表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第六章 時を越えた和解


 ジュリエットは王宮を去った。


 辺境の村に移り住み、孤児達を助ける生活を始める。

 誰もが彼女の事を『伝説の悪役令嬢』と呼ぶが、彼女はただ静かな日々を送るだけだった。

 あくる日、一人の老人が彼女のもとを訪ねてくる。

 白髪で杖をつき、その目に深い知恵が宿している事に気が付いたジュリエットは、老人に尋ねた。


「……貴方は……未来の私ですね?」


 老人──アルノーは静かに頷く。


「ああ。俺はようやく気づいた。幸せとは運命を変える事じゃなく、過去を受け入れる事だと」

「王女は……どうなった?」

「彼女は俺の後悔を知って、こう言った。『貴方が英雄になれたのはあの令嬢がいたからよ。だから、ありがとう、って言いたいわ』ってな」


 ジュリエットの目に涙が浮かんだ。


「……私は、悪役じゃなかった……」

「いや、お前は悪役だった。 けれど悪役が救いになる事もある。それがこの物語の真実だ」


 老人は去り際にこう言い残す。


「ありがとう、ジュリエット。お前が俺を、もう一度英雄にしてくれた」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ