第十三話 内部抗争
水神島の戦いから数日…
東京都千代田区 最高裁判所
水神裁判
「我々、裁判官は被告人である女鍋孕実を、絞首刑に処す。」
入江「まだ16の少女とはいえ、身分はあの島の長官だ。致し方ない。」
婆娑羅「しかし。数日後はもう総選挙があります。この裁判も世論では死刑は反対派が大きく…」
入江「駄目だ。心を鬼にしろ。」
未来党 第一会議室
川田「世論でも、あの戦いは間違いだったというのが過半数です。」
石岡「内閣支持率は35%にまで落ち込みました。このままでは、他党に過半数を取られます。」
入江「クソッ...何も知らない国民め..」
天音「提案があります。いっそ、総裁選を先にやるのはいかがですか?」
芦田「バカな!それでは…」
天音「覚悟は承知しています。しかし、ここで何かしらの手を打たないと…」
藤村「天音大臣の言うことに一理あります。現状...総理はもう総理としての器はありません。」
入江「貴様っ...!」
短気な性格の入江雅明は、藤村由美の首を絞めていた。だが、突如として雅明は手を離した。
藤村の手には、小型カメラが仕込まれていたからである。
藤村「証拠は抑えました。みなさん、ご苦労様です。」
森戸「藤村!貴様何をバカなことを…」
大塚「申し訳ありません。私たちは、もうこれ以上貴方達の命令を聞きたくありません。」
堺「まさか君たちは…あの島の...!」
藤村「私たちは、あの島での戦争の前に既に香澄から交渉をしていたのです。なんとか戦いは避けられないかと…しかし、貴方達は戦争へと進んだ。この国をまた汚した張本人だ!」
入江「いい加減にしろ!第一、私を追い出すとして誰が次の総裁に相応しい!?」
石岡「お入りください。」
石岡がゆっくりと、ドアを開けた。ドアの先には、安岡家の現当主。安岡千紘が立っていた。
千紘「入江家ごときが、よくもまあそこまで政治に口を出せるようになったな。」
入江「千紘...!お前のような者が政界に進出するとは…成長したじゃないか。」
千紘「次の総裁選挙で、どちらが勝つか勝負しようじゃないか。」
入江「いいだろう…4代目総合将軍なんかお前には似合わぬ。」
千紘「お前は、未来軍を手にとって世界と戦争を起こす気だろう?」
入江「そんな事はお前は考えなくていいことだ。」
千紘「どうせ、先代の未来連邦計画を起こす気でいるんだ。分かってるぞ。」
入江「なっ...!なぜそれを…」
藤村「私が、全て伝えました。」
入江「藤村っ…!貴様あ!!」
ジャック「そこまでだ!お二方揃って何をしておられる?」
千紘「…未来軍海軍部隊総合将軍か。君には関係のない事だよ。」
入江「ちっ…行くぞ。ジャック。」
千紘「入江…私は、貴様を許さぬ。何があろうと!」