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第52話 実行委員会にて〈その二〉

「あのさ、私たちは八坂を心配して言ってあげてんの?わかる?私たちに楯突く気?」


 金崎は、八坂を睨みつけ、冷たい声でそういう。

 金崎の声からは、八坂への思いやりや優しさなど、微塵も感じられなかった。

 それぐらい冷たく、ただただ自分の敵に対して宣戦布告をするような迫力であった。

 金崎の一味達以外の喋っていた連中の会話はぴたりと止まり、全員の視線が二人へと向かう。

 俺も、その中の一人であった。

 いや、自分のせいで争ってるのに知らんぷりとかできる訳ないだろ?


「え!いやその……ご、ごめん……楯突く気なんて……なかったの……」


 八坂の声は後半にゆくにつれて強さがなくなっていってしまった。

 どんどんと弱気になり、八坂の声に自信のなさが表されていた。

 一軍でも、トップのやつと下っ端のやつがいる。その絶対的女王に君臨する金崎に逆らえる奴はいないのだろう。

 周りの連中も、誰も止めに入らない。

 流石に俺の所為だからな……止めに……まだいいか……うん。

 もうちょっと過激化したら入りに行こう。べ、別にヘタれた訳じゃないんだからね!(ツンデレ)


「それにさ、峯岸のこと下の名前で呼んでんの?そんな仲良くなったの、芽衣奈?私たちが心配してあげてる横で?」

「べ、別にそんなこと……」


 八坂は反撃しようとするが金崎の剣幕に阻まれ、怯んでしまう。

 俺はもう少し成り行きを見守ることにした……

 正直、金崎が怖すぎて入れない。なんか、天音ちゃんとは違う恐怖がある。

 金崎はライオンみたいな感じの単純な怖さだ。そういう怖さにはあんまり慣れてないんだよな……


「まさかさ!あの峯岸のお世話係してたら好きになっちゃったとか?マジでウケる」


 金崎はギャハハと大声で一味の連中と笑い、八坂を冷ややかな目で見る。

 所詮はこの程度の間柄なんだな。ただの顔がいいからって理由で、スクールカーストを保つだけって理由でつるんでる表層上の関係なんだな。

 すると八坂、なぜだか急に真顔になった。え、何?悟りでも開いちゃったの?


「それだけは本当にないから。で、でも……別に、その……明美達とそんな仲悪くする気は……」


 …………なんだろう。ちょっと悲しくなってきた。

 八坂は口篭ってしまい、金崎から少し視線を逸らす。

 金崎は一瞬真顔になった八坂に驚き、狼狽えたが、いつもの通りに戻ってまた八坂を睨み始めた。


「じゃあ、芽衣奈は私たちと峯岸、どっちと仲良くしたいの?」


 金崎の下っ端らしき、もう一人の女が八坂にそう問いかける。

 正直、ここで八坂がどう答えるのか見ものだな。まぁ神崎たちを選ぶんだろうが。

 ……流石にこれ以上はまずいか……俺はスッと立ち上がり、八坂たちの方へと声をかける。


「そろそろやめにしろよ」


 俺のその一声で、教室中全員の視線が俺の方へと向く。 

 金崎は八坂の時よりも鋭く俺のことを睨み、それと同時に、金崎の一味の連中も俺を睨む。

 うわぁ。怖い。正直ここでもうやめたい。早く逃げたいぐらいだ。

 俺はゴクリと喉を鳴らし、覚悟を決めて金崎たちに向かって口を開いた。


「はぁ?あんた、誰のせいで言い争いになってると思ってんの?わかってる?」


 金崎は、俺を見るなり大きなため息を吐き、軽蔑の視線で俺を見つめる。

 ……まぁ確かに俺のせい……か?まぁ、一部は俺のせいであろう。

 

「いや、お前達は八坂の友達じゃないのか?」

 

 俺と金崎がいい感じにヒートアップし始めたとき、教室後方の扉が開いた。

 扉を開けたのは天音ちゃんであった。天音ちゃんの綺麗な顔は一瞬だけ困惑の色を見せたが、状況を察したのかいつも通りの涼しげな顔へと戻った。


「なんの騒ぎかしら?」

 

 天音ちゃんはその冷ややかな言葉と共に、俺と金崎をキッと睨んだ。

 俺は天音ちゃんの剣幕に押し負けてしまい、自席にそのまま倒れるようにして座った。

 金崎はというと、一瞬狼狽えたが、冷や汗をかきながらも天音ちゃんの方を向き直した。


「何よあんた。関係ないでしょ?なんか文句あるわけ?」


 金崎も天音ちゃんに対して引き下がらず、何やら口論が始まった。

 これは見ものだな。

 

 

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