表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

パーティ

作者: にこ遥

「ただいま」

「おかえり」

つい最近まで1人でアパートに住んでいたのでまだその応答に慣れないでいる。

「まだ慣れないんだよね。」

溜め息をつきながら私は言う。

「ゆっくり慣れればいいさ。」

私にコップを渡しながら彼は答える。しかし、コップを受け取ろうとした矢先、頭痛が襲い反応が鈍ってしまった。

「大丈夫?」

私のふとした一瞬に気付き心配そうな表情で彼はのぞく。

「少し、具合が悪いかな。でも「じゃあ、今日は「いや、絶対やるよ!パーティ!!」

今日は1ヶ月同居の記念日。私のせいで練りに練った計画を潰す訳にはいかない。

「明日は遼、仕事で出張でしょっ!今日しかないよ、今日っっ!」

私は彼の答えを聞かず、さっさと夕飯の支度に取り掛かった。彼は考え込む様に、その場に固まっていたが考えがまとまったのか、

「つかさ。」

料理をしている私に近寄り声を掛けた。

「だから大丈夫」だって・・・と言いかけた刹那、眩暈で視界がグラッとなる。

「だからね、大丈夫なの・・・」机に寄りかかる私の弱々しい声に対し、目の前の彼は焦る表情を隠すかの様に、

「無理に話すな!俺がどれだけ心配したと思っている!?だから・・・俺は・・・」

怒りをふんねにして話を続けようと思ったが私は、俯き荒い呼吸を繰り返している。見て分かるように歩けそうにない。

ー仕方がない。

彼は私をお姫様抱っこをしベットヘ運ぶ。運びながら私の大丈夫・・・大丈夫・・・と呪文の様に言う言葉を聞いて彼は情けないと思い後悔をした。


「う・・・んん」

私は目を覚ました。

「おっ、起きたか。」

傍に居た彼は、安心した表情で私の手を握りしめていた。部屋の様子から察する様にここはベットらしい。額には熱冷シート、頭には氷枕。彼がやってくれたのだろう。しかし、胸に引っ掛かるものがある。それを思い出そうとしたら、

「さっきはごめんな。」

「?」

「お前が辛そうなのに怒鳴ったりして。」

ああ、思い出した。私は怒られたのか。

「いや・・・私も。」

言葉を出すのが苦しくて咳き込んでしまった。彼は優しく背中をさすってくれた。

「おっ、そういえば。」

彼は近くの机に置いてある茶碗に手をのばし、

「食べる?お粥。」

と言った。しかし、私は近くの机に置いてあるデジタル時計を見て、

「会社、大丈夫なの?」

と訊ねた。時刻が次の日の8:00を示していたからだ。

「あー俺、会社休んだわ。」

しまった。また、彼の足を引っ張ってしまった。今日は出張の日ではないか。ごめんと謝ろうと思ったが、口にはお粥が詰め込まれ照れくさそうに、

「だって俺、辛そうなつかさを置いていけないもん。ずっと呻いてたし、きつそうでグッタリしてたぜ。」

モグモグしながら、私はうれしさで顔が赤く染まった。それを見た彼は心配そうな顔で、

「熱、大丈夫か?顔が真っ赤だよ。熱測ろうか。」

何処から事も無く、体温計を取り出してきた彼は私の脇にセットした。

ー3分後ー

ピピッッ

「ゲゲッ!」

体温計を抜いた彼は、顔が引き攣っていた。

「38.5℃・・・大丈夫かっ!?」

彼の顔が私を心配そうに見ていた。流石に大丈夫とは言えなかったので、

「ありがとう。」

と言った。そこまで私を心配してくれ、看病してくれる彼に恵まれて私は幸せだと。

すると彼は、私の頭をなでながら、

「パーティはつかさが元気になってするから、早く元気になれよ。」と言った。


そして1週間後、つかさは元気になり今はパーティが始まろうとしている。

「かんぱーい」

カチンというグラスのぶつかる音が耳に心地よくきこえる。彼は、

「今日は言わなければならない大事なことがあるんだ。」

「だから、1ヶ月記念おめでとーでしょ?」

「いや、結婚しようだ。」

その瞬間、私は喜びに満ち溢れた声で

「はい。」

と答えていた。

はじめまして、にこ遥です。

この作品はデビュー作ですので、何かご理解が難しい点があるかと思いますが、温かい目でお読みください。

また、ご感想やアドバイスがありましたらお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ