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考え方次第なの

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

考え方次第で、見方次第で、どうにでも前向きになれると思ってますよ。

あえて後向きな考え方しますが。


もう何人目かも分からない契約者の願い事は、此処ではない世界を見ること。アコーディオンや、ストリートオルガンが似合う、赤煉瓦連なる異国の街を見ること。ただそれだけだった。

だから僕は彼女の見たい世界を構築する代わりに、その憂いを帯びた、人を惹き付けてやまない美貌を奪い去った。陶器の肌に首から根のように蔦った、長細い痣。醜く彩った赤黒。

けれども彼女はそれを気に入った様で、時折それに触れては笑みを零していた。


橙と黄色の灯る甘い部屋の中で、僕達は静かに紅茶を嗜んでいた。気を利かせてレコードをながしてやると、うっとりとした表情で頬に触れる。契約と同時に奪い去った陶器の肌を労る様に。

「……美貌を奪われて嫌じゃないんだ」

「貴方と契約して、嫌だと思った事は一度も無くてよ」

そうして、目の前のマカロンに手を伸ばしながら、指先で傷の着いた顔に手を這わす。

「だって綺麗でしょう? 茨の蔦の様で」

今の今まで、星の美貌奪う代わりに願いを叶えてきた。真っ白な素肌に蔦のような模様が這うと、今までの女達は気が触れた。願いを叶えた事などそっちのけで、僕に刃を向けてきた。

「結局、君の顔に関わらず、人間共のお眼鏡に適う事があれば高値が着いて、そうじゃなければ排される。ただそれだけの事」

前の契約で、銀河のような翠玉が欲しいと強請った女がいた。だから美貌と引き換えに、夜空の様に散った塵混じりの翠玉を手渡した。そうしたら、これでは無いと投げ捨てられた。

身勝手な生き物だ。価値に関連付けられる事がなければ無価値になる。似たようなものを出しても、これでは無いと捨て去る。

「えぇ。この顔は私のコンプレックスであり、チャームポイントなの。その人がどう考えるかによって、弱みにもなるし、強みにもなる。考え方次第なの」

そうして蓄音機に目を向けて、ただ一言問い掛けた。

「この曲は、楽器はなぁに?」

「終生の回転木馬。アコーディオン」

「良い曲だわ。アコーディオンなんて、小学校の時に見た程度だけど、こんな声で鳴くのね」

「三味線や琴を流したら、雰囲気違いだろ」

「それはそれで、和洋折衷」



オマケ

彼女の申し出で、その構築された世界で踊る様に街を歩いた。時折ステンドグラス越しに聞こえるアコーディオンの音が今の気持ちに滑車を掛ける。それに倣う様に、ステップを踏み、くるりとターンを繰り返す。その様はまるで赤い靴の少女の様だ。

「赤い靴の少女の様だわ」

考えを読まれた様で、わずかに息を飲んだ。だから薄笑いを浮かべて、視線を下る。

「君の足は、ちゃんと君の言うことを聞いているじゃないか」

「ええ。でも木の義足になっても、私はそれを隠す事はしないわ。人と違う事は、決して悪いことじゃないもの」

美女と契約し、顔に痣を付ける代わりに願いを叶える悪魔。

その為、ずっと若い綺麗な青年のまま。

今は風変わりな美女の顔に傷を付け、共に過ごしている。


悪魔と契約した、滅茶苦茶ポジティブな美女。

首から浮き出た長細い痣を、蔦のようだと感じて気に入っている。


突き抜けた個性は拒まれますが、見方次第で、気に入ることも出来ると思ってますよ。


元ネタとなった有名な映画があるんですけど、そのせいか、アコーディオンのBGM流したいです。

あとトーストにベーコンエッグ食べたいです。

昔憧れて、延々と食べてました。

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