不穏な空
「どりゃぁぁ~!!!」」
コクトがゴブリンを倒す。
「いや~。コクトすげえな。またコクト一人でやっちゃったよ。10いや20は居たぞ。」
そういったのはリーダーだ。
リーダーの名はカエデ。強気の女性だ。
彼女の装備は、両手剣。
リーダーだが、あまり強くない。まとめる力があるのだ。
コクトは短刀使いだ。
この中で一番強い。このグループを集めたのもコクトだ。
「もうちょい奥行くか…おっとあぶねえぞカエデ」
後ろにゴブリンがいたらしい。
カエデが10秒くらいで倒すものを、コンマ1秒がで倒してしまう。
「まったく頼りないリーダーもいたものだ。」
「なんだよノーラその口縫ってやろうか?あ”!?」
顔の色が一気に変わる。さっきまでのニコニコから一気に般若のような顔になった。
「いやぁー本当にねぇ〜」
「まだ私達のほうが」
「「強いわよ」」
「ヤヨイとノヴまで!!」
攻略中なのにまたこんなことになる。
「そこまで言う必要ないだろ!なぁ!コクト……コクト?」
こっちを見てみんなが心配している。
「ああ、ごめんごめん。ちょっとな…」
あぁ。なんで今思い出したんだろう。思い出したくもない、家族のこと。
なんでだろうあんなに優しかったのに。いつからだろう。
あんなに怖くなったのは。あんなに暴力を振るってくるようになったのは。
怖かった。だから逃げるために強くなった。逃げるために仲間を作った。逃げるためにこの汚れた力を振るっている。
逃げるために。逃げるために。逃げるために。逃げるために…
♦
「「大丈夫かな?」」
「コクト」
「また周りの声聞こえてない」
双子の二人はそういった。
「どうだろうな。そっとしとく。ってわけにもいかないからなぁ。」
とカエデ。
「これから克服してくれればいいんだが」
とノーラ。
こんなことが3日目にして、もう5回も起きている。
事情も聞いていた。
まあ言葉を濁した所もあったが。
コクトは虐待を受けていたらしい。
そこまでしか聞き出せなかったのだが。
何にしろ心配だな。
と全員が思った。
♦
はっと気づいたときにはグループホームにいた。
また思い出してしまった。
今回は気を失ってしまったらしい。
ベットから起きて、光が差し込むドアへ向かう。
「おっ、起きたかコクト!おつかれ様!」
笑顔で迎えてくれる。
「あの…ありがとう。」
「いやいや別になんてことないよ!なぁ皆。」
ノーラは優しい。
「「ええ。もちろん。」」
とヤヨイとノヴ。
ヤヨイは笑顔で和ませてくれる。
ノヴはたまに短気になって怒るヤヨイを止めてくれるし、ほわほわしてて不思議な生き物みたいで可愛いし優しいんだ。
「なんだよ水臭いなぁコクト!」
カエデはこんな強気だが可愛いとこもある。
ほら。カッコつけるとドジをする。今も水をこぼした。
皆優しいんだ。優しすぎるからふと思い出してしまうんだな。
「ありがと。」
そしてみんなの輪の中へ加わる。
「よし明日も攻略だ!次は洞窟行くぞ!」
そうして明日も攻略をする。
のんびり気ままに…
なはずだったんだけど…
読んでくれてるとうれしいです。
書き出したばかりですが。よろしくお願いします