遥かな空の下で
ある日夢をみた。
久しぶりだったから少しうれしい気分だった。
それは不思議な世界の話だったと思う。
大きな空を見ていたんだ。
綺麗で雲一つない空だった。
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「あああああぁぁ!!」
大きな声が町中に響く。
あいつはここらではちょっと有名な奴だ。なぜなら…
何故かものすごく獣人に好かれてしまう。
今日も追い掛け回されているのだろう。
大変だな。あいつも……ん?
何にかがこっちに……やってく…る??!
ものすごい叫び声とともにあいつ《コクト》がやってくる。
「ああああああぁぁ!!!!!」
「あああああぁぁぁぁ!!!!」
ほぼ同時に叫んだその声と同時に、俺とコクトがぶつかる。
「おい!ノーラ何ぶつかってきてんだよ!!」
「おいおいおい…突進してきたのどっちだよ。」
そう、今思いっきり砂埃を上げチーターにも劣らないスピードで突っ走ってきたやつをどう避けろと言うのか。
「そうかぁ。ごめんごめん!いや~まだ追いかけられちゃって。ノーラといると遠慮するのか、よってこないんだよねー!」
そう言いながらたくさんの擦り傷を抱えている。
あれだけ追いかけられたらしょうがない。
「コクト、手当してやる。こっち来い。」
俺がそう言うと、ありがとーとこっちに来る。
ものの3分程で手当は終わった。
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「またやってるねー。」
「ほんとよく懲りないわねー。」
そう話をしている似た面持ちの女の子。黒っぽいポニーテールが《ヤヨイ》白っぽいツインテールが《ノヴ》
「コクトは追いかけられて。」
「ノーラが轢かれて。」
「「ノーラがコクトの手当をする。」」
そうやってよくハモる。
フフフと二人で笑う。見分ける方法は、髪型と服くらいだ。
ヤヨイは黒っぽいドレス、ノヴは白っぽいドレス。二人共デザインはほぼ一緒。
左右対称になっている。
そこへあのコクトとノーラが歩いてきた。
「おー!ヤヨイとノヴじゃねーか。」
とコクトが言う。
「えっと、こっちがノヴで、こっちがヤヨイか?」
と言いながらもヤヨイとノヴを間違えるノーラ。
「ノーラ覚えるおそすぎ!こっちがノヴ!こっちがヤヨイ!」
逆にコクトは覚えるのが早い。
出会ってからまだ3日だ。
まだギャーギャー話を続ける4人。
そこへある一人の女がやってきた。
「さぁ!行くぞ!攻略だ。」