19話ワクワクの魔法世界
アベルが、水にスープ、ベーコンエッグをトレーに乗せて戻る。
イザークは、次々と初級魔法を取得していった。
浄化で零したお茶や、体の汚れを消してみる。魔物肉や卵も浄化で殺菌殺虫されて、血合いも取れるそうだ。
点火は手のひらサイズのマッチのような火力の火魔法。
氷塊はグラスを好きなだけ氷で満たせる。アイスクリームを作るのに便利そうだ。
付与は魔石や素材に属性や動きを与える魔法。今は着火と氷塊で二属性だが、これなら他の初級魔法も使えるだろうと太鼓判を押された。
身体強化は、確かに魔力が溢れ出る気配があったが、重厚なクローゼットを楽々と持ち上げられた。
回復薬生成は、持ってきてもらった素材で作成する魔法陣で、イザークは初級ポーションを難なく作成する。
問題は魔力の持続くらいで、これは魔素を取り込んでいけばまだまだ伸びるだろうとのこと。
「……うちの子天才では?」
ハイドロイドはコーヒーからミルクティーに切り替えながら、呟く。
イザークはホワイトビックバードという魔物の卵を、口に運んでいた。
肉には毒があるが、卵は美味で魔物ながら放牧して育てられているという。黄身が甘くてトロリと濃い。
「ハイドロイド様、明日私が他の初級魔法陣を取ってこようかと思っておりましたが、直に行った方が早いかもしれません」
「あぁ、私の留守中も頼むよ」
「ハイドロイド様、ヒューさ……ヒューは仕事に連れていかないのですか?」
さん付けで呼びかけたら、咳払いをされたのでイザークは慌てて敬称をとった。
「ダンジョンの中は戦場だからね、付いてくるのは護衛騎士のマホーンだ」
「最初に会った時も、護衛なのかな?と思いました」
「イザークにもそのうち護衛騎士が付くよ。幸いアベルは文武両道でね、しばらくは兼任だ」
ベーコンはワイルドバーニーの肉だそうだが、臭みもなく厚みがあり舌触りが柔らかい。
魔物肉を多種煮込んだスープも、良質な脂とこってりとした飲みごたえで、あと少し濃かったらラーメンスープでも良さそうな味だ。




