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六反田 健司と柳 一花の関係

六反田健司と、柳一花の関係は幼馴染だ


そして柳一花は健司を憎んでいる


憎んで憎んで…それ故に愛していた








小学6年の秋に、水上柚奈が転校してくるまで健司と一花は隣同士と言うこともあり仲が良かった

何をするのも何時も一緒で、健司は一花の祖父の教える剣術道場に通ってもいた


「大丈夫だよ!私強いから、健司くんは頑張らなくていいよ!」


幼い一花がそう言う程に、健司には剣術の才能は無かった


「うん、ごめん」


いつも泣きベソをかいていたー

そんな幼少期


だが、小学6年の時に転校してきた水上柚奈がそんな健司と一花の関係を壊したと一花は感じていた


二人の家から道をはさんで向かいに引っ越してきた


何時も一緒だった二人は、三人になる


水上柚奈の父は物理の研究者で、

健司は柚奈の父から色々と教えてもらうのが好きだったから、自然と一花の道場から足が遠のいていて


それが一花には面白くなかったのだ


何年かして、三人は中学二年生になった春のことだった





異世界召喚





剣と魔法、ファンタジーの世界に呼ばれた


一花と柚奈と、一緒に呼ばれたのは


健司ではなく、斉藤 あゆむ 斉藤 めぐり


と言う双子の男女が一緒に召喚されていたのである


歩は弟で、同じ学校だった

剣道大会で名を馳せていたので一花は知っていたし、天才と呼ばれていた


巡はどうやら宗教系の女子高に通っている姉で、とても清楚で美しかった


歩はパラディンとして、一花は剣士として

巡は回復の魔法使い、柚奈は攻撃の魔法使い


歩はどうやら柚奈に惚れていたらしく、猛烈なアタックを繰り返していたけれども

柚奈の心の中には健司が居た様でことごとく無視をしていた


それが一花には、なぜだか悔しかった


なぜならば一花は歩と一緒に戦っているうちに彼に惹かれていると感じたことがあった


しかし


「健司もあれくらい・・・剣が強ければ・・心が強ければ」


そう思ってしまった自分で気づく


なんだ、結局自分も健司が好きだったのかと、歩にここにはいない健司の姿を重ねていたのだと一花は気づいた


それから歩に心を惹かれる事は無くなったと、同時に柚奈に同志の様な親密感を抱くようになっていた



気が付けば「神」と名乗る者から与えられていたスキルと呼ばれる異能がなければ生き抜けない世界で7年間過ごしていた



そして成長した四人は苦難の末異世界を救う



無事日本に帰還して、一花と柚奈はまず最初に健司に会いに行った



そして二人してこれから競うのだ、健司の恋人としての座を求めて


異世界に行ってから7年


一花と柚奈はすっかり大人になっていた



----------



中二の春


幼馴染の一花と、ひそかに思いを寄せていた柚奈が行方不明と言う事になった


健司の目の前で2人は消えた


まるで光に飲まれるように消えて健司は最後の目撃者となった


正直に話しても、誰も信じてくれないと思ったのだけれど


何故か一花の祖父と、柚奈の父は信じてくれた

まだ子供だった健司はそれを不思議だと思わなかったが、他の身内は頭がおかしくなったと言って自然と距離をおかれるようになる


「な、健司君。柚奈たちはどこに行ったと思う?異世界に行ったんだよ。剣と魔法の世界さ」


目をキラキラさせて話しているのは柚奈の父だ


何故僕は異世界に行けなかったのだろう?


健司はそう思った


「ふん、一花は生きておるよ。あれの運命は困難と苦難を乗り越えた末に得る幸福じゃからな」


一花の祖父はそう言いながら剣を振るい続けた


どうして僕はここにいるのだろう・・一花の運命に僕は必要ない?



どうして?どうして?どうして?どうし・・・て?



健司は気がおかしくなりそうだった


いや、この時もうすでに、十分おかしくなっていたのかもしれない



一花は剣術が得意だった


柚奈は数学や化学が得意だった


じゃあ・・・僕は?何ができるんだ?


もし出来ていたら・・・


彼女たちと今も一緒に居たかもしれないのに


そう思うと目から涙があふれ出てきた



赤い・・赤い、真っ赤な血の涙だった



そこからの健司は本当に人が変わった様だった


一花の祖父に


「史上最強の剣士とは健司の事だ」


そう言わせて


柚奈の父を足掛かりに物理学にのめりこみ

世界中から


「全世紀にわたっての天才」


と言われるに至った


だが、そこまでの努力をして力を得た健司の目標…夢は叶えられる事は無かった

それどころか、完結し目の前に現れる



ガチャりと空いたドア


入り口に同時に二人、入ろうとしてぶつかる


競うように中に入って来た二人は、声を揃えて言った


「ただいま!健司!」


にこりと笑い、涙を流す一花と柚奈


対照的に怯えた表情の健司はー



「なんで、いるんだよ…」



思わずそう言ってしまう



「え?」


帰還を喜んでもらえると、そう思っていた一花と柚奈は

頭が真っ白になる


どこからともなく木刀を持ち出し、健司は二人に突きつけて


「お、お前ら誰だよ!い、一花と柚奈は僕を捨てたんだ」


何がどうなればそんな思考になるのか


その時、遅れて斉藤歩と巡がやってきた


「辞めないか!柚奈さんは健司君、君をずっと想い続けて来たんだぞ!」


歩がそう言って割り込んだ瞬間、健司は木刀を振り下ろして


バキィ!!


歩が生み出した聖剣に遮られて砕けた


もともと歩は天才と言われた剣道の達人だ

それが異世界で実践を経て、もはや常人ではあり得ない程の域に達した達人になっていた


だから、健司の振るう剣など歯牙にもかけないと一花は思ったのだが


「がふっ…」


歩が片膝をついた


健司はもう一本、木刀を握りしめていたのだ


そしてそのまま歩を蹴り飛ばし、庭へと躍り出て


「何だお前…柚奈を知ってんのか?」


歩は立ち上がって、再び剣を構える


「知ってると言ったら?」


「じゃあ、俺もそこに連れて行ってくれよォ!」


そう言って健司は再び二本の木刀を振り始める


「え!?何で!?さっき砕けた筈なのに!」


一花は驚愕する。歩に一撃入れたこともそうだが、砕けた筈の木刀を再び持っていた事にも


「目で追えてなかったの?彼、多分…アイテムボックスから取り出しているよ」


巡が言った


「そんな!健司は異世界に行ってないのに!スキルなんて無いのに!」


だが現実は、歩と打ち合う健司は何処からとなく木刀が砕かれる度に補充をしている


「健司君…彼、凄いね…運命の人かも…」


「くっそ…」


歩は健司に打ち負かされていた

あの、歩がだ


速度は遥かに早い筈なのに、全てにおいて健司は歩の先をいっていた


歩の腹部に再び木刀が吸い込まれて


倒れた


「そ、そんなまさか…健司が、歩を?」


震える声で


「一花ちゃん…健司くん、歩くんの防御障壁全部割ってたよ…な、何あれ…化け物…?」



一花と柚奈は現実に起きている出来事を信じられない目で見ていた


しかし巡は


「ああ、最高です。異世界にも、歩より強い人間なんて居なかったのに。モンスターでさえも…」


フラフラと、甘い蜜に吸い寄せられる蝶のように健司に近づいていく巡


そして言った


「見つけました、運命の人。私の旦那様」


両手で健司の顔を、巡の顔に向けて


口付けを、して、しまった



それが、一花が異世界より帰還して見た健司





それより二日後に、健司は冷静さを取り戻して一花と柚奈、歩と巡に謝罪をする


何事も無かったかのように全てを受け入れ納得したと言っていた



健司と歩は和解し、無二の親友となった。


柚奈はそんな健司に何も思う事もないのか、会えなかった時間の分想いは溢れ健司に寄り添おうとする



しかし一花は



あの健司に、並び立てないと旅にでた



だからそれからの事はニュースでしか知らない


健司がキューブを開発した事、そして表舞台から消えた事など



その時一花は健司と再び会う事もなかった



会えなくなった



だから憎んで、憎んで、再び愛したのだ



いつか会えると信じて




しばらく更新出来ない間に…


自分病んでるなあ的な展開

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