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考古学者のケイン

それにしても蝋燭ね…

幾らなんでも明かりを着ければ良いだろうに

その理由にアタリをつけながら、健司はケインに話しかけた


「なあ、なんで明かりをつけないんです?蝋燭なんて使って」


「お恥ずかしい話、ライトのキューブを無くしてしまいまして…仕方なくですよ」


無くした、ね


「生活用のキューブを売ってまでここを調べる権利を手に入れたのですか?」


ケインの顔が一瞬だが、強ばる


「え、ええまあ、灯りなどどうとでもなりますし」


「まあそうでしょう蝋燭で代用出来ますしね。で、何かめぼしい物はありましたか?」


「おお、聞いていただけますか?」


ケインは若干興奮気味に語り始める


「ここに多少残るプレート等に書いてある言葉…もちろん読めますよね?古代語などではないですから。多少、分からない文字もありますが。ですがここにあるものはおそらくは2000…いえ、3000年は昔の物でしょう!」


なるほど、古代語ね…1度世界が滅びかけた後しばらくは言語統制がとれてなく神々の言葉ーと呼ばれるものが共通言語になりかけたみたいだからな


「それがどうかしたのか?それになんでそんな古いものだとわかる?どう見てもそんなに古くないように思うが?」


アイと一花は分かってるくせに聞くなといった表情で俺を見てる


いいじゃないか、もったいつけて聞くのもいいだろ?

それにほら、ケインは楽しそうじゃないか


「これは考古学的に新発見なんですよ、地層的にも古いんです!なのに今の我々の言語と同じ、これは凄い発見なんですよ!」


「ご主人様、そろそろ回収していきませんか?」


アイが見かねて割り込んできた

まぁいいか、とりあえず必要な物を取りに行くにしても…ケインがいると更に騒ぎそうだしなあ


「え?「ご主人様」?申し訳ありませんケンジさんはひょっとして貴族とかそういう身分の・・・」


「いやいや、違う違う!おいアイ、ご主人様はやめてくれ勘違いされてしまうから」


「はい、分かりましたー兄さん?とかでいかがでしょうか」


兄さんて…まあいいか


「それにしても、ケインさんはどのくらいここにいるんだ?」


「もう3ヶ月になります。見つけたものは特にありません。既に盗掘された後のようで。ただいくつか残るプレートなどを調べておりました」




その後も、ケインの考古学論を色々と聞かされた


人類の歴史は3000年と言われているが、それより以前から人類が存在した証拠だとテンションがかなり高い


まあ、俺や一花はその頃からの生き残りだし、アイもそうだ。


だけどいきなり答えを言ってしまうと考古学も何も無いだろ?考古学はロマンだからな


しかも全財産投げ打ってまでここを調べているんだ…


俺はそう思い、夢を壊さぬようほかのプラントへ行こうかと思っていたその時だった



プシュ



「え?」



隠し扉をアイが開けていた

一花も一緒に



「やっとコレで調味料を手に入れられるな」


「私はキューブをあるだけ回収しておきます」


お前ら…なんて事を…


「あ、あの…」


「なんでしょう」


「あの2人は何故あんな所に扉があると?」


「そりゃ…本当にココは俺の持ち物だからだよ…」


「しかし、地層にもこの年代がですね」


「その頃から生きてるから仕方ないだろ」


すまないケイン…


君のロマン…解き明かす夢はもう…守れなかった




奥の部屋には俺が無事に起きた時、もしも食糧などが足りなくなった時に自給自足出来るように用意した物が色々としまい込んである


「なんて事だ…まだ発見されていない部屋があっただなんて。地形探知魔法で調べて貰っていたのに見落とした!?」


そんな魔法があるのか?


なるほど、地面を手当り次第に掘り返してキューブや車など過去の異物を見つけるとなると、時間がかかりすぎるし途方も無い作業になるだろう


その為に開発された魔法ーかな?


そして各部屋の明かりが一斉に点いた

大部分は破損しているのか、暗いままだが


「なんと!灯りが!?キューブは見当たらなかったのに!」


キューブはあの当時でも高価な物だからな

開発中に作れた副産物で明かりを灯している


「これは…壁その物が発光しているのか!?」


動力は電力だ

魔力ではないからな


アイと一花は手早く必要な物を鞄へ詰め込んでいく


他の部屋にも向かい、ありとあらゆるものを回収している様だ

それをオロオロと見ているケイン


「なあケインさん、あんたの事教えてくれないか?」


俺は何となく、暇つぶしのつもりで聞いたのだった




----------



「暇ですねぇファン」


「大丈夫、お留守番は慣れてる」


「あー、そうだよね。ファンはずっと遺跡にいたんだもんね」


姫奈とファンは車で留守番をしている

辺りにはゴツゴツとした岩山ばかりで、モンスターの気配もない

しかし念の為のお留守番なのである


「あーあ、まさか爺が…爺が…女の子だったなんて。しかもあんなにキレーな」


「姫奈、も、綺麗だと思う」


「ありがとファン。でも…健司さんにアイさんに一花さん、あの3人が居れば何でも出来ちゃいそうだよね」


「それは、無理、かも」


「そうかなぁ…来る途中の車の中で健司さんの雰囲気が変わったじゃない?あれから健司さんが急に強くなった気がするのよね」


「ファンも、それ感じた。だけど、ファンよりは弱い」


「そうなの?」


「アイ様に、蘇らせて貰った、けど、健司より一花が怖い」


「まあ、一花さんに簡単に斬られちゃったもんね」


「そう」


ドラゴンとファンの意識は混ざり合い、どうやら満足して消えようとしたファンよりもドラゴンの方が割合的には強いらしい


小一時間は経っただろうか、ようやく健司達は帰って来た


あの考古学者


ケイン・フォードナーを引き連れて




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