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異世界の学級日誌 調査レポート 006

作者: miraitoissho

 これは結城未来ユウキミライが中学校で不可思議な経験をしたという女子生徒から訊いた話である。


 女子生徒が朝早く学校へ登校した。まだ誰もいない一番乗り。「たまには早く一番乗りで登校してみたい」と思った女子生徒は、職員室へ行き教室の鍵を持って教室に入った。放課後と違い、朝一番の教室の静けさはまた違うと思った。彼女は「一番乗りして良かった」と思った。


 女子生徒が教卓の上を見ると、そこには学級日誌が置いてあった。本来なら担任の先生が職員室へ運んでいる筈なのだ。「どうしてここに?」と思ったが、彼女は深く考えなかった。女子生徒は日誌を手に取りパラパラと捲った《めくった》。「昨日はどんな事が書いてあるんだろう?」と思い、昨日のページを開く。すると、次のページに今日の日付で日誌が書かれていた。書いた担当の名前は空欄だった。


 女子生徒は、「どうして今日の事が書かれているの?」と不審に思った。日誌には今日の日付で「3時限目の授業は自習へと変更。クラスメートたちはみんな浮かれて喜んだ。自習中、あまりにうるさく先生に注意された」と書かれていた。女子生徒は今日の3時限目が自習だなんて聞いてもいないし初耳だったのでとても驚いた。女子生徒は恐くなり日誌を閉じて見なかった事にし、この事を誰にも言わなかった。


 時間が進むにつれて、クラスメートたちが次々と登校してきた。こうして普段通りの学校生活が始まった。そして3時限目になった時、クラスの中の誰かが言った。「今日の国語の授業、自習だって。先生が体調不良で休んだみたい」と。こうして3時限目は自習になった。


 3時限目の自習が知らされた時、クラスメートたちはどよめき喜びの声を上げた。前の席に座っていた女子生徒などは、後ろを向きニヤニヤと笑っていた。この雰囲気だと途中で先生に叱責されるのは時間の問題だと彼女は思った。


 お昼休みになり、気になった女子生徒はコッソリと学級日誌を開いてみた。だが、そこには何も書かれていなかった。彼女が朝一番に見たページは空白だったと言う。


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