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5-1 僕の奴隷が強くなり過ぎている件について



 話し合いの翌日。

 ライトはミスティアナと一緒に居た。

 今日は、火の日でありミスティアナがライトの独占を優先される日。飽くまでも優先なので、ライトの意思が尊重される。

 彼が承諾したから、今現在の状態になっているだけだ。


 二人は、大きなソファに座っている。のだが、端に座るライト、彼を若干潰すくらいに密着してミスティアナが座っていて……。



「ミスティ、少し近すぎませんか?」

「いえ、そんなことはありません。私はマスターを感じられてとても幸せです」

「そう、ですか」(これは絶対に離れてくれないやつですね)



 彼女はライトのことに関してでは、頑固と言うか欲望に忠実というか、そんな感じで命令以外では譲ることのない。

 それが分かっていて、命令で無理に離す必要はないと判断し、彼は諦めた。

 しかしながら、辛くないことはない。主に、理性の面で。


 密着しているからこそ感じる、彼女特有の甘い匂いと柔らかな身体の感触が、ジリジリと彼の理性を熱して溶かして来ている。



(落ち着け、ライト。平静を装い整えろ、普通に話をしろ)

「ミスティ、ミスティは僕の居ない間何をしていたんですか?」



 鋼鉄の精神で理性を包み込み、熱での溶解を食い止める。

 そうして、元々話そうと決めていたことを口にする。

 マスターである自身が居ない間に何を考え、何をしていたのか気になっていたのだ。流石に、自分で行動してくれているような気がしたから。



「ギルドに行き、依頼をこなしたり、『大迷宮(ラビリンス)』へ潜っていました。それ以外には、ヨル様の協力の下料理の練習やヨル様、ソヨ様、フーリン様との模擬戦などをしていました」

「自分で行動してくれていたようで何よりです。そこが心配でしたから」(最後のやつ僕もやりたいですね……)



 笑みを浮かべて、ミスティアナの頭を、サラサラとしたその髪を撫でるライト。

 内では、面白いことしてるな〜と少し羨ましく思っていた。

 目を細めて、彼の手を堪能している彼女はそんなこと知る由もない。

 撫で続けること数秒、何かを思い出したかのように彼女は顔を上げた。



「そういえば、ランクがBからAへ上がりました」

「あれ?早くないですか?」

「帝国での依頼が大きかったみたいです」

「ああ、成程。大々的じゃないにしても、ギルドマスターと皇帝の依頼ですからね、納得です」



 早くはあるが、嬉しい情報に先程とは違う笑みが出る。

 それ以外にも、恐らく自主的であろう行動にも心が温かくなる。

 同時に、興味を抱いてしまった、今の彼女の強さに。

 そして、それが毎度のごとく良くなかった。



―――(ぬす)()探蛇(たんだ)




■=======================■

 名前-ミスティアナ 性別-女 年齢-15

 種族-天羅の忌子 ジョブ-奴隷,神武巫女,簒奪者

 レベル-9999 ランク-A

 称号-『白閃』『限界到達者』『尽くを奪う者』

   -『深淵と共に在る者』

 スキル-最適解答,現実改変,未来予知,変幻適応

    -深淵到達導鍵,零落簒奪,堕天啓,神雷絶火

    -真深愛,無絶技,天羅眼,神刹風

    -槍術:神級,魔法:超級,神術

 加護-蛇王の友愛,深淵の庇護,神獣の加護

   -世界樹の守護,始地神の加護

 状態-正常,隷属

■=======================■



「え?……え?」

「マスター、どうかしましたか?」



 現れたウィンドウを見た瞬間、ライトの時が止まり、理解できないという現実が一文字で外界へと放たれる。

 そんな彼を不思議そうにミスティアナは見た。当然だ、唯の変な奴だからな。

 彼は、自身の目を手で擦ってから、再度ウィンドウを見る。


■=======================■

 名前-ミスティアナ 性別-女 年齢-15

 種族-天羅の忌子 ジョブ-奴隷,神武巫女,簒奪者

 レベル-9999 ランク-A

 称号-『白閃』『限界到達者』『尽くを奪う者』

   -『深淵と共に在る者』

 スキル-最適解答,現実改変,未来予知,変幻適応

    -深淵到達導鍵,零落簒奪,堕天啓,神雷絶火,

    -真深愛,無絶技,天羅眼,神刹風

    -槍術:神級,魔法:超級,神術

 加護-蛇王の友愛,深淵の庇護,神獣の加護

   -世界樹の守護,始地神の加護

 状態-正常,隷属

■=======================■


 残念ながら、内容は変わっていない。

 嘘ではない、幻ではない、と理解するのに今度は時間が掛からない。

 開いた口が塞がらないとは正にこのことで、酷く滑稽な姿を晒す。



「マスター、本当に大丈夫ですか?」

「いや、大丈夫じゃないです。凄く混乱してます」

「何か私に出来ることは」

「あります。僕の質問に答えて下さい」

「はい、分かりました」



 深く息を吐いて頭を冷ますライトをミスティアナが真剣に見つめる。

 重々しく、彼は口を開いた。



「…あの、ミスティ…強くなり過ぎじゃないですか?」

「そう、でしょうか?分かりません」

「いやだって、僕が居なかった二ヶ月弱、たったそれだけの期間で、レベルがカンストしてるんですけど」

「カンストとは?」

「カウンターストップなるものの略称です。簡単に言えば限界に到ったってことだってヨルが言ってました」

「成程、だとしたら私は、レベルをカンストしています。知らないうちにですが」



 ヨルの言葉を用いて状態を問えば、特に動揺もなしに彼女は答えた。

 それもそうだ、別に彼女にとっては変化している自分のことは普通だ。

 彼女に、世界でも上から数えた方が早い強者以外の強さの基準がないのも原因だろう。

 自分がどれだけ強くなろうとも、まだまだ未熟と思ってしまっている。



「知らないうちに、ですか?」

「はい、ステータスなど気にしたことはありませんので」

「そうですか、まあそれは僕も分かります。大きく変わることなんてあまりありませんし」

「確か、ヨル様とソヨ様、お二方と同時に模擬戦した後にそうなったような気がします」

「……ふぅむ、ま、強くなったのは良いことです。気にしないことにします。頑張りましたね、ミスティ」



 全てを諦めたかのような瞳で、ミスティアナの頭をまた撫でるライト。

 考えることを放棄したらしい。

 実際の所、強くなることは言った通り、悪いことではないし戻せるようなものでもない。

 諦めず、深く考えないことが最適な行動だった。


 彼が落ち着きを取り戻し、もっと強くなろうと密かに胸に刻んだ所で、もう一つの話したいことを思い出した。



「そういえば、ミスティ」

「はい、何ですか?」

「ベッドからミスティの匂いがするんですけど、ミスティ何かしました?あと首に何かの痕が残ってるんですけど、これについても知ってますか?」



 瞬間、普段はピクリとも変わらない彼女の顔が少しだけ反応した気がした。


 ゆっくりと、だが自然にライトの背に手を回した彼女は、彼の耳元に口を近づけて喋りだした。



「ええ、知っています。一昨日は私が寝ているマスターを"使わせて"頂きましたから。痕についても"一つ"は私が付けたものですね」

「使った?それに一つはって、どういうことですか?」

「唯、慰める為に使っただけですから気にしないで下さい。痕も三つあった筈ですけど、私達が一人一つずつ付けただけですので、こちらも気にする必要はありません」

「そう、ですか…ミスティ、あまり耳元では…くすぐったいです」(慰めるって何ですか、あと私達って…ヨルとナイも共犯ってことですかね)



 彼女が話す度に、妙に熱い息が掛かって困ってしまう。

 ライトは、今の状況が色々と不味いことに気付いていない。



「駄目です。今日はこのまま、一緒に過ごしましょう」

「仕方ないですね……」



 この後、どうなったかはご想像におまかせしよう。

 別に何も無かったかもしれないし、何かあったかもしれない……。



◆投稿

次の投稿は5/12(金)です。


◆作者の願い

『面白い』,『続きが気になる!』と思った読者の皆様へ。

後書き下の「ポイントを入れて作者を応援しましょう!」から、評価『★★★★★』をお願いします!

その他『ブックマーク』,『感想』に『いいね』等々して頂けると、大変励みになりますので!



□■□■□



◆蛇足

語り部「主人公より強いヒロインかぁ」

蛇の王「我の時点で元々ではないか。一人増えただけじゃ」

語り部「おい、ライトの可能性を見限るな。マジモードになればミスティより強いかもしれないだろ!」

蛇の王「ありえるのか?あのレベル差で」

語り部「ライトはレベルにそぐわない強さだから!多分大丈夫、きっと、恐らく」

蛇の王「不安な言葉ばかりではないか」



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