表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

はじめてのセクハラ(本人自覚済)

暑いですねぇ。熱中症には気をつけましょう。

「カミナリの影響で脳髄が焼けただれたのですか?身体機能は全て回復したと聞いていたのですが・・・」


 小畜生は見下した目をそのままに、やけに困惑した表情を向けた。やれやれだ、また誤解されてしまった。きっと彼女は私の半身を見て興奮しているのだ、ここは紳士として心のエスコートをしてあげねば。


「まぁとりあえず下に降りよう。それとさっき言っていたが、神の使いなのかな?だったら私にこの世界の常識を教えてくれないだろうか?なにしろ右も左も分からない状態なのだ・・・」

「常識?」

 何か言いたそうな顔をしていたが無視をする。

 ひとまず私はパンツを履きズボンを整えてベルトを締めた。

 犬っころはそれを見て落ち着いた顔を作ると何も言わず地面へ下降していった。どうやら私を魔法とやらで降ろしてくれる訳ではないらしい。自身が飛んでいるのだ、人を飛ばすこともできるだろうに。

 ふむ、まったくもってサービスが悪いのだな。だが私にとって頼りになるのはこのワン公しかいないのだ、とりあえずこの不快感を表に出すのは止めておこう。




 私は木の幹に捕まると落ちないよう慎重にそしてスタイリッシュに降りていった。

 地面に降り立つとワンワンがなかなか愛嬌のある瞳でこちらをみていた。


「意外と運動神経がいいのですね、少し安心しました。その調子で人としての常識も身につけて頂ければ・・・それではこの世界についての説明をしていきたいと思います。この世界の自然には聖霊が・・・」


 やれやれまったくこちらの意見も聞かずに何か話し出したぞ。さっきまでの態度を一変させ、若干のドヤ顔を作りながら語るその様は不快感を加速させるが、私も紳士の端くれだ。一度エスコートすると決めたのだそれに則そう。

 そもそもこの毛玉の前でスタイリッシュに木から降りたのがその態度を軟化させた原因なのだろう。意外と女性陣は運動神経のいい男が好きなのだ。だがしかしそのドヤっぷりが気に喰わん。



 その表情をぶっ壊す!!

 


「よいしょっ!!」ぺろん

 かけ声と共にズボンとパンツをくるぶしまで下げ凶悪なゾウさんのようなものを出すと、腕を組んで彼女の説明を聞く。身体が熱をもってくる。それに同調したのか、彼女の説明にも熱が入っていた。


「という歴史から聖霊使いは高尚な存在と見られ、私と共にいるだけで聖霊使いと見られかなりの恩恵があるとぉぉおおおおおゥオオオ、おいいっお前!!なんで!!はなしきいててッ!!ち○ぽ出してんだよォオオ!!さっき納めたばっかだろぉおおっ!!なんで!!ナンデ!!なんでだしてんだよォォオオ!!」


 もふもふがまるで種族自体が変化したかのように表情を一変させ発狂する。怒りと困惑が混ざり見事なコントラストを描く。


「そのぉ、表情かおがぁみたかったぁ♪」


イエス!

イエス!

イエス!


決まった。決めてしまった。大勝利だ。これでもふ公の思考は私のち○ち○以外考えられなくなるはずだ。


「あ”あ”あ”あ”あ”あああ”あ”あ””あ”あ”あ”」


 宙に浮く自称聖霊らしい奇妙な毛玉はこらまた頭を抱えながら奇妙に体を捻らせ苦悶に耐えられないと表現をしていた。このまま剥製にすればきっと現代芸術を進歩させてくれるだろう♪



「おい!大丈夫か!しっかりしろ!何があったんだ。」

 そう言ってまたの間にぶら下がる私を振り回し風を起こして扇いでやった。


「ア”ァ”あ”」


 そしてさらに奇妙な事が起こり始める。荒れ狂った自称サリエルは霞のように輪郭がずれはじめ、ぶれる。さらにそのぶれは徐々に大きくなる。




 やがてそのぶれぶれはヒト型を作り出すとまた徐々に輪郭をはっきりさせていった。




「はぁ、はぁ、はぁ、、」

 ぶれ始めた輪郭はいつの間にか少女を形作っていた。身長は160位だろうか髪は肩位、恐らく凛とした顔つきなのだろうが、いかんせん歪み苦しんでる表情がそれを悟らせない。





「この、私が、この程度で、情けない!」


 まったくだ。この程度で発狂するなんて。それならばこれ以上ハードなプレイができぬではないか。


「はぁはぁ、脳髄が腐れるッ。失礼、取り乱しました。一瞬でもアナタを人として扱った事が間違いでした。今後はゴミくずと話す感覚で行こうと思います。」


 なかなか良い表情をする。だが気に食わない。

 気に食わないのはその服装だ。もふ公だった頃を連想させるかのようなカラーリング、わりかし胸元を露出させているが、そのスーツとメイド服を足して2で割ったかのような服。私はこんな服をチョイスする女性の特徴を知っている。


「おい!貴様、その服装を選ぶあたりからして尻がデカいのだな。だからそんなスカートを選ぶゥフォっッ」



 私が言い終わる前にボディに一撃が入る。しっかりと踏み込まれた強烈な一撃だ。



この女強い!!

レインコートって結構暑いのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ