにボロボロ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ