番外編第十四話 時代と共に
入江「水神島で分かったことは、共学制学習にはメリットとデメリットが激しすぎるということだけだったな。」
川田「生徒第一主義も、生徒の独裁を育てるだけです。」
石岡「しかし…今更共学を変更するというのはいささか問題が…」
天音「総理。例の別学型学校ですが、どちらも完成したとの連絡が。」
入江「よし!早速視察に行こうか。」
霞ヶ関 官庁街通り
入江「今ここに、男女別学型の国立高校の開校を宣言いたします。今の時代では、男女平等などが謳われており共学が当たり前になりましたが、共学だからこそ起きるデメリットを払拭できると思っております。」
天音「女学校であります聖ワシリア高校の学長は、私の妹であります天音蘭が。男学校のダンケルク高校には、森戸厚生大臣の甥である森戸伏尾氏が着任いたします。」
入江「尚、この二つの学校の一期生である学生の代表として…」
数日後 首相官邸
入江「これが男子学校の書類…ワシリアの教師一覧…」
天音「しゅ、首相!一大事です!」
入江「何かね。私は今書類整理で…」
天音「ワシリア高校に侵入者が!」
入江「何っ!?セキリュティは万全じゃなかったのか!?」
天音「全女学生が…うっ…思い出すだけでも吐き気が…」
入江「ともかく行くぞ!くそっ…総裁選が近いというのに…」
ワシリア高校 校門
入江「なんだ…これは…」
学校へと続く道には、無惨にも服を脱がされ放置された女学生達が倒れていた。
そして、恐らく恐怖だったのだろう。魂を抜かれたように全員が意識を失っていた。
「恐らく、集団レイプだと思います。その証拠に、この学校の全生徒が全てこのような状態なのですから。」
入江「それにしても…ここまでするのか…?」
「監視カメラには何もデータがありません。全て破壊されて…」
天音「とにかく中に入りましょう。」
学校の中に入って、一番奥には学長室がある。まずは学長に聞くのが良いだろう。
蘭「私は何も感じませんでした。人なんて学生以外誰も…私はその時ちょうど教員会議中でしたから…」
天音「もう…何も使えない妹ねえ。」
入江「まあいい、私たちは官邸に戻ろう。あとは警察様次第さ。」
数日後…
キャスター「今月未明に起きた聖ワシリア高校無差別レイプ事件の犯人が、逮捕されました。加害者は東京都に住む男性で、警察の調べによると、とある人物から時を止める時計を貰った。と供述しており…」
入江「馬鹿馬鹿しいなあ…にしても、犯人は一人だったのか。」
天音「総理。今回の事件で内閣支持率が下がりました。前回より23%ダウンです。」
入江「何でもかんでも俺たちに押し付けやがって…あーもうやだやだ。」
一方 とある場所で…
千紘「計画は成功したか。」
天音「はい。予想通りです。ここまでうまく行くとは…」
千紘「別学制国立校・杜撰な管理…いいネタだ。」
天音「総裁選が楽しみですね。」