第十二話〔終章〕水神島の運命
2000年 水神星島
未来軍の砲火を受け、
香澄は地下要塞に退却。
作戦の指示に没頭するも、戦況は悪化。
彼女はついにある決断をするに至る。
香澄「…地下要塞にいるSS部隊の師団長は、直ちに長官執務室へ集合せよ。」
第1SS師団師団長・総指揮団長
倉田郁子
「第一SS師団長、倉田郁子。現着しました。」
第2SS師団師団長
小倉抜紀恵
「第二SS師団長、小倉抜紀恵。現着しました。」
香澄「よろしい。全員揃ったな。」
水神星 宣伝相
仙波古希
「現在我がSSは、島の東部を奪還。しかし、西と南は防衛戦を突破されています。北は未だ敵は来てないとの報告があります。また、敵戦力はおよそ40万。対するSSは5割が捕虜にされました。」
小倉「長官。我々にできるのは部隊を全て要塞付近へ集めることです。そうすれば何ヶ月は籠城を…」
香澄「馬鹿なことを言うな!部隊を広範囲に広げろ!」
倉田「長官!それでは被害が益々増える一方です!」
香澄「安心しろ。第7SS部隊が戦線を突破すれば敵を一時退却できる。」
SS第3師団師団長
久留間生粉
「第7師団の戦線突破は不可能に近いです。周囲3㎞を未来軍によって包囲されました。」
香澄「なら、ツァンッ部隊を第7師団へ向かわせろ。」
小倉「ツァンッ部隊は首都防衛に当てています。ここを離れさせては陥落が早まります。」
香澄「それを他の部隊が補えばいいだろう!」
小倉「残っているのは最早我々防衛部隊しかいません!」
香澄「お前は私の指揮にケチをつける気か!?明確的に説明したはずだ!」
仙波「ではこうしましょう。防衛部隊も攻撃部隊も全て未来軍からの攻撃を防ぐために出すべきです。あと数日もすればアメリカ・イギリスの援軍部隊が来るはずです。」
香澄「彼らにとっても未来軍は脅威のはずだ。それまで辛抱しろ。」
万華街 万華ストリート
激しく鳴り響く高射砲が、防衛部隊の司令所までも届いていた。各地の司令所は対応に明け暮れながらも奮闘していた。
万華街防衛部隊 第4SS部隊
師団長 万華花奈
「撤退を行なっただと!?ハッタリだ!こちらは兵士と共に傷だらけになりながらも戦っているんだ!」
「師団長!危ない!!」
電話口の目の前に砲弾が落ちてきた。あと少しそこにいたら巻き添えを食らっただろう。
万華「もしもし。もしもし!」
「どうなされました。」
万華「私が防衛任務を放棄したと言ってるんだ。とにかく、出頭せねば。」
その夜、万華は銃殺された。
長官地下壕
香澄「なぜこんなにも近くで砲撃がされてるんだ。」
小倉「現在抜田観測所へ繋がっています。電話をどうぞ。」
香澄「虎からか。全く…」
香澄「虎。この砲撃が聞こえないのか?」
抜田観測所 観測官
生 虎
「いいえ。」
香澄「どう考えても敵の攻撃だ。なぜ報告しない。」
虎「敵なんてこちらには…判明しました。敵はオーマン川から砲撃をしています。現在情報が届きました。」
香澄「貴様は今の今まで何もしていなかったのか?ダラダラしやがって!観測員は皆クビだ!」
香澄「全く。とんだ不届きものめ。あの野郎!絶対に処刑だ。」
小倉「ザメン郊外からの中距離砲の可能性も。」
香澄「ふざけるな!」
翌日の会議にて
香澄「倉田。お前以外の全SS部隊を戦線に出せ。」
倉田「しかし。3・4・5・6・7の全ての部隊は現在交戦中です。」
香澄「8〜24部隊はまだいるだろう!」
倉田「その部隊のほとんどは未来軍によって殲滅されたか降伏したとの情報がもうきています!」
香澄「なら。25部隊を使えば良い。」
倉田「25部隊は師団もろとも行方不明です。」
香澄「私の副官である冷製淫効果に呼ぶようにしろ。」
倉田「冷製淫はどこにもいません。」
香澄「どこにもいませんじゃないだろ。探すんだ。今いる部隊を使ってでも探せ!」
香澄「冷製淫を連れてこい!冷製淫だ!冷製淫だ!」
ローション噴水近くのホテルにて
冷製淫「あぁ…くああ…」
「効果っ…効果ぁ…」
冷製淫「もっと…もっと…」
『SSだ!副官冷製淫。貴様に出頭してもらう。』
冷製淫「いやよ…誰が行くもんですか…」
『連れていけ!』
冷製淫「やめてっ!はなせ!穢れた豚共め!」
長官地下壕
香澄「倉田、25部隊はお前に任せる。後任は女鍋に任せておく。」
倉田「分かりました…行って参ります。」
香澄「幸運を祈る。」
新・総指揮団長
女鍋孕実
「長官。かねてよりご要望の秘書兼種馬を連れて参りました。」
「伊藤正史です。」
「黒田妊嘉です。」
香澄「君たち二人。よく来てくれた。今は戦時だが、行為はしなくてはダメなのでね。」
伊藤「心得ています。」
香澄「では、部屋に。」
数日後 SS本拠地 ポルノグラフィー・オブ・エラー
長官地下壕
女鍋「敵軍は広範囲で陣を突破し前進しております。南部ではヌーディストビーチを占拠し、万華街に進軍しております。北部ではドスケベ遊園地と珍宝通りの郊外で行動しており、東部ではローション噴水・壁尻オブジェの線にまで到達しました」
香澄「倉田の攻撃で平穏を取り戻すだろう」
女鍋「長官……。倉田は…」
陸部隊参謀 只川 御波
只川「倉田は攻撃のための兵力を集めることができませんでした。倉田は攻撃を実行していません」
香澄「…以下の者は残れ。只川・女鍋・仙波。」
香澄「命令しただろうが!倉田に攻撃しろと命令しただろうが!一体、どこの誰が、私の命令に背いたのだ!その結果がこれだ。SSは私を欺きやがった!誰もが私を欺いた。隊長どもはくそったれ以下、下劣で不届きな臆病者だ!」
仙波「長官、承服できません、兵はあなたのために血を流し…」
香澄「貴様らは臆病者だ!裏切り者だ!失敗者だ!」
仙波「長官、いくらあなたと言えども言い過ぎです!」
香澄「師団長どもは水神星島の島民の中のクズだ!」
香澄「恥さらしだ!」
香澄「貴様ら、師団長などと呼ばれているが、島で行為ばかり学びやがって!覚えたのは性器の扱い方と生ハメの方法だけだ!常にSSは私の邪魔ばかりしやがって!考え付く限りの手段で妨害しやがって!私もやっておくべきだった!高級士官どもを粛清すればよかった、スターリンのようにな!」
香澄「私は大学を卒業してはいない。だが私は、一人の力でやってやった、島の征服を!裏切り者ども…私は始めから裏切られ、騙されてきただけなのだ。島民への恐るべき背信行為だ!だが裏切り者には報いが来る。お前らの血で購うのだ。お前ら自身の血で溺れ死ぬのだ!」
香澄「私の命令は風の囁きのようなものだ。この状況で、指揮することはできない。終わりだ。この戦争は負けだ。だが諸君、私がこの島を離れると思うならそれは大きな間違いだ。その前に、自身の頭を撃ち抜く!」
香澄「後は好きにしろ」
香澄は、有り余る体力全てを使って彼らを批判した。そして、震えるように自室へ戻っていった。
女鍋「今のは本心ではない。」
只川「いや。もうここらが潮時だろう。交渉をすべきだ。」
仙波「何を言うか!あと数日すれば米英の救援部隊が来るんだぞ!」
女鍋「そんなものは最初からないんだ!わかっていたさ。もうここに残っているのは、私たち三人と、種馬と、使用人しかいないんだぞ!」
只川「話にならん。」
地下壕 通信室
女鍋「ヘリを呼べ。」
「そんなものありませんよ。」
女鍋「いいから!戦線にでているヘリを呼び戻せ!」
仙波「貴様!何をしている!?」
女鍋「未来軍に交渉に行くんだ。まだ命がある方がいい。」
仙波「故郷を売った奴は、生きる価値などない!」
只川「やめろ!」
仙波の撃った銃は、只川によって屋根に当たった。
翌日 長官執務室
「SS長官、霧松香澄。汝は常磐井雁を夫としますか。」
香澄「はい。」
「常磐井雁。汝は霧松香澄を妻としますか。」
雁「はい。」
「二人を夫婦とみなします。」
薄暗い地下壕に、最後の拍手が響いた。二人は部屋に入り、行為をし、子を産んだ。
その子の名前は、學嘉と決まった。
女鍋「…全SS部隊からの連絡は、もう来ないのだろうか…」
突如、執務室の方から発砲音が聞こえた。
仙波「いよいよ。この時が来てしまった。」
星章学園生徒会長兼生徒親衛隊学校指導者、霧松香澄はこうしてその生涯を閉じたのである。享年、17歳だった。
彼女は、口の中に銃を入れ脳を撃ったのだろう。隣には毒を飲んで倒れていた雁もいた。
二人の死骸は、地下壕入り口前で焼かれた。その間も激しい空爆が続いた。
只川「…女鍋。今やお前がリーダーだ。」
女鍋「私は…もう嫌だよ…こんなの。」
仙波「…未来軍はもう。首都に進軍した。あちこちに日の丸がある…会議場、各地の行為場、果ては長官の銅像を破壊して…」
女鍋「ごめん。少し外す…」
只川「仙波。私たちはもう無理のようだ。奴らに同行される前に死んでしまおう。」
仙波「分かった。」
女鍋「二人と……........... !?」
女鍋がトイレから帰ると、二人は銃で頭を撃って死んでいた。地下壕にいるのは数人の防衛兵士だけだ。
女鍋「もう…嫌だ…」
「長官。未来軍から壁尻宣言がきています。」
女鍋「早急に、全ての部隊に…戦闘中止を…命じます…」
島の中心首都 行為長
入江「かつて行為に明け暮れたこの島も、今や焦土と化したな。」
ジャック「ええ。しかし、レイガスト将軍がやられるなんて…」
入江「仕方がない。運命だろう…」
婆娑羅「将軍様。SS長官女鍋孕実から、壁尻宣言の受諾。並びに降伏・武装解除の申告が来ました。」
入江「全部隊。戦闘中止!我々の勝利だ!」
ワアアアアアアアアアアアアアア!!!!
珍宝通り 翌8時
女鍋「全水神星島の島民の皆様。今や、SS長官霧松香澄も死にこの戦争を続ける理由は無くなりました。全SS部隊の兵士は、直ちに武装解除をし、ヌーディストビーチへ集合せよ。繰り返す。戦争は…」
ここに。熾烈を極めた水神星島と、未来軍による戦いが終わった。この戦争によって出た被害は全て水神島の方が高かった。人口の7割を失い。主要機関や人々の暮らしは、元に戻るのに数年を要するだろう。
水神島編の完結です!
次回からはまた、日本の内政編は戻ります!この作品を読んでくださいましたら、ぜひ感想をお聞かせください!