1-1 ファシリティとは
ファシリティマネジメントとは何か?
狭義の意味ではファシリティは企業の持つ土地や建物などの資産を示している。それを管理、マネジメントすることによって、企業の経営体質の向上を図ることがファシリティマネジメントである。
今回紹介する広義の意味のファシリティマネジメントを説明する前に、広義の意味のファシリティの定義について言及する。
まず、対象となる組織は企業だけでなく、官公庁、組合、協会などあらゆる団体が含まれる。そして、各種団体の持つファシリティ、資産は土地、建物に加えて、
①その中で働く人々に提供される職場そのもの、執務環境や生活環境など(内部環境)
②地域社会や国、自治体、更には温暖化が進む地球(外部環境)
③インターネットを通じた仮想空間におけるコミュニティ、そこから得られる情報(情報環境)
があり、これらも全て各種団体の持つ資産として定義される。
また、事業活動を支える場として施設は多様であり、民間企業におけるオフィス以外にも、
①官公庁、地方自治体の庁舎、公民館など
②病院、診察所などの医療施設
③工場などの生産施設、物流倉庫、研究施設
④学校などの教育施設、図書館、美術館、水族館などの文化施設
⑤店舗やショッピングモールなどの商業施設、ホテルなどの宿泊施設
⑥データセンター、コールセンターなどの情報管理施設
⑦駅舎、空港、橋梁、道路などの交通施設、インフラ等
沢山のものが挙げられる。
これらの多種多様な資産を総合的に管理、最適な状態を求めて行くことが広義の意味のファシリティマネジメントであるが、詳細については次項で述べたい。