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スーパーの店員の水野さん  作者: 開墾路花壇
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4 神出鬼没!彼は一体、どこの人? 

4 神出鬼没!彼は一体、どこの人? 


 七月二日 月曜日


 二回目の、パイの実を買うときレジで彼の名札を盗み見た。「水野」と書いてあった。 

 そしてこの日、わたしはいつものとおり、彼との接触をはかるため、パイの実を買うために売り場に行った。

 いつもと違うのは、彼の、謎めいた行動。

 すると、その途中、ジュース売り場で、彼が、品だしをしていた。それにしても……えっ?彼は、レジ担当じゃないのかしら?売り場の人?それとももしかして、オールマイティー?わたしの彼への疑問は、深まるばかり。まさにミステリアス。どうすれば、彼の部署を知ることができるだろうか?

 とりあえず、わたしは、水野さんが、品だししている通路の、T字の、横棒の辺りに身を潜め、水野さんの言動と、行動を、見守った。そして、水野さんの容姿を再びかいま見る。水野さん。・・・・・・当然男の子である。年は、十代であろうか?いや、二十代前半とも、見て取れる。わたしには、正直、明確な数字は、わからない。保留。身長は百八十センチくらい。わたしより、頭一つ分高い。体重は、わからないけれど、中肉中背。ムキっ、と、ボディビルダーポーズ、上に、下に、してみたら筋肉が盛り上がりそう。

「やってみて!」

 彼に、わたしは、言ってみる。・・・・・・もちろんそれは、わたしの、願望。

 彼がポケットからタオルを取り出して額をぬぐった。働き者さん。わたしは思う。

 趣味は、何だろう?いつも、アルバイトしているのだろうか?わたしの、「ストーカーノート(いつも水野さんに会ったあとは、家でつけているの!)」によれば、水野さんは、「月・水・金の夕方五時には店にいる。」そのあと何時まで働くのか、わからないが、わたしの予想では、夜九時までか、遅くとも閉店まで、といったところか。ちなみに、「土・日・祝は、不明である。」機会を見つけて、ストーカーしなければ(※注 ストーカーは、犯罪)。すると、水野さんが、わたしの方に移動しはじめた。わたしは、一旦、売り場をまわることにした―。

 飲料売り場に戻ったらハンカチサイズのタオルが落ちていた。彼のだ。拾ったら彼が戻って来た。わたしは急いで隠れた。とっさだった。そして落ち着いてから、タオルを持って、

「すみません。落としましたよ」

と……言えなかった。どうしても言えなかった。わたしはそれを……何と家に持って帰ってしまったのである。話は戻る。

 たくさんの飲料の入ったダンボール箱をのせたカートを、引っ張って、水野さんが、再び飲料売り場に来た。―わたしの、ストーカーが、再びはじまる。―わたしは、いつもの、T字の場所で、商品を選ぶふりをしながら、水野さんをのぞきみる。そっと、そっと、息を潜めて、音をたてないように・・・・・・。ひそやかに、そっと、そっと、わたしは、水野さんをのぞきみる・・・・・・。

 そのとき、エアコンの、風を運ぶ機械の音が、わたしと、水野さんの周囲に、静かに鳴った―。

 

 わたしは、水野さんを真剣に、注視している。

 今さらだけど、ここのスーパーのユニフォームみたいなものがあって、上は、柄物の半そでシャツを着ていて、色は、暖色系。下は、黒い細身のデニムをはいている。そこに、黄緑のエプロンをつけている。以上は、スーパーからの支給と思われる。スポーツブランドの白地のシューズを、はいている。足のサイズは、二十五、五センチから二十七、五センチ、といったところ。こちらは、私物。顔に戻る。水野さんの髪型はショートでサラサラのストレートヘア。そして、黒髪。両耳は出ている。前髪は、眉毛にかかるくらい。笑うと、白い歯が、ピカリ、と輝く。イケメン。そして、何より、ジャニ系なの。

 さて、そろそろ、おいとましなければ。これ以上ここにいたら怪しまれる。どうすれば、彼と接触をはかることができるだろうか?よく対策をねらねば。精進あるのみである。

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