1-2 ファシリティマネジメントとは
ファシリティマネジメントとは何か?
今回紹介する広義の意味のファシリティマネジメントは『企業、団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動』と定義されている。
各種団体が持つ資産を総合的に判断し、最適な状態にすることにより、それぞれの団体の持つ使命、民間企業であれば利益、国、自治体であれば行政サービスの向上に貢献することがファシリティマネジメントである。
FMの特徴として、前項で述べた通り、職場で働く人々の安全、衛生に気を配ることによる、従業員の定着率の向上や新たなアイディアを沢山生み出す環境作り、会社が数十年後も継続して発展するために地球環境を考えた省エネルギー、インターネットの発達によって生み出された仮想空間を活用した在宅勤務など、これらはFMが管理するもののひとつであり、非常に多岐にわたる。
また、『総合的な判断』とは、従来の日本ではグループ会社は事業ごとに子会社を作り、国を跨ぐ場合には海外子会社を作り、それぞれに社長を立てて管理するのが一般的であったが、FMはこのそれぞれの会社ごと、国ごとの境界線を乗り越え、グループ全体で考えて、ファシリティを最適なものとする。
FMにおける手法、『企画、管理、活用』はPDCAのサイクルを指す。経営方針に従って、(Plan)ファシリティに関する戦略、計画を立案し、(Do)プロジェクトの推進、ファシリティの運営維持を行い、(Check)業績の評価を行い、(Action)改善活動を行い、更なる目標に向かって進む経営活動なのである。