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3-2 悩ミ、解決



 身体から力が抜け、倒れ伏す。



「ハァ、ハァ、ハァ……」

「これで……分かった?……敗北なんて……失敗なんて……よくあることだって……」

「分かり、ました…タナトス、様」



 ライトの体感では二時間ほどだが、ぶっ続けで戦い続けた。

 久しく感じていなかった筋肉痛に近しいもので、身体が動かない。

 対するタナトスは、汗一つ掻いておらず、流石は神というところだ。



(つ、強すぎる……攻撃全部が致命傷になり得て、オマケで即死の効果付きとか……)



 先頭の感想は、圧倒的の一言。

 というか、この空間でライトは魔力や王気、スキルすら使えないのだから攻撃・防御・回避手段の大部分が封じられており、防戦一方だったのは言うまでもない。

 神速で繰り出される鎌を素の身体能力と反射神経だけで回避し、敢えて作られているだろう隙を突こうとして失敗するの繰り返しだった。

 やっと一発拳を当てたと思ったら、返って来た感触が余りにも重く、絶望した顔は正に見物であった。



「でも……頑張った……100回くらい……死ぬと思ったのに……"82回"だった……」

「それでも、82回死んでるんですか」



 実はライト、何度も死んでいる。

 だが、死を司りこの空間の主であるタナトスに即座に蘇させられ、何度も戦わされたのだ。

 蘇った瞬間から戦闘再開なので、死んだその時さえ気を抜くことが許されない。

 地獄は、此処だったかとライトは思った。



「そんな……頑張った君には……ご褒美、あげちゃう……」

「何で――痛いっ!?」



 タナトスの人差し指がライトの額に当てられると、焼ける様な痛みが走る。

 逃げようと抵抗するが、当然力負けした。



「うが、アァーー!!」

「ちょっと……我慢して……」

「うぅ、いたいです」

「はい、終わり……」

「これに一体何の意味が?ただ痛めつけられただけなんですけど」

「それは……秘密……起きてから……確認して……」



 ゆっくりと額から指が話され、痛みが引く。

 行動の意味が分からず、不満だけが溜まるのだが、ぶつけれないのでライトは、内に流した。

 


「これできっと……伸び悩み……解消……」

「悩みは解決しましたけど、伸び解決してないような?」

「はぁ、分かってない……何で戦ったのか……まあ、でも……次、誰かと戦う時に……分かるよ……」

「じゃあ、その時に試します。駄目だったら、此処に文句言いに来ます」

「よく言う……そうじゃなかったら……また君を弄らせて……もらうから……」



 妖しく笑うタナトスに、一瞬にして失敗を悟る。

 いつものヨルに返すような調子で、言葉を返してしまった。

 口元の感じが、若干だがヨルと似ているせいかもしれない、とライトは判断し薄っすらヨルを恨む。


 突如、視界に映るタナトスが揺らぐ。



「ん……時間みたい……」

「時間、ですか?」

「この空間に……寝ている君の魂を……繋いでるだけだから……君の目が覚めれば……繋ぎが切れる……つまり君……起きようとしてる……多分、時間的に……朝になった……」

「成程、今回はこれでお別れってことですね」

「そういうこと……」



 現実ならば倒れてしまいそうな程に視界の揺らぎが強くなる。

 だが不思議と気分は悪くならない。



「あんまり……過度な個人への……干渉は良くない……多分……次出来るのは……一週間後……くらい……それまで……頑張れ……」

「はい、タナトス様。今夜はありがとうございました、ではまた」

「フフッ……気にすること……ない……」



 視界が、暗転した。






「――はっ…………僕の部屋ですね」



 再度視界が正常に戻り、意識が浮上すると既に自身の部屋に戻っていた。

 寝た気は全くしないが、身体に不調は感じられない。



(思ったよりもいい気分です。タナトス様には、感謝ですね)



 ベットから起き上がり、大きく伸びをする。

 気持ちの良い刺激が脳に流れ、寝起き特有の怠さを吹き飛ばす。



「あ、そう言えば」


―――(さら)()探蛇(たんだ)



 タナトスが言っていたことを確認する為、ステータスを見る。

 ギルドカードでも見れるのだが、収納から出すのが面倒な為、最近は蛇王蛇法でしかステータスを見ていない。


■=======================■

 名前-ライト・ミドガルズ 性別-男 年齢-17

 種族-黒魔 ジョブ-神罰代行者

 レベル-1534 ランク-A

 称号-『黒塗』『黒剛の王』

 スキル-最純二択,黒剛彩王,神罰執行,蛇王蛇法

    -世界開闢言語理論,悪逆非道,偽詐術策

    -回避錬術,怪力,聡明,会心

    -虚の理,杖術:天級,剣術・蛇道:上級

 加護-彩王の守護,蛇王の加護,死神の加護

 状態-正常,契約×2

■=======================■


 半透明の板、そこに書かれた今までに見ない文字に驚いた。



「スキル-神罰執行(しんばつしっこう)ですか……何か明らかにヤバそうなスキルなんですけど。一応調べますか」


―――()かし(さら)探蛇(たんだ)




■=======================■

 スキル-神罰執行(しんばつしっこう)

 ランク-God

 詳細-戦闘時、スキル名の発声により使用可能。神々

    によって下される罰は、代行者を通して世界へ

    と降ろされる。断罪の時、来たれり。

 第一位階-[※権限が足りない為閲覧できません]

 系統-神スキル…No.257

■=======================■


 現れたウィンドウを読んでみたが、正直良く分からない。

 使用の仕方は分かるのだが、効果が全く書かれていない為に理解できない。

 ライトは頭を捻る。



「どういうスキルなんでしょうか?……まあ、今度試しにヨル相手に使いましょう。……あれ、ジョブが変わってますね。スキルの影響か、将又これもタナトス様がくれたのか」



 そこで、ライトはウィンドウを消した。


 因みに、ジョブというのは世界に生きる者達、それぞれの状態(レベルやスキルなど)に応じて自動的にあてられる、よく分からないものだ。

 別にジョブ通りの仕事や役割をする必要は無いが、ジョブ通りの行動にはある程度補正が掛かる。

 前のライトのジョブ、策謀者はあらゆる状態異常系のスキルや攻撃の威力が上がるという効果があった。



「調べるのは後でも出来ますし、朝ご飯食べに行きましょうか。ミスティ、起きてますかね?」



 そう、一人呟きながらライトは着替えてから、部屋を出た。






「ふぅ……今日は、何しましょうか。最近は依頼漬けでしたし、休みでも良いですかね?」

「良いじゃろう、ドライももう直ぐ踏破出来そうだしのう」

「では、久しぶりに休日、という訳ですね。ミスティ、紅茶を貰っても良いですか?」

「畏まりました、マスター」



 いつも通りの朝食後のブレイクタイムにて、今日は休むことを決める。

 ライト達は、現在『大迷宮(ラビリンス)』のドライ、その50層まで攻略を進めている。

 正直に言えば、苦労はしていない。

 前情報がある上に、実力的には問題ないからだ。


 ミスティアナが慣れた動作で準備した紅茶を、一口飲んでライトは息を吐く。



「うん、美味しい。ミスティ、よく出来ますよね、僕が手を出してないから、味が分からない筈なのに」

「レイシア様に色々と教えて頂きました。記憶した通りに出来ているので、味が分からなくとも問題ありません」

「成程、そういうことですか」

「それにマスターの――……マスター、来客かと」



 言葉を止めて、窓を見たミスティアナが向き直り、ライトに言う。



「この時間にですか、珍しいですね。僕が行きましょう」

「お待ちしております」

「ん~待っておるぞ~」



 いつも通りに抑揚の少ない声と、ダラけた蛇の声を背に玄関へと向かった。




 玄関の扉を開ける。


 居たのは、暗い黄色の短髪に大きな胸、高い身長の、ギルドでよく合う女性――ヒュープだった。



「ヒュープさん?」

「おはようございます~ライトさん~」



 変わらず間延びした声で彼女は挨拶してきた。

 欠片も予想していなかった人物が居たのに、ライトは内心かなり驚いていた。



「ヒュープさん、ということはギルド関連……いや、ソヨさんの呼び出しとかですか?」

「当たりですね~ソヨギルマスが~呼んでいます~。ミスティちゃんも~一緒で~とのことです~」

「今日は休みの予定でしたけど……良いですかね。少し待っていて下さい。ミスティに伝えて、準備をしてきます」

「では~待ってますね~」



 再度、ライトは館の中へと戻って行った。



◆投稿

次の投稿は1/13(金)です。


◆作者の願い

『面白い』,『続きが気になる!』と思った読者の皆様へ。

後書き下の「ポイントを入れて作者を応援しましょう!」から、評価『★★★★★』をお願いします!

その他『ブックマーク』,『感想』に『いいね』等々して頂けると、大変励みになりますので!



□■□■□



◆蛇足

蛇の王「ステータスに書かれるスキルの並びを新しく変更したのじゃ!」

語り部「尚、前章までのステータスは並びが変更されていない」

蛇の王「並び的には、自動発動するスキルが高ランク順に並んだあと、別の列で術系のスキルが並ぶようになっている」

語り部「……なあ、これ僕達が言うべきことか?」

蛇の王「毎回作者が言う感じにすると欄が増えて作業が面倒なのじゃ。なら簡単に此処を使おうということらしいぞ」

語り部「そこは面倒くさがるなよ……」



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