13 こんどこその、いのり
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こんどこその、いのり
八月八日 水曜日
わたしはこの日、朝早く起きて、早めにメタセコイヤの木に向かう。そして……。到着。利き手の腕時計を見る。八時ちょうど。よし、あと八分。わたしは、所定の場所につく。
そして精神統一をした―。
再度、時計を見た。間違いない。いい時間だった。目をつむる。
わたしの近所のスーパーには、イケメンのお兄さんがいる。わたしの名前は、藤堂 彩穂。十五歳。好きな食べ物は甘いもの全般。特にその中でもパイの実が好き。わたしにとって神お菓子だ。学校帰りに買って帰っては、家で食べていつも癒やされる。彼氏いない歴十五年。・・・・・・彼氏がほしい。でも思っていても叶うわけでもなく、何かが起きるわけでもなく・・・・・・。そんなわたしに、突然、奇跡が起きた。わたしは、今、恋をしている。運命を感じた。「仲よくなりたい。」「お近づきになりたい。」そのお相手とは、スーパーの店員の水野さん。わたしの好きな人。彼との出会いは、衝撃的でドラマチック。まさに運命だと、わたしはそのとき、そう思った。「あー、好きなんだってば!この気持ちおさえられない。どうか彼と結ばれますように。」
そう思って、わたしは、利き手とは逆のタオルを強く、ギュっとにぎり締めた。
それは、今度こそわたしの心からの胸の中での心底の、いのりだった。




